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「うん!? なんだ!? そいつらは!?」
そこでやっとジークフリート王子は、臣下の礼を執ったままの私達に気付いたようだ。いや、それにしたってさ...そいつらって言い方はないだろうに...もうちょっと表現の仕方を考えろよな...
「お久し振りです。ジークフリート王子殿下」
「あ、あぁ...バレンタイン卿か...」
父親が挨拶をすると、公爵を前にしてさすがに少しバツが悪くなったのか、ジークフリート王子の目が泳いだ。
そしてその目は私を捉えた。
「え、え~と...そ、そなたは...」
ジークフリート王子は、見覚えのない私のことを思い出そうとして必死になっている。いくら考えたって分かる訳がないのに。だって初対面なんだから。私はそんな姿にちょっとだけ笑いそうになった。
「こちらは私の娘です。リーチェ、ご挨拶を」
「お初にお目に掛かります、ジークフリート王子殿下。バレンタイン公爵家が長女ベアトリーチェと申します。以後お見知り置きを」
「えっ!? 初対面!?」
ジークフリート王子は鳩が豆鉄砲を食ったような顔になった。無理もない。王族が公爵家の長女と面識が無いなんて普通は有り得ないだろうから。自分の記憶違いを真っ先に疑うのは当然だろう。
「娘は病気療養のため長らく我が領地の方に籠っておりましたので、ご挨拶することが出来ませんでした。その病気も完治しましたので、王立学園に入学するために王都へ戻って来たという次第になります」
「あぁ、なるほど...」
納得したようにそう呟いたジークフリート王子は、私のことを頭の先から足の爪先まで舐めるようにジロジロと眺め回した。
その瞬間、私の全身にゾワッと悪寒が走った。なぜならジークフリート王子の表情が、まるで舌舐りしている獣のように見えたからだ。もちろん好色的な意味で。
特に私の胸元辺りに視線が集中しているように感じたのは、自意識過剰になっているせいだけじゃないと思う。
実際ここ最近、私の体の成長は身長が伸びることだけに留まらず、胸も尻もバインバインに膨らみを帯びて来ていた。もう前世の頃の自分と比較するのもバカバカしくなるほど、女の魅力に溢れて来ているなと我ながら思ってはいた。
そんな私の姿が男からどういう目で見られるのか? ある程度は覚悟していたつもりではあったが、いざこうして目の当たりにしてみると、こんなにも不快に感じるもんなんだなとつくづく実感していた。
私はため息を吐きたくなるのをグッと堪えて、無遠慮なジークフリート王子の視線からそっと目を背けた。
そこでやっとジークフリート王子は、臣下の礼を執ったままの私達に気付いたようだ。いや、それにしたってさ...そいつらって言い方はないだろうに...もうちょっと表現の仕方を考えろよな...
「お久し振りです。ジークフリート王子殿下」
「あ、あぁ...バレンタイン卿か...」
父親が挨拶をすると、公爵を前にしてさすがに少しバツが悪くなったのか、ジークフリート王子の目が泳いだ。
そしてその目は私を捉えた。
「え、え~と...そ、そなたは...」
ジークフリート王子は、見覚えのない私のことを思い出そうとして必死になっている。いくら考えたって分かる訳がないのに。だって初対面なんだから。私はそんな姿にちょっとだけ笑いそうになった。
「こちらは私の娘です。リーチェ、ご挨拶を」
「お初にお目に掛かります、ジークフリート王子殿下。バレンタイン公爵家が長女ベアトリーチェと申します。以後お見知り置きを」
「えっ!? 初対面!?」
ジークフリート王子は鳩が豆鉄砲を食ったような顔になった。無理もない。王族が公爵家の長女と面識が無いなんて普通は有り得ないだろうから。自分の記憶違いを真っ先に疑うのは当然だろう。
「娘は病気療養のため長らく我が領地の方に籠っておりましたので、ご挨拶することが出来ませんでした。その病気も完治しましたので、王立学園に入学するために王都へ戻って来たという次第になります」
「あぁ、なるほど...」
納得したようにそう呟いたジークフリート王子は、私のことを頭の先から足の爪先まで舐めるようにジロジロと眺め回した。
その瞬間、私の全身にゾワッと悪寒が走った。なぜならジークフリート王子の表情が、まるで舌舐りしている獣のように見えたからだ。もちろん好色的な意味で。
特に私の胸元辺りに視線が集中しているように感じたのは、自意識過剰になっているせいだけじゃないと思う。
実際ここ最近、私の体の成長は身長が伸びることだけに留まらず、胸も尻もバインバインに膨らみを帯びて来ていた。もう前世の頃の自分と比較するのもバカバカしくなるほど、女の魅力に溢れて来ているなと我ながら思ってはいた。
そんな私の姿が男からどういう目で見られるのか? ある程度は覚悟していたつもりではあったが、いざこうして目の当たりにしてみると、こんなにも不快に感じるもんなんだなとつくづく実感していた。
私はため息を吐きたくなるのをグッと堪えて、無遠慮なジークフリート王子の視線からそっと目を背けた。
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