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「とにかくだ、リーチェ。明日は必ずセバスチャンを同席させること。絶対に二人っきりにはならないこと。これだけはしっかりと守ってくれ...」
「分かりました...」
「あなた、どうせならウチの執事連中をズラリと並べて周りを囲うっていうのは?」
「いや、それはダメだ...さすがに不敬に当たるだろう...本当はそうしたいくらいなんだがな...セバスチャン一人を同席させるのが関の山だろうよ...」
「やっぱりそうよね...リーチェ、肝心な時に側に居てあげられなくてごめんなさいね...」
「いえ...」
「気をしっかり持って? 相手に呑まれちゃダメよ?」
「はい...」
こうして私は明日、ジークフリート王子と一人で対峙することが決定的となったのだった...
◇◇◇
父親の執務室から失意の内に自分の部屋に戻ると、
「お嬢様、お帰りなさいませ。如何でしたか?」
シンシアが心配そうな顔で出迎えてくれた。
「えぇ、心配無いわ...明日は両親とも揃ってウチに居るから安心して...」
そんな顔を見ていたら、とてもじゃないが本当のことを言えなくなった私は、咄嗟にウソを吐いてしまった。
「良かったです...ホッとしました...」
「それで? マルガリータの方はどうだった? 納得してくれた?」
居たたまれなくなった私は話題を変えることにした。
「えぇ、なんとか。最初は不審がっていましたけど、お嬢様の言い付けだと説明したら渋々ではありますが納得してくれました」
「そう...」
そこで私はちょっと考えた。家の中に居たら以前のアレクサンドル王子の時のように、意図せずバッタリと出会ってしまうこともあるかも知れない。
「シンシア、予定変更よ。明日は朝一でマルガリータを外に連れ出してちょうだい。理由は...そうね...あ、そうそう!」
私は机の上に置いてあった王都の観光案内を手に取った。
「ほらこれ? 今、王都でNo.1の人気を誇るお店のスイーツを、私が食べたがっているから買って来て欲しいってのはどう? ついでにあなた達もそのお店でスイーツを思う存分堪能してくればいいわ?」
「はぁ...まぁ構いませんけど...」
シンシアも渋々ではあるが納得してくれたようだ。
◇◇◇
そして当日。私が緊張しながら待っていると、
「お嬢様、王子様がいらっしゃいました」
「そう...客間にお通しして...それとセバスチャン、あなたも同席してね?」
「あぁいえいえ、お嬢様。いらっしゃったのはアレクサンドル王子殿下でございます」
「へっ!?」
私は思わず間抜けな声を発していた。
「分かりました...」
「あなた、どうせならウチの執事連中をズラリと並べて周りを囲うっていうのは?」
「いや、それはダメだ...さすがに不敬に当たるだろう...本当はそうしたいくらいなんだがな...セバスチャン一人を同席させるのが関の山だろうよ...」
「やっぱりそうよね...リーチェ、肝心な時に側に居てあげられなくてごめんなさいね...」
「いえ...」
「気をしっかり持って? 相手に呑まれちゃダメよ?」
「はい...」
こうして私は明日、ジークフリート王子と一人で対峙することが決定的となったのだった...
◇◇◇
父親の執務室から失意の内に自分の部屋に戻ると、
「お嬢様、お帰りなさいませ。如何でしたか?」
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そんな顔を見ていたら、とてもじゃないが本当のことを言えなくなった私は、咄嗟にウソを吐いてしまった。
「良かったです...ホッとしました...」
「それで? マルガリータの方はどうだった? 納得してくれた?」
居たたまれなくなった私は話題を変えることにした。
「えぇ、なんとか。最初は不審がっていましたけど、お嬢様の言い付けだと説明したら渋々ではありますが納得してくれました」
「そう...」
そこで私はちょっと考えた。家の中に居たら以前のアレクサンドル王子の時のように、意図せずバッタリと出会ってしまうこともあるかも知れない。
「シンシア、予定変更よ。明日は朝一でマルガリータを外に連れ出してちょうだい。理由は...そうね...あ、そうそう!」
私は机の上に置いてあった王都の観光案内を手に取った。
「ほらこれ? 今、王都でNo.1の人気を誇るお店のスイーツを、私が食べたがっているから買って来て欲しいってのはどう? ついでにあなた達もそのお店でスイーツを思う存分堪能してくればいいわ?」
「はぁ...まぁ構いませんけど...」
シンシアも渋々ではあるが納得してくれたようだ。
◇◇◇
そして当日。私が緊張しながら待っていると、
「お嬢様、王子様がいらっしゃいました」
「そう...客間にお通しして...それとセバスチャン、あなたも同席してね?」
「あぁいえいえ、お嬢様。いらっしゃったのはアレクサンドル王子殿下でございます」
「へっ!?」
私は思わず間抜けな声を発していた。
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