【完結】小6女児の毒親脱獄劇(改良版)

ヤマノカツラ

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第11話 明未と蘭、遂に脱獄!(桂の視点)

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2028/10/8(日)PM4:30

 俺は明未と蘭がトー縦キッズになろうとしているのを止められずに居た。当然このまま行かせる訳には行かない。かと言ってこのままだと2人共いつか心身共に壊れてしまう。くそっ!、どうすれば良いんだ…。と俺が解決策を見出せずに居る中、あびるが唐突に。

「ずらっち、瑠実っち。めいみんと蘭姉ちゃんを養子に迎え入れてあげなよ?」
「ウチらも出来ればそうしてあげたいねんけど、桂兄の経済力じゃウチらと、いずれ産まれて来る子供達で精一杯やねん…。」
「それに養子を2人も迎え入れるなんて、親族総出で猛反対するだろうなあ、特に母さんが…。」

  瑠実に続けて俺が言うと、それを聞いてあびるが「だったら…。」と言って一呼吸置き…。

「あーしと結婚しよう!」
「はあっ!、何でそうなんるんだよ?」

 あまりの衝撃に俺は、青天の霹靂に襲われたようにそう返した。アビーさんも驚きながら。

「あびる、何を言い出すんだ急に!?」
「御冗談ですわよね?、あびるお姉様!」

 と初も気が気では無さそうだったが、あびるは無常にも。

「ん~ん、あーし本気だよ。あーしとずらっちが夫婦になって、めいみんと蘭姉ちゃんと一緒に暮らすんだよ。今から児童相談所に通報して2人をそれぞれの両親から強制的に引き放して貰おう!」と聞いて来た。

「いや、でも俺、あの会社で定年迄勤め切る自信無いぞ?。それにあの会社だっていつ撤収するか解んないし。それに俺の為に、お前の人生を食い潰すような事はさせたくないし…。」
「わたしもだよ。貴方達に両親になって欲しいけど、2人に負担掛けて迄そんな事して欲しくなんかないよ、特に金銭面で…。」
「ボクもっす!」

 と蘭がそう言うと、あびるは自信満々にこう続ける。

「それなら心配いらないよ。あーしらすぐにメジャーデビューして即、大ブレイク出来るから、勝算もあるし!」と自信満々にそう言い切ると蒼絵が。

「出来るのか?、ホントにそんな事が!」
「では聞かせて貰おうか?、その『メジャーデビューして即、大ブレイク出来る勝算』とやらを」と俺が言うと、あびるが一呼吸置いてこう切り出す。

「先ず今回の件を警察に言う、その後大手広告代理店の天通に言って全国一斉報道して貰い、抱き合わせでめいみんと蘭ちゃんのデュオでフォビドゥンレコードさん、以降『フォビさん』からデビューさせて頂く事をニュース内で伝えて貰おう」

 と、あびるはとんでもない事を言いながら、更に続ける。

「もしずらっちが同じ目に遭わされても『可哀想に』で終わるけど、年端も行かない美少女が2人も立て続けにレ●プされたら世間の人々は『許せない!、可愛哀!、応援してあげたい!』ってな具合に大勢の人が心を動かされ、世論が動くって訳よ。勿論、2人を学校はフリースクールに通わせて貰えるように社長を説得するから。名付けて、ジャンヌダルク作戦~!」

 作戦の内容があまりにぶっ飛び過ぎて、理解が追いつけずに居る俺の横で蒼絵が。

「『ジャンヌダルク作戦~!』じゃねえ!。そんな事したら加害者だけでなく、この2人迄世間の好奇の視線に晒されっぞ!、下手すりゃ危ない目に遭うかも知れねえし…。」と注意した、俺も続けて。「2人共、無理しなくても良いんだぞ?」と言うと、明未は涙を拭いながら「…ううん」と返し、意を決したかのようにこう切り出す。

「わたし、いつも皆に良くして貰ってばっかりで、恩返ししたいってずーっと想ってた。それにわたしこの前、智枝の友達から小石や空き缶を投げ付けられたし…。あびるお姉ちゃんの言う通りにする事で皆に恩返し出来るんならわたし…、やる!」と宣言し出した。

「ボクもっす!。でも何でフォビさんなんすか?、レコード会社なら他にも…。」と蘭が返すと、あびるが続ける。

「フォビさんは天通や行政、警察とも裏で繋がってるからだよ。それにフォビさんは利害が一致すれば半端じゃない予算を出してくれる。どんなに良い曲作っても、聴いて貰えなきゃ存在しないのと同じだからね~」
「凄いな2人共、アタシらより若いのに先にメジャー出来るなんて!」
「蒼絵お姉様の言う通りですわ!」
「お前達のような眷属が居る事を、我は誇りに思うぞ!。では行くが良い、我が眷属よ!」

 と蒼絵、初、ざくろが賞賛の言葉を掛ける中、瑠実が「待たんかいコラ!」と怒鳴り出した。

「ウチと桂兄との結婚はどないすんねん?。てかそのやり方なら、別にウチと結婚でもええやろ!」と瑠実が言うと、あびるが。

「ねえ瑠実っち。ずらっちは『音楽で食えるようになりたい』とず~っと言ってたんだよ。その長年の念願が漸く叶おうとしてるんだよ。それにずらっちの曲がこのまま世に出ないの、超勿体無いと思うでしょ?、あの鮫妻一家がずらっちを脅してでも手放そうとしないのが良い証拠だよ。実際瑠実っちも初めてスタジオで聴いた時、絶賛してたじゃん?」と言うと明未が。

「わたしもそう想う。あびるお姉ちゃん達に会う前に国太達も、桂お兄ちゃんの曲を『キャッチーで聴き易い、他の曲も聴いてみたい』って凄く褒めてたよ」
「それ、ボクも聴いてて思ったっす!」

 と蘭も同調した。俺の曲をこんなに褒めて貰えるなんて、マジですげえ嬉しい、作曲家冥利に尽きるぜ…。

「せやけどウチ、本気で結婚しよう思て、夢も諦めて処女迄捧げたのに…。」と瑠実が悲し気にそう言うとあびるが。

「瑠実っちだって本当は、出来れば音楽辞めたくないでしょ?。もしBerryenもデビューして大ブレイク出来るとしたらどうする?」と言うと瑠実が「そんな方法あるんかい?」と食い気味に聞いて来た。

「あるよ。ただ『今すぐ』って訳には行かないけど…。だからあーしもこの3人と家庭を築きつつ、Berryenも音楽で成功出来るように根回ししとくから!」と自信ありげにそう答えた。納得の行ってなさそうな瑠実に蒼絵が。

「ルミー、姉貴は昔から妙な知恵が働くだけでなく、不思議な説得力がある。そして何故か解んないけどそれが良い結果に結び付く、例え一時的に悪くなっても…。」
「我もそう想ったぞ。まるで毎回、主人公補正でも掛かってるかのようだぞ。もしくは神か悪魔の啓示を受けてるか…。」
「ざくろお姉様の言う通りですわ!」

 と初が同調した後、蒼絵が一呼吸置いて。

「もしルミーがまだプロを目指したいんなら、騙されたと思ってもう少しだけ姉貴に付き合ってみないか?」と瑠実に優しくそう語り掛けると、瑠実が根負けしたのか?。

「…解った。桂との結婚は諦めて、もう少しだけ付き合ったるわ。で、その為にウチらは何をすればええねんあびる?」と仏頂面でそう答える瑠実に、蘭が。

「瑠実さん、さっき迄『桂兄』、『あびる姉』って呼んでたのに、どうして呼び捨てするんすか?」と聞くと瑠実は瞬間。

「ウチの婚約者を寝取って、それにほだされた奴らなんか愛称で呼びた無いわ!。それにあんたらだって内心では、ウチよりもあびるに母親になって欲しいんやろ?」と怒りを露わにすると、明未も蘭も何も言い返せずに居た。そんな中、あびるがこう切り出す。

「Berryenの皆にやって欲しい事は、先ず来週の中間テストを乗り切る事。そしたら次は車の免許を取る事。それから正社員としてキチンと会社勤めする事、そして自動車学校代と中古車代をご両親に返す事。お母さんの家事を手伝う事。そしてそれらに支障をきたさない範囲で楽器練習と作詞、作曲、編曲もやっとく事」

 と、妙に普通の事を言い出すあびるに驚き、蒼絵が。

「待て姉貴!、普通は『もっと練習しろ』とか『もっと良い曲作れ』とかだろ?」
「蒼絵お姉様の言う通りですわ!、折角フォビさんと繋がれるのに…。」
「ましてSNS全盛のこのご時世なら『あのSNSをこう駆使してバズらせる』とか『人気インフルエンサーに好かれる』とかあるではないか?」

 ざくろが納得行かなそうにそうと言うと、あびるが。

「Berryenを売り出す際に『音楽に全ての時間を費やして努力したバンドです』よりも『正社員として働きながら音楽活動も頑張って来たバンドです』と紹介された方が世間の心象も良くね?。それに実際に売れる迄は全国行脚の際、自分達で車運転しなきゃいけなくなるから免許と車は必須だよ~」

 とあびるが説明し出した。俺もそう思う中、あびるが更に続ける。

「後さっき蒼っちとざくっちが言った方法を一通り試して全部失敗した、ある意味最高のお手本がここに居るじゃん。ね、ずらっち?」
「…ああ。それにどんなに才能があって努力しても、運を掴めず終わってしまう人は星の数程居るし、俺も今迄はそうだった」
「それはラッズだからであって、アタシらもそうなるとは限らねえだろ?」
「蒼絵お姉様の言う通りですわ!」

 と初が同調するとあびるが。

「そうやって皆も、ずらっちと同じ轍を踏むの?。瑠実っち」
「嫌やん!、こいつと同じ轍を踏む程、ウチらアホやないわ!」
「瑠実お姉様の言う通りですわ!」

 と初が同調して来た。まあ、いきなり婚約を破棄した俺だから『こいつ』呼ばわりされても仕方あるまい…。数秒間の沈黙の後、瑠実がこう切り出す。

「解った、今はあびるの言う通りにするわ。但し、高校卒業から1年間だけやぞ。オトンがもうすぐ無職になる以上、あまり家族に心配掛けられへん。家族はウチが説得するさかい」と言うとあびるが。

「丁度良いんじゃね?、仕事と両立出来るか確かめる期間としては。東京に行ったら基本、何でも1人でやんなきゃいけなくなるし。いくら正社員とはいえ、親にお世話になってる状態で、働きながら両立出来ないのに上京するなんて自●行為っしょ?。そういう訳だからお父さん、お母さん。あーし、ずらっちと結婚するから!」

 とあびるがアビーさんに聞くと。

「桂君、嫌なら断っても良いんだぞ?」
「あびるお姉様、早まらないで下さい!」
「確かに桂さんって頼りなさそうだけど、それでもウチの両親なんかより遥かに良いっす!」
「わたしの両親よりもだよ!。それにわたし、あびるお姉ちゃんの手料理なら毎日食べたい、晃子の不味い料理なんかもう食べたくないよ!、桃缶の汁入りカレーとか…。」
「俺も高校の頃、バスケ部の合宿で晃子の桃缶の汁入りカレー食わされたなあ…。あれを美味しそうに食べてたのは国太と安藤だけだったな~…。解ったよ」

 と俺は意を決して、こう切り出す。

「アビーさん、蒼乃さん。あびるさんと結婚させて下さい、お願いします!」と言うとアビーさんが諦めたような表情で「…解った。その代わりあびるの事を幸せにしてやってくれ」と言うと初が「嫌~!」とム●クの叫びのような構図になってる横で、瑠実が俯きながら不服そうな顔をしていた。

「何かごめんね桂君、あびるの思い付きに巻き込んでしまって。それとあびる、事情はどうあれ、瑠実ちゃんの婚約者を奪ったんだから先ず、瑠実ちゃんに謝りなさい、桂君も」と蒼乃さんが厳しくそう告げた。一呼吸置いて、俺とあびるは同時に。

「ごめんなさい!」

 と言いながら頭を深々と下げて謝った、それを見た瑠実が。

「ホンマに反省しとるか?、なら今から家に来て貰うで。そこでウチの家族にぎょうさん怒られて貰うで!」
「ああ、どんな制裁も受けるつもりだ」
「あーしもだよ、抑も言い出しっぺだし。そういう訳だから、ちょっと桑島家に行って来るから…。」
「行って来なさい。明未ちゃんと蘭ちゃんの被害届は私とお父さんが出しといてあげるから…。」

 と蒼乃さんが言ってくれたので、安心して俺とあびる、瑠実の3人で桑島家に向かった…。

 重苦しい雰囲気の中、あびるがフォビさんに今回の事案と、それに便乗する作戦をお伝えし、電話を切って「『今回の件を社長にお伝え致しますので、それ迄お待ち下さい』だって」と伝えてくれた。そこから沈黙の中、桑島家に到着した。

 先ず瑠実が家族に事情を説明し、俺とあびるがすぐさま謝罪すると、お父さんが『よくもうちの娘を傷物にしてくれたな!、娘より夢を選ぶんかお前は?』と先ず俺に怒鳴りながら殴って来た、父親として当然の反応だろう…。

 それを見てた瑠菜さんは『32歳の良い大人が、18歳の女の子をたぶらかすなんて最低やん』と俺に冷ややかな視線を送っていた…。

 続いてお母さんも、あびるの事を『この魔性の女!、瑠実はあんたの事いつも褒めてたのに!』と罵りながら引っぱたこうとしたその時。

「待ってオカン!、ウチがやるわ」と言って瑠実があびるを思いっきり引っぱたいた。「パチン!」と言う音が茶の間に響き渡って沈黙が流れる中、瑠実がこう切り出す。

「ホンマに…、絶対成功させるんやぞ!。そして、ウチらを迎えに来いや!」と泣きながら想いを吐露すると、あびるが一呼吸置いて。

「任せてよ!、その為でもあるんだから、ずらっちと結婚するのは!」
「俺も、必ず成功させてみせる!」

 そう宣言すると瑠実は。

「それを聞いて安心したわ。さあ、もう帰りーや。ウチの気はもう済んださかい…。」と言うと、最後に俺は「本当に、申し訳ありませんでした!」と深々と頭を下げ、あびるも続いて「申し訳ありませんでした!」と同じく深々と頭を下げて、ご家族の冷たい視線の中、俺達は桑島家を後にした…。

 気まずい雰囲気の中、あびるが「ずらっち、ほっぺた大丈夫?」と聞くと「大丈夫だ、国太のパンチに比べれば、てかお前も痛かったろ…。さあ、次はうちの両親に伝える番だ。母さん大激怒するだろうな…。」と返した。

 数分後、俺ん家に到着すると早速今回の件を全て両親に報告した。予想通り母さんは大激怒し「この馬鹿息子!、一体何考えてるの?、あんな良い子を傷つけて!。ていうかあんたが会社を、しかも正社員を辞めて芸能界に行くってだけでも大反対なのに、養子を2人も請け負うなんて冗談じゃないわ!」と大騒ぎすると父さんが「母さん、落ち着いて」と宥める。

「抑も智加ちゃんは、あの国太君と晃子ちゃんの子でしょ?。安藤君も含めて皆家に来た事あるけど、人としておかしいじゃない?、あの3人!。それにその薫ちゃんとだって今日知り合ったばかりでしょ?」と続ける母さんに俺は「母さん、俺はもう未成年じゃないんだし、自分の責任は自分で取るよ」と返した。

「それにもし桂さんが音楽で失敗しても、私が桂さんと子供達を支えます。なので私達が家族になる事を認めて下さい、お願いします!」とあびるも続けた。

「あびるちゃんが今勤めてる会社の、正社員の桂と結婚してくれるなら大歓迎だけど、桂を芸能界に行かせて、しかもそんな得体の知れない子を2人も養子にするなんて、世間の皆様に対して恥ずかしいわよ、瑠実ちゃんのご家族にも!。どうしてもそうしたい、って言うんなら、桂とはもう家族の縁を切るわ、あびるちゃんも2度と家に来ないで頂戴!」

 と母さんが激昂すると父さんが「母さん、何もそこ迄…。」と言うと俺は呆れながら。

「もう良いよ。俺達は俺達で幸せな家族を築いて行くから。荷物は後日改めて取りに来るよ。行こう、あびる…。」と言いながら一緒に我が家を後にし、車に乗った…。気まずい雰囲気の中、あびるが。

「思いっ切り猛反対されちゃったね…。」
「予想はしてたけど、あそこ迄全否定されると思わなかったよ。まさか母さんがあそこ迄、石頭の偏見女だったなんて…。」

 と駐車場で車も発進させず、ハンドルに寄り掛かりながら落ち込んでると、あびるが「ずらっち」と呼び、俺が「ん?、何だあびる」と言いながら振り向いた瞬間、キスをして来た。

「おっ!、お前。何を?」と瞬間的に驚きながら後ずさりする俺に、あびるが「だってあーしら、もう夫婦でしょ?」と返し、俺は慌てながらも「いやまあ、そうだけど…。家帰る前に、ホテル、行くか?」との問いにあびるは「…うん」と小さく頷いた、そして…。

「ごめんなあびる、まさか初めてだと思わなくて…。」と事後、早速俺がそう言うとあびるが「ヒドーイ!、あーしの事ビッチだと思ってたの?」と返す。

「いや、そこ迄は思ってないけど、少なくとも彼氏は居ただろうなあ、って思ってた…。」
「こう見えてあーし一途なんだよ。今迄も何人かから告られたけど『●EXは結婚してから』って言ったら誰も付き合ってくれなくて…。」
「そりゃそうだ。男子中高生なんて、ヤル事しか考えてないようなモンだからなあ…。」

 俺がそう返すと少しの沈黙の後、あびるが。

「あーし、ずらっちと素敵な初体験が出来て幸せだよ」
「ホントか?、相手が俺で。しかも痛そうだったし…。」
「ホントだよ。だって、めいみんや蘭姉ちゃんの事を考えたら…。」
「確かに、あの2人は本当に気の毒としか言いようが無い…。」
「でも逆にそれで確信したよ。もうこれ以上めいみんをあの家には置けない、と。めいみんが危ない目に遭わされそうになったら、流石の国太でも必死に庇う、と想ってたんだけど…。」
「実際は、俺達が想ってた以上にどうしようも無い連中だったって事だな、安藤も含めて…。」
「あーしもそう想ったから、めいみんが本当に命の危険に晒される前に、ずらっちと結婚しよう、と思い立ったんだよ、めいみんも父親はずらっちになって欲しそうだったし、それに…。」
「それに、何だ?」
「あーしの思い付きにいつも付き合ってくれてたし、あーしやめいみんの為になけなしの貯金をいつも切り崩してくれてたし、まるでタル●ードのざくろの果実のように…。」
「まあ俺の存在価値なんて、作曲力と少しの貯金位なモンだろうからな…。」

 と自虐的に返すと、あびるが。

「ずらっち、あーしん家に婿入りしない?。あーし今のフルネーム気に入ってるし、お父さんとお母さんの事、とっても大好きだけど、ずらっちのお母さんはちょっと苦手かな。石頭の偏見女だし、何よりめいみんと蘭姉ちゃんの事を悪く言ったから…。」
「そうだな、これからは『鶴牧 桂』と名乗って行くか…。」

 と婿入りする事を決意したその時、あびるのスマホが鳴ってたから出た。それに対応して話が終わり「今フォビさんから連絡が来て『明日朝10時に我が社でお話を詳しく聞かせて頂けませんか?。米登市の児童相談所に事情を説明して、めいみんと蘭姉ちゃんを連れ出しても良いように根回ししとくから2人も連れて来て』だって。あーしも付いてってもいい?」と言われて俺は。

「マジかよ!、対応早すぎるだろ?。フォビさんが警察や行政と繋がってるっていう噂は本当だったのか…。解った、4人で明日の朝一にフォビさんに行こう!」という流れで急遽、東京に行く事になった。

 午後8時。帰宅後、俺達は蒼乃さんから、明未と蘭の被害届を提出してすぐさま安藤と、蘭に危害を加えた実行犯達、そして長年の虐待の容疑で田沼、鮫妻両家を警察署に連行し、明未と蘭を児童相談所に一時的に保護して頂いたそうだ…。俺達は蒼乃さんが用意してくれた夕飯を一緒に食べて、後片付けを終えた後、あびるが。

「そう言えばずらっち、あのブラック企業はどうすんの?」
「退職一択だろ、洗い物が終わったら上司のスマホに連絡する。退職を決めてる以上、報告は早い方が良いだろうから…。」

 と言ってすぐに洗い物を終えて、直属の上司に退職の旨をお伝えした。

「と言う訳なので、すみませんが10月31日付けで辞めさせて頂きます。残りの出勤日は、有給消化でお願いします」

 そう告げると上司が「ふざけるな!、何考えてんだ?。折角お前の事を信頼して正社員にしてやったのに…。」と大激怒された、当然だろう…。でもこれでやっとこの会社を辞める事が出来て、尚且つ長年の夢だった音楽一本で生活出来そうだ…。
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