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第12話 2人はデジタルタトゥー?(桂の視点)
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2028/10/9(月、祝)AM7:00
翌日、俺とあびるは、明未と蘭を迎えに児童相談所に行き、車の中で桑島家に行ってから今迄の事を話すと、明未が「わたし達の為に色々動いてくれて、皆本当に有り難う。特に桂お兄ちゃん、あびるお姉ちゃん!」と言うと蘭が「違うっすよ。もう『パパ、ママ』っすよ!」と嬉しそうに言った。俺もこれからはあびるを『ママ』と呼ぶ事に決めてこう返す。
「そうだな。てか凄いなお前ら、俺が10年以上アプローチ掛けても塩対応だったのに…。よし、今から東京に行くぞ!」と言うと3人揃って「おー!」と言った。俺達は急いでお出掛け用に身支度し直し、退職願を会社宛てで郵便ポストに入れ、俺ん家に必要最小限の荷物を取りに行き、新幹線に乗って東京のフォビさんへと向かった。
俺は受付のお姉さんに社長から招かれてる事をお伝えすると、別の方が俺達を社長室へと案内して頂き、そこには社長(推定40歳位)と秘書と思しき女性(推定20代半ば)が居た。
「初めまして桂君、フォビドゥンレコード代表取締役の『森田順一』だ、そして隣に居るのが『桜庭奈那子』」と言いながら社長から名刺を渡された。
「そして彼女が君達のマネージャーになる『古田沙里菜』だ。入社5年目で、大学時代レスリング部の部長だ」と言われ、身長175cm位で筋骨隆々の女性を紹介され。
「がっはっはっはっはっは!。宜しくな、お嬢ちゃん達!」
と豪快に挨拶され、作戦会議が始まり、社長がこう切り出す。
「昨日あびるから言われた案を元に、更に私なりに考えてみた。先ず天通と警察で連携して、11月29日水曜日の朝のニュースで、今回の件を全国一斉報道しつつ、明未の学芸会でのライブシーンを、明未と桂以外は顔にモザイクを掛けて流す。勿論、生卵を投げつけられても歌い切った場面を使うぞ」
「えっ!、あのシーンを全国ネットに流すんですか?」
と明未が驚くと社長が。
「ああ。そうすれば『こんな状況でも最後迄やり切って偉い』みたいな感じで世間の同情を得られる。シングルを11月29日水曜日にリリース出来るように手筈を進める、CD、DL両方共だ。但しMHKはそういうやり方禁止だから民放全局で行なう」と言いながら更に続ける。
「ちなみに、デビュー曲はバラードで行く、カップリング曲は何でも良い。桂、13日金曜日迄にアレンジ込みで2曲作れるか?」
「解りました、任せて下さい」
「出来るのパパ?」
「ああ、会社勤めしながらじゃないから余裕だ」
「マジすか?、凄えっす!」
「そしてその翌日のベストホット音楽祭に出演させて頂けるように手筈を整える」
と社長がそう言うと俺は思わず「この子達の地上波初登場がベストホット音楽祭ですか!?」と驚いてしまった。社長が一呼吸置いて続ける。
「それに合わせて、記者会見でお前達3人に登場して貰い、先ず蘭と明未に今回の事件の詳細と、『私達は同性愛者です。元々男性が苦手だったのが、今回の件で完全に嫌いになってしまいました』と語って貰うぞ」と言われて明未が驚き、蘭が「何でそんな事言わなきゃいけないんすか!?」と返した。
「今は世界的にLGBTQの流れが来ていて、それにちなんだ曲がヒットしつつある。その流れに乗って、お前達を『男性嫌いで同性愛者の女性パンクデュオ』というコンセプトで売り出す。早速お前達にはギターも練習して貰うぞ、歌詞もお前達が書け」
「そんな!、それこそ頭『パンク』するっすよ?」
「蘭お姉ちゃん…。」
と蘭のダジャレに明未が苦笑いしてしまったが、社長は構わず続ける。
「その後桂には今回の結婚の経緯を、瑠実とか言う少女の事を省いて説明しつつ、『父親として、そして一人の人間として彼等を許せません』と訴え掛けた後、お前達のデビュー曲をオケに乗せて蘭と明未にギターを弾きながら歌って貰う。それを見た視聴者は感動してCDを買いに行く筈だ」と言った後、社長が一呼吸置いて、こう続ける。
「そう言えばお前達、●イプされた際に相手はコン●ーム付けてたか?」
「いえ、特には何も…。」
「あいつら、思いっ切り中に出して来たっす!」
蘭がそう言ってすぐさま社長が。
「それはいかんな。妊娠だけでなく性病の可能性もあるぞ、もしかしたらエイズかも知れん。そんなお前達に12月3日日曜日にカラーリボンフェスにも出演して貰う。そこで『虐待、差別、いじめ、性暴力、性病、これらに悩み苦しんでる方々に私達も寄り添わせて下さい』とステージ上で言った後、デビュー曲を歌って貰う。テンポの速い曲よりバラードの方が涙を誘い易いからな」
「日本青十字陵様から、そのようにご依頼を頂きました」
と桜庭さんが言い、社長が更に続ける。
「10月15日日曜日にその啓発の為のCM撮影、午後にはMV撮影を、日本青十字陵の敷地内で行なう。土曜日に蘭と明未でそれ用の曲と、それ用の台詞をアフレコする為にスタジオに行って貰うぞ。ちなみに、アフレコは10月14日土曜日だ」
「ボクらアフレコもやるんすか?」
「わたしに出来るかな…。」
「ちなみにその曲の作詞作曲編曲、アーティスト印税はそこに全額寄付する、つまり今回のシングルのお前達への収益は、0だ!」と社長が言うと蘭が慌てて。
「待つっす!。て事はそのシングルに関してはボク達『タダ働き』という事っすか?」と驚きながら尋ねると明未も「その間の学費や生活費はどうするんですか?」と不安げに尋ねると社長が。
「心配するな、フリースクールの学費と必要最低限の生活費は会社から支給する。それに日本青十字陵やカラーリボンフェスの関係者からも『お前達のデビュー曲の宣伝に全面的にバックアップする代わりに、今回の収益を寄付して欲しい』というのが条件だそうだ。所で、お前達のユニット名は何だ?」
と社長が聞くととママが嬉しそうに。
「めいみんバンドです!」
「待つっす!。ボクの要素どこにあるんすか?」
「てかバンドじゃないだろママ…。」
「駄目~?」
とママが聞くと、その場に居る全員が「駄目だ!」と言うと「しょうがないなあ、じゃあ~…。」と少し考えて。
「『Digital Tattoo』ってどう?、略して『デジタトゥ』!」と言い出した。
「何かその単語、智枝があの時、わたしの動画撮りながら『言う事聞け、この動画をデジタルタトゥーにされたくなかったらな!』って言われた…。」と暗い顔をしながら言うと蘭も「ボクもっす、武内って女子が、ボクがヤラれてる時に動画撮りながら同じ事言って来たっす!」と同じく暗い顔をしながら言うと、明未が。
「それに以前、智枝とその友達から『お前の存在自体がデジタルタトゥーだ』って言われた事もあるよ…。」と言うと蘭も「ボクもっす…。」と言うとママが。
「だからだよ。『虐められてる所を動画に撮られ、デジタルタトゥーにされそうになった2人が出逢って組んだパンクデュオ』という設定だよ。ちなみに2人の衣装は、黒の革ジャンとチェック柄のスカートで行くから!」とドヤ顔で言うが、俺はすかさず。
「それは表向きの理由で、絶対あの世界的女性デュオを意識したろ?。駄目ですよね社長、そんな名前?」と聞くと社長は少し考えて。
「良いんじゃないか?、ドタキャンしなきゃ」と言うと、皆吹き出して笑い出す中、明未が「わたし、ドタキャンなんか絶対しませんよ!」と言うと蘭も「ボクもっす!」と言うと社長が。
「桂、後で元ネタ教えてやれ。最後にお前達の安全な引っ越し先が決まる迄、我が社の寮に住め。一斉報道したら一気に有名になるから、普通のアパートとかだと色々危ないからな…。以上がデビュー迄の主な流れだ!。後の手筈は古田に聞け」
と社長が言い終えた後、桜庭さんが。
「貴女達には予算を1億円以上掛けております。頑張って下さい」
「明日迄に蘭と明未の名前変更とフリースクールの編入手続き、蘭と明未の性病検査、桂とあびるの婚姻届を出して来い。以上だ!」と締め括られた。
昼食後、早速明未と蘭を産婦人科に連れて行った。2人共処女膜こそ失ったものの、外傷は特に無かったようだ、それだけでも良かった…。ただ、性病に感染してるかどうかは、各病気毎に潜伏期間があるそうで、最も長いエイズはなんと、行為の日から3カ月後に検査しないと正確な結果が出ないそうだ…。念の為に口の中とあそこを消毒して頂き、病院を後にした…。
そして夕方、今度は楽器屋へ明未と蘭のギターを買いに行った。俺達が色々ギターを探してると、『ムス●ング』という一般的なギターより小さめで価格も約3万円で、身長136cmの明未でも何とか弾けそうなギターを見つけて、2人に聞いてみた。
「2人共何色が良い?」
「わたし、ピンクが良い!」
「ボク、水色が良いっす!」
こんな感じでギターを早速鳴らさせて貰った。自分達が出したギターの歪みの音に感動して即ギターと、一応教本も買って夕飯を食べてお風呂から上がった後に早速練習を始めると明未が。
「実はわたし、前々からギターやってみたいと想ってたんだよ。智枝が11歳の誕生日にエレキギター買って貰ってたんだけど、飽きてすぐ弾かなくなったから貸して、って言ったら『駄目だ!』って言われて『良いでしょ?、もう1か月以上も弾いてないんだし』って言ったら国太に告げ口されてぶたれた…。」
「ボクもっす!。学園祭でガールズバンドやってる女子を見てカッコイイ!、って思ったから両親にダメ元でギター頼んだら元父さんからシカトされて、元母さんからはぶたれたっす!」
「これを蒼っちが聞いたら『その怒りをロックにぶつけてやれ!』とか言いそうだね~♪」
「ハハハ、蒼絵らしいな。アンプを通すのはスタジオ内だな、寮の中では近所迷惑になるから…。」
こうして2人が初めてのギターに四苦八苦しながら、その日は終わった…。
2028/10/10(火)AM8:00
翌日、早速市役所に行き、婚姻届と名前変更の手続きをしに行った。色々書類を書かされたものの、フォビさんの見えない力のお陰か?、手続きは滞りなく終わり、晴れて俺とママは夫婦となり、皆それぞれ『鶴牧 桂』『鶴牧 明未』『鶴牧 蘭』へと名前が変わった。
「やっと手続きが終わったっす。これでやっと『鶴牧 蘭』って名乗れるっす!」と蘭が清々しながら言うと、明未も「わたしもこれで堂々と『鶴牧 明未』って名乗れるよ!」
こうしてお昼ご飯をファミレスで食べた後、フリースクール『ベリーの木』で編入手続きを終えて、明日から通う事になった。
「思ったよりアットホームなトコだったっすね?」
「何か良い意味で学校っぽく無かったよ。次はスマホ買いに行くんでしょパパ?」
「ああ。このご時世、無いと色々不便だからな…。」
「有り難うパパ!。あの一家からわたしだけ、ずっと持たされなかったから嬉しいよ!」
「ボクもっす!」
こうして俺達は、スマホショップで2人に1番安いスマホを買い与えた、まだ音楽で稼げていないからなあ…。
「ありがとうパパ、大事に使うね!」
「ボクもっす!」
「マジで大事に使ってくれよ、契約金含めて高かったんだから。まして昨日ギターも買ったから尚更…。」
「それじゃあーしは一旦地元に帰るから、来週中間テストだし。もしいじめられたら言いなよ、あーしがそいつらぶっ飛ばしてやるから!」
「それはやめて!、ママが本気出したら相手●んじゃうよ~!」
と明未が言うと皆大爆笑し、ママは一旦地元に帰って行った。俺達もフォビさん(以降、会社)に寄って、昨日変更した名前で契約書にサインして寮へ帰り、その日を終えた…。
2028/10/11(水)AM8:00
今日はフリースクール『ベリーの木(以降、学校)』への初登校の日、「2人とも緊張してないか?」と聞くと蘭が。
「全然大丈夫っす!、むしろ今から楽しみっす!。だってフリースクールには武内や鈴木達のような生徒は基本、居ないみたいだし」
「普通の学校と違って、いじめやったらキチンと罰せられて、それでもやめないなら退学させられるって聞いたから安心だよ。普通の学校だったら厳重注意で終わりだよ」
「そして、更にいじめが酷くなるっす…。」
こんな感じで話している内に学校に到着し、俺は先生にご挨拶して寮に帰り、作曲作業に取り掛かった。夕方、2人が学校から帰って来て、夕飯を皆で作って食べながら「学校どうだった?」と聞くと明未が。
「凄く楽しかったよ。皆良い人達ばっかりだったし」
「ボクもっす!、まるで今迄が悪夢だったかのようっす!」
「折角だからママにも電話で話してあげたらどうだ?。あと蒼絵にもギター始めた事も話してやれ」
「じゃあわたし、ママに電話する!」
「ボクは蒼絵お姉さんに電話するっす!」
こうして2人はママと蒼絵に、ここ数日の出来事を楽しそうに語っていた。2人共笑顔になって本当に良かった…。
翌日、俺とあびるは、明未と蘭を迎えに児童相談所に行き、車の中で桑島家に行ってから今迄の事を話すと、明未が「わたし達の為に色々動いてくれて、皆本当に有り難う。特に桂お兄ちゃん、あびるお姉ちゃん!」と言うと蘭が「違うっすよ。もう『パパ、ママ』っすよ!」と嬉しそうに言った。俺もこれからはあびるを『ママ』と呼ぶ事に決めてこう返す。
「そうだな。てか凄いなお前ら、俺が10年以上アプローチ掛けても塩対応だったのに…。よし、今から東京に行くぞ!」と言うと3人揃って「おー!」と言った。俺達は急いでお出掛け用に身支度し直し、退職願を会社宛てで郵便ポストに入れ、俺ん家に必要最小限の荷物を取りに行き、新幹線に乗って東京のフォビさんへと向かった。
俺は受付のお姉さんに社長から招かれてる事をお伝えすると、別の方が俺達を社長室へと案内して頂き、そこには社長(推定40歳位)と秘書と思しき女性(推定20代半ば)が居た。
「初めまして桂君、フォビドゥンレコード代表取締役の『森田順一』だ、そして隣に居るのが『桜庭奈那子』」と言いながら社長から名刺を渡された。
「そして彼女が君達のマネージャーになる『古田沙里菜』だ。入社5年目で、大学時代レスリング部の部長だ」と言われ、身長175cm位で筋骨隆々の女性を紹介され。
「がっはっはっはっはっは!。宜しくな、お嬢ちゃん達!」
と豪快に挨拶され、作戦会議が始まり、社長がこう切り出す。
「昨日あびるから言われた案を元に、更に私なりに考えてみた。先ず天通と警察で連携して、11月29日水曜日の朝のニュースで、今回の件を全国一斉報道しつつ、明未の学芸会でのライブシーンを、明未と桂以外は顔にモザイクを掛けて流す。勿論、生卵を投げつけられても歌い切った場面を使うぞ」
「えっ!、あのシーンを全国ネットに流すんですか?」
と明未が驚くと社長が。
「ああ。そうすれば『こんな状況でも最後迄やり切って偉い』みたいな感じで世間の同情を得られる。シングルを11月29日水曜日にリリース出来るように手筈を進める、CD、DL両方共だ。但しMHKはそういうやり方禁止だから民放全局で行なう」と言いながら更に続ける。
「ちなみに、デビュー曲はバラードで行く、カップリング曲は何でも良い。桂、13日金曜日迄にアレンジ込みで2曲作れるか?」
「解りました、任せて下さい」
「出来るのパパ?」
「ああ、会社勤めしながらじゃないから余裕だ」
「マジすか?、凄えっす!」
「そしてその翌日のベストホット音楽祭に出演させて頂けるように手筈を整える」
と社長がそう言うと俺は思わず「この子達の地上波初登場がベストホット音楽祭ですか!?」と驚いてしまった。社長が一呼吸置いて続ける。
「それに合わせて、記者会見でお前達3人に登場して貰い、先ず蘭と明未に今回の事件の詳細と、『私達は同性愛者です。元々男性が苦手だったのが、今回の件で完全に嫌いになってしまいました』と語って貰うぞ」と言われて明未が驚き、蘭が「何でそんな事言わなきゃいけないんすか!?」と返した。
「今は世界的にLGBTQの流れが来ていて、それにちなんだ曲がヒットしつつある。その流れに乗って、お前達を『男性嫌いで同性愛者の女性パンクデュオ』というコンセプトで売り出す。早速お前達にはギターも練習して貰うぞ、歌詞もお前達が書け」
「そんな!、それこそ頭『パンク』するっすよ?」
「蘭お姉ちゃん…。」
と蘭のダジャレに明未が苦笑いしてしまったが、社長は構わず続ける。
「その後桂には今回の結婚の経緯を、瑠実とか言う少女の事を省いて説明しつつ、『父親として、そして一人の人間として彼等を許せません』と訴え掛けた後、お前達のデビュー曲をオケに乗せて蘭と明未にギターを弾きながら歌って貰う。それを見た視聴者は感動してCDを買いに行く筈だ」と言った後、社長が一呼吸置いて、こう続ける。
「そう言えばお前達、●イプされた際に相手はコン●ーム付けてたか?」
「いえ、特には何も…。」
「あいつら、思いっ切り中に出して来たっす!」
蘭がそう言ってすぐさま社長が。
「それはいかんな。妊娠だけでなく性病の可能性もあるぞ、もしかしたらエイズかも知れん。そんなお前達に12月3日日曜日にカラーリボンフェスにも出演して貰う。そこで『虐待、差別、いじめ、性暴力、性病、これらに悩み苦しんでる方々に私達も寄り添わせて下さい』とステージ上で言った後、デビュー曲を歌って貰う。テンポの速い曲よりバラードの方が涙を誘い易いからな」
「日本青十字陵様から、そのようにご依頼を頂きました」
と桜庭さんが言い、社長が更に続ける。
「10月15日日曜日にその啓発の為のCM撮影、午後にはMV撮影を、日本青十字陵の敷地内で行なう。土曜日に蘭と明未でそれ用の曲と、それ用の台詞をアフレコする為にスタジオに行って貰うぞ。ちなみに、アフレコは10月14日土曜日だ」
「ボクらアフレコもやるんすか?」
「わたしに出来るかな…。」
「ちなみにその曲の作詞作曲編曲、アーティスト印税はそこに全額寄付する、つまり今回のシングルのお前達への収益は、0だ!」と社長が言うと蘭が慌てて。
「待つっす!。て事はそのシングルに関してはボク達『タダ働き』という事っすか?」と驚きながら尋ねると明未も「その間の学費や生活費はどうするんですか?」と不安げに尋ねると社長が。
「心配するな、フリースクールの学費と必要最低限の生活費は会社から支給する。それに日本青十字陵やカラーリボンフェスの関係者からも『お前達のデビュー曲の宣伝に全面的にバックアップする代わりに、今回の収益を寄付して欲しい』というのが条件だそうだ。所で、お前達のユニット名は何だ?」
と社長が聞くととママが嬉しそうに。
「めいみんバンドです!」
「待つっす!。ボクの要素どこにあるんすか?」
「てかバンドじゃないだろママ…。」
「駄目~?」
とママが聞くと、その場に居る全員が「駄目だ!」と言うと「しょうがないなあ、じゃあ~…。」と少し考えて。
「『Digital Tattoo』ってどう?、略して『デジタトゥ』!」と言い出した。
「何かその単語、智枝があの時、わたしの動画撮りながら『言う事聞け、この動画をデジタルタトゥーにされたくなかったらな!』って言われた…。」と暗い顔をしながら言うと蘭も「ボクもっす、武内って女子が、ボクがヤラれてる時に動画撮りながら同じ事言って来たっす!」と同じく暗い顔をしながら言うと、明未が。
「それに以前、智枝とその友達から『お前の存在自体がデジタルタトゥーだ』って言われた事もあるよ…。」と言うと蘭も「ボクもっす…。」と言うとママが。
「だからだよ。『虐められてる所を動画に撮られ、デジタルタトゥーにされそうになった2人が出逢って組んだパンクデュオ』という設定だよ。ちなみに2人の衣装は、黒の革ジャンとチェック柄のスカートで行くから!」とドヤ顔で言うが、俺はすかさず。
「それは表向きの理由で、絶対あの世界的女性デュオを意識したろ?。駄目ですよね社長、そんな名前?」と聞くと社長は少し考えて。
「良いんじゃないか?、ドタキャンしなきゃ」と言うと、皆吹き出して笑い出す中、明未が「わたし、ドタキャンなんか絶対しませんよ!」と言うと蘭も「ボクもっす!」と言うと社長が。
「桂、後で元ネタ教えてやれ。最後にお前達の安全な引っ越し先が決まる迄、我が社の寮に住め。一斉報道したら一気に有名になるから、普通のアパートとかだと色々危ないからな…。以上がデビュー迄の主な流れだ!。後の手筈は古田に聞け」
と社長が言い終えた後、桜庭さんが。
「貴女達には予算を1億円以上掛けております。頑張って下さい」
「明日迄に蘭と明未の名前変更とフリースクールの編入手続き、蘭と明未の性病検査、桂とあびるの婚姻届を出して来い。以上だ!」と締め括られた。
昼食後、早速明未と蘭を産婦人科に連れて行った。2人共処女膜こそ失ったものの、外傷は特に無かったようだ、それだけでも良かった…。ただ、性病に感染してるかどうかは、各病気毎に潜伏期間があるそうで、最も長いエイズはなんと、行為の日から3カ月後に検査しないと正確な結果が出ないそうだ…。念の為に口の中とあそこを消毒して頂き、病院を後にした…。
そして夕方、今度は楽器屋へ明未と蘭のギターを買いに行った。俺達が色々ギターを探してると、『ムス●ング』という一般的なギターより小さめで価格も約3万円で、身長136cmの明未でも何とか弾けそうなギターを見つけて、2人に聞いてみた。
「2人共何色が良い?」
「わたし、ピンクが良い!」
「ボク、水色が良いっす!」
こんな感じでギターを早速鳴らさせて貰った。自分達が出したギターの歪みの音に感動して即ギターと、一応教本も買って夕飯を食べてお風呂から上がった後に早速練習を始めると明未が。
「実はわたし、前々からギターやってみたいと想ってたんだよ。智枝が11歳の誕生日にエレキギター買って貰ってたんだけど、飽きてすぐ弾かなくなったから貸して、って言ったら『駄目だ!』って言われて『良いでしょ?、もう1か月以上も弾いてないんだし』って言ったら国太に告げ口されてぶたれた…。」
「ボクもっす!。学園祭でガールズバンドやってる女子を見てカッコイイ!、って思ったから両親にダメ元でギター頼んだら元父さんからシカトされて、元母さんからはぶたれたっす!」
「これを蒼っちが聞いたら『その怒りをロックにぶつけてやれ!』とか言いそうだね~♪」
「ハハハ、蒼絵らしいな。アンプを通すのはスタジオ内だな、寮の中では近所迷惑になるから…。」
こうして2人が初めてのギターに四苦八苦しながら、その日は終わった…。
2028/10/10(火)AM8:00
翌日、早速市役所に行き、婚姻届と名前変更の手続きをしに行った。色々書類を書かされたものの、フォビさんの見えない力のお陰か?、手続きは滞りなく終わり、晴れて俺とママは夫婦となり、皆それぞれ『鶴牧 桂』『鶴牧 明未』『鶴牧 蘭』へと名前が変わった。
「やっと手続きが終わったっす。これでやっと『鶴牧 蘭』って名乗れるっす!」と蘭が清々しながら言うと、明未も「わたしもこれで堂々と『鶴牧 明未』って名乗れるよ!」
こうしてお昼ご飯をファミレスで食べた後、フリースクール『ベリーの木』で編入手続きを終えて、明日から通う事になった。
「思ったよりアットホームなトコだったっすね?」
「何か良い意味で学校っぽく無かったよ。次はスマホ買いに行くんでしょパパ?」
「ああ。このご時世、無いと色々不便だからな…。」
「有り難うパパ!。あの一家からわたしだけ、ずっと持たされなかったから嬉しいよ!」
「ボクもっす!」
こうして俺達は、スマホショップで2人に1番安いスマホを買い与えた、まだ音楽で稼げていないからなあ…。
「ありがとうパパ、大事に使うね!」
「ボクもっす!」
「マジで大事に使ってくれよ、契約金含めて高かったんだから。まして昨日ギターも買ったから尚更…。」
「それじゃあーしは一旦地元に帰るから、来週中間テストだし。もしいじめられたら言いなよ、あーしがそいつらぶっ飛ばしてやるから!」
「それはやめて!、ママが本気出したら相手●んじゃうよ~!」
と明未が言うと皆大爆笑し、ママは一旦地元に帰って行った。俺達もフォビさん(以降、会社)に寄って、昨日変更した名前で契約書にサインして寮へ帰り、その日を終えた…。
2028/10/11(水)AM8:00
今日はフリースクール『ベリーの木(以降、学校)』への初登校の日、「2人とも緊張してないか?」と聞くと蘭が。
「全然大丈夫っす!、むしろ今から楽しみっす!。だってフリースクールには武内や鈴木達のような生徒は基本、居ないみたいだし」
「普通の学校と違って、いじめやったらキチンと罰せられて、それでもやめないなら退学させられるって聞いたから安心だよ。普通の学校だったら厳重注意で終わりだよ」
「そして、更にいじめが酷くなるっす…。」
こんな感じで話している内に学校に到着し、俺は先生にご挨拶して寮に帰り、作曲作業に取り掛かった。夕方、2人が学校から帰って来て、夕飯を皆で作って食べながら「学校どうだった?」と聞くと明未が。
「凄く楽しかったよ。皆良い人達ばっかりだったし」
「ボクもっす!、まるで今迄が悪夢だったかのようっす!」
「折角だからママにも電話で話してあげたらどうだ?。あと蒼絵にもギター始めた事も話してやれ」
「じゃあわたし、ママに電話する!」
「ボクは蒼絵お姉さんに電話するっす!」
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