絶対防御とイメージ転送で異世界を乗り切ります

真理亜

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第40話 新しい仲間

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 全員の時が止まった。

 最初に再起動を果たしたのはユウだった。

「り、リオ、いくらなんでもそれは.. 」

 何度も殺され掛けた相手だ。事情はどうあれ一緒に旅を続けるというのは...

「お主...リオと言ったな? 妾にお主らの仲間になれと? 妾はお主らを何度も殺そうとしたんじゃぞ? 仲間になんてなれる訳も無かろう。何を言うとるんじゃ」 

 ラキがユウの気持ちを代弁してくれた。

「じゃあ聞くけど、ラキは今でもリオ達を殺したいと思ってる?」 

「それは...」

 ラキは自分の体を見詰めながら言葉に詰まってしまった。このお人好しどもは殺そうとした自分を治療してくれた。理由はどうあれ、その事実がラキの心を掻き乱していた。

 と、その時、ラキの体が悲鳴を上げた。ラキの顔が歪む。

 クウ~!

 悲鳴というよりお腹が鳴った音だったようだ。

「「「「 ...... 」」」」

 真剣な話をしている時に...一気に緊張感が薄れてしまった。

「...取り敢えず何か食うか? 話の続きはそれからってことで...」

 ユウが提案する。

「...済まんな...」

 ラキはバツが悪そうだ。

「えっと...何か食べたい物ってあります?」

 アリィがおずおずと尋ねる。

「出来れば肉を食わせて貰うと助かる。血を流し過ぎたのでな」

「チーズバーガーがいいよ!」

 リオが勢い良く勧める。

「なんじゃそれは?」

「えっと...こういう食べ物です...」

「待てお主。今、何も無い所から出さなかったか!?」

 ラキが目を丸くする。

「えっと...私の魔法です...」

「なに!? 魔法とな!? こりゃたまげた...魔法を使えるとは...妾が勝てない訳じゃな...取り敢えず、ありがたく頂くことにする」

 ラキ、初めてのチーズバーガー。果たしてそのお味は?

「こ、これは! 初めて食べる味じゃが、なんという美味!」

「お口に合って良かったです...」

「済まんがお主。もっと出してくれぬか?」

「えっと...どれくらい?」

「そうじゃな...あと100個くらい欲しいの」

「ひゃ、100個ですか!?」

 今度はアリィが目を丸くする。

 結局その後、同じ味ばかりでもどうかということで、テリヤキやチキン、ベーコンなど各種バーガー詰め合わせを出したところ全て「美味い美味い」と完食してしまった。

 途中、我慢できなくなったリオがつまみ食いしていたが、まぁそれもご愛嬌ということで。

「ふぅ...食った食った...ご馳走様」

「お粗末様でした...」

「ホントにあの量を完食するとはな...」

 ユウは呆気に取られた。

「ねぇ、ラキ。美味しかったでしょ? リオ達と一緒に来ればいつでも食べ放題だよ?」

「うぐっ! そ、それは...」

 ラキの心が揺れている。どうやら胃袋を掴まれてしまったらしい。

「じゃ、じゃが...ホントに妾が一緒に行っても良いのか?」

「ユウ! アリィ! お願い! いいでしょ!?」

 ユウとアリィは顔を見合わせる。やがて...

「まぁ...二度と俺達を攻撃しないって言うなら...」

「私も同意見です...」

「ありがとう~! 良かったね! ラキ!」

「あぁ...その...よろしく頼む...」

 こうして竜人ラキが仲間に加わった。



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