プラヴィテル・ヴレーメニ〜異世界召喚された俺は時を支配して神を超える〜

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第一章三部〜アークダム王国アレッシオ編〜

第二十話 白銀

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 エルシアは俺達の正面に座った。
 因みに白はリリーの話を耐えられなかったのか、すでに俺の隣で眠ってしまっていた。

「貴方が聞いてさえいれば何も問題はないわ。貴方は彼女の相棒なのでしょう?」

「……うーん、まあそうだな。うん。それでいいよ」

 別にすぐ白と別れる訳でもないだろうから、俺は適当に承諾しておく。

「なら話を進めるわね。ーーあっ、その前に貴方達のランクが決定したから先に報告しておくわ」

 …ん?ランク?俺達の?
 俺は少し疑問に思った。

「決まるも何も『F』じゃねぇのか?」

 俺の質問にエルシアは少し笑みを見せて答えた。

「ええ、確かに全ての冒険者は『F』から始まるわ。そして段階に応じて試験を受けてもらい昇格可能か判断する。そうして高みを目指していくのよ。でもね、貴方達は彼を圧倒していた」

 彼とはルージスのことだろう。
 エルシアが強調して言うほどだからルージスは冒険者の中でも実力者なのだろう。

「つまり貴方達は通常の方法では収まりきらない規格外なのよ。ーーはぁ…、こんなのは私がここに来てから初めての事例ね。」

 エルシアは少し呆れた様にため息を吐きながら俺に書類を見せた。
 そこには俺と白のプロフィールと大きく『B』と記載されていた。

「貴方達はこれからBランク冒険者のユウジとハクとして活動してもらうわ」

「いいのか?俺達はこの業界ではまだ新米だぞ?」

「ええそうね。だから規格外で『B』なのよ。この冒険者には貴方達と同様に規格外っていうのがまだまだいるの。つまり貴方達は規格外の新参者ってところかしら」

 なるほど…。
 俺は頭の中の疑問が晴れてスッキリしていった。

「で、説明に戻るけど、Aランク以上の冒険者、それが人智を超えた規格外の化け物達、Sランカーよ」

 何となく予想はしていたが、やはり『S』というのは存在していたのか。

「『S』はたった一人で小国を落としてしまう程の実力者達。貴方達にその壁が超えられるかしら?」

 何でコイツは少し楽しそうなんだ?
 少し弾んだ声で話すエルシア。
 俺は少し気味悪く感じつつ、適当に応えておいた。

「なら次は『パーティ』について説明しましょうか。パーティとは少数人集まって組むチームみたいなものよ。パーティを組むことで依頼をより円滑に進めることができるわ。まあ依頼料はそのパーティに渡されるから基本はメンバー全員に均等に分配するんだけど一部ではそういう感じじゃないところもあるみたいね。で、早速なんだけど、貴方達は二人でパーティを組むのよね?」

 なんか一気に説明されていきなりパーティを組むのか聞かれても困るものなのだが……。

「そうだな……。まあそれもありかもな。どうせ一緒に行動するんだ、そっちの方がいいだろう。ああ、組むよ」

「なら決まりね。じゃあ早速パーティ名と初期登録者、リーダーの名前をここに書いてもらえるかしら」

 そう言ってペンと書類を出すエルシア。
 コイツ、最初からこうさせる気満々だったな。
 俺はまず俺と白の冒険者名を記入してペンが止まった。
 パーティ名か……。
 俺は二人の共通点が何かないかと思考をフル加速させる。
 うーん。いや、俺は要らないか。

「……じゃあ『白銀しろがね』で」

 すごい適当に決めたが、パッと思いついたのが白の銀髪とゼロの白髪だった。
 まあ特別他に意図するところもないので、これついてはスルーでお願いします。

「あら、中々良いんじゃないかしら。パーティ名は申請すればまた変更できるわ。それでパーティなんだけど、実はそれにもランクが存在するわ。私達ギルドサイドは『アベレージランク』とも呼んでいるわね。その名の通りパーティメンバーのランクを数値化した物の平均をとった値のランクを反映しているわ。あとは個人ランクと同じように能力に見合った依頼ランクを受けてもらうわ」

 エルシアの説明はまだ続いたのでまとめると、

 依頼内容によっては複数のパーティやソロが即決の戦士団として招集される場合があるらしい。緊急依頼クエストと呼ばれるものがそうだ。
 そういう依頼は参加者全員に均等に報酬が与えられるそうだ。
 また国や領主から傭兵として雇われる依頼もあるらしい。これは追々見る機会もあるだろう。その時改めて確認しよう。

「冒険者というカテゴリは非常に曖昧なのよ。私達は総称してそう呼んでいるけれども本当の冒険者というのはもっと自由な存在。我々は貴方達を守る義務がある一方、貴方達の背中を押す役割もある。これから貴方達が活躍するのを楽しみしているわ」

 そう言ってエルシアは席を立ち、部屋をあとにした。

「さて、まだ時間はあるし一度宿にでも戻るか」

 俺は眠っている白を起こさないように担ぎ、ギルドを出て宿に戻った。
 外に出た時、何やら不穏な気配を感じたが、街に異常は無さそうだったので頭の片隅にこの事を置いておくのだった。
 ま、何かあればエルシアが対応するだろう。
 しかし、それは甘い考えだったのかもしれない。
 翌日、俺と白は初依頼を受けようとギルドを訪れていた。

「まじかよ……この街ももう終わりか?」
「俺は嫌だぜ…死ぬのはごめんだ」
「今日のうちに家族を連れて逃げた方がいいんじゃねえか?」

 酒場の連中は不安そうな面持ちでヒソヒソと話していた。
 どうやら何か良くないことが起こるらしい。

「なんじゃ此奴等、今日は何故沈んでおるのじゃ?」

「俺が知るかよ。とりあえずリリーにでも聞きに行くか」

 俺達は誰も並んでいない受付で忙しそうにしているリリーの元を訪ねる。

「あ!『白銀』のお二方!」

 リリーは俺立の顔を確認するや否やパーティ名で呼んだ。

「ちょうどいいところに来ました!エルシア様ーーギルドマスターがお待ちです。ご、ご案内します」

 俺達が来るのをそんなに嬉しいのか途中で言い直すほど興奮した様子で話しかけてきた。
 というかエルシアが待ってるって?まだ何か説明足りないことでもあったか?
 俺は色々考えながらリリーについて行った。勿論白も一緒だ。
 そして少し広い会議室に着いた。どうやら何人かいるらしい。
 俺達はリリーの案内の下、部屋に入った。

「ようやく来たか」とルージス。

「……」
 レベッカは黙って下を向いている。

「お?コイツ等が例の新人ルーキーか?」
 ルージスの横に座る男はバンダナを巻いて首からはカメラのようなものを下げている。

「ふん、まだガキじゃないか。ルージス、おめぇは本当に負けたのか?」
 ドワーフと呼ばれる種族の爺さんが俺を見るや否やルージスに向かって叫んでいる。

「あ、ウォルガーさん!ダメですよ敗者の傷をえぐるような真似をしては」
 騎士のような格好をした金髪の美女がドワーフのウォルガーを叱る。

「そうだぜ、それにギルマスが審判したって聞くじゃねぇか、あの人を疑うのは野暮ってもんだろうよ」
「そうですわ。まあでも、疑いたくなる気持ちは分からなくはありませんわね」
 重厚な鎧を身に纏ったおっさんと緑のフードをかぶった美少女がそれに続く。

「オデ、ハラヘッタ」
 二メートル以上はあるであろう体格の大男はお腹をさすってよだれを垂らしていた。

「僕の計算によれば彼等が不正をした確率は1割を下回るね」
 上品な服装で眼鏡を掛け直し本を読む男はこちらも見ずにそんなことをこぼす。

「……(拙者、どっちでもいいでござる)」
 左眼に眼帯を巻いている長髪の男は無言で座っていた。

「皆さん、まもなくエルシアギルドマスターが着かれます。ご静粛にお願いします。白銀の御二方はあちらの席へお座りください」

 と、一連の流れがあり、俺達は座るように促される。
 ーー何というか……帰りたいんだけど…。
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