55 / 171
55
しおりを挟む
「あ、そうだったわ。忘れる所だった」
ソニアはペロリと舌を出した。
「悪かったわよ。ちょっとばかり調子に乗り過ぎたわ。これからはもう余計なおせっかいは焼かないから許してちょうだいな」
「...本当ですか...」
ソニアの言うことを全く信用できないライラは、胡乱気な目付きでソニアを睨み付けた。
「本当よ。信じてちょうだい」
「...信用できませんね...」
「信用してよ~」
「...なんで急に考えを変えたんですか?」
「ライラさんはすぐ居なくなっちゃったから知らないでしょうけど、ドロシーさんが怒っちゃったのよね」
「...ドロシーさんが?」
「えぇ」
そこでソニアは、ライラが居なくなった後のことを説明した。
「...ドロシーさんがそんなことを...」
ライラはドロシーらしいなと妙に納得した。
「だから安心して? 私のおせっかいはここまで。これ以上やると合宿中の空気が悪くなっちゃうからね」
「...分かりました...」
「良かったぁ~! これからもよろしくね~!」
ライラは完全にソニアのことを信用した訳ではないが、取り敢えずは矛を収めることにした。
◇◇◇
それから以降は、ソニアの言葉通り特になにも起こらなかった。ミハエルも忙しくなったのか、夕食の席にもあまり姿を見せなくなったので、表面上ライラは穏やかな日々を過ごしていた。
合宿の残りが一ヶ月を過ぎたある日のこと、夕食の席でミシェルが立ち上がり皆に告げた。
「皆さん、遅くなりましたが明後日の午後、私主催のお茶会を開こうと思っております。お見知りおき下さい」
それを聞いた全員が「そう言えばまだミシェルだけが開いてなかったんだ」と思い出すことになった。
「分かった。僕の方は問題ない」
今日は珍しく同席していたミハエルが軽く頷いた。ライラはチラッとソニアの方を窺ったが、特におかしな様子は見えなかったので少し胸を撫で下ろした。
ミシェルならソニアみたいに暴走するようなことはないだろう。そう思ったライラは異議を唱えたりはしなかった。
「では皆さん、よろしくお願いします」
ミシェルは軽く頭を下げてそう言った。
◇◇◇
「ミシェルさん、ちょっとよろしいでしょうか?」
「はい? どうしました?」
それでも一応釘を刺しておこうと思ったライラは、自室に戻ろうとするミシェルを呼び止めた。
「その...お茶会に関してなんですが...」
「あぁ、安心して下さい。普通のお茶会にしますから」
ライラの意図に気付いたミシェルは、苦笑しながらそう言った。
ソニアはペロリと舌を出した。
「悪かったわよ。ちょっとばかり調子に乗り過ぎたわ。これからはもう余計なおせっかいは焼かないから許してちょうだいな」
「...本当ですか...」
ソニアの言うことを全く信用できないライラは、胡乱気な目付きでソニアを睨み付けた。
「本当よ。信じてちょうだい」
「...信用できませんね...」
「信用してよ~」
「...なんで急に考えを変えたんですか?」
「ライラさんはすぐ居なくなっちゃったから知らないでしょうけど、ドロシーさんが怒っちゃったのよね」
「...ドロシーさんが?」
「えぇ」
そこでソニアは、ライラが居なくなった後のことを説明した。
「...ドロシーさんがそんなことを...」
ライラはドロシーらしいなと妙に納得した。
「だから安心して? 私のおせっかいはここまで。これ以上やると合宿中の空気が悪くなっちゃうからね」
「...分かりました...」
「良かったぁ~! これからもよろしくね~!」
ライラは完全にソニアのことを信用した訳ではないが、取り敢えずは矛を収めることにした。
◇◇◇
それから以降は、ソニアの言葉通り特になにも起こらなかった。ミハエルも忙しくなったのか、夕食の席にもあまり姿を見せなくなったので、表面上ライラは穏やかな日々を過ごしていた。
合宿の残りが一ヶ月を過ぎたある日のこと、夕食の席でミシェルが立ち上がり皆に告げた。
「皆さん、遅くなりましたが明後日の午後、私主催のお茶会を開こうと思っております。お見知りおき下さい」
それを聞いた全員が「そう言えばまだミシェルだけが開いてなかったんだ」と思い出すことになった。
「分かった。僕の方は問題ない」
今日は珍しく同席していたミハエルが軽く頷いた。ライラはチラッとソニアの方を窺ったが、特におかしな様子は見えなかったので少し胸を撫で下ろした。
ミシェルならソニアみたいに暴走するようなことはないだろう。そう思ったライラは異議を唱えたりはしなかった。
「では皆さん、よろしくお願いします」
ミシェルは軽く頭を下げてそう言った。
◇◇◇
「ミシェルさん、ちょっとよろしいでしょうか?」
「はい? どうしました?」
それでも一応釘を刺しておこうと思ったライラは、自室に戻ろうとするミシェルを呼び止めた。
「その...お茶会に関してなんですが...」
「あぁ、安心して下さい。普通のお茶会にしますから」
ライラの意図に気付いたミシェルは、苦笑しながらそう言った。
27
あなたにおすすめの小説
完)嫁いだつもりでしたがメイドに間違われています
オリハルコン陸
恋愛
嫁いだはずなのに、格好のせいか本気でメイドと勘違いされた貧乏令嬢。そのままうっかりメイドとして馴染んで、その生活を楽しみ始めてしまいます。
◇◇◇◇◇◇◇
「オマケのようでオマケじゃない〜」では、本編の小話や後日談というかたちでまだ語られてない部分を補完しています。
14回恋愛大賞奨励賞受賞しました!
これも読んでくださったり投票してくださった皆様のおかげです。
ありがとうございました!
ざっくりと見直し終わりました。完璧じゃないけど、とりあえずこれで。
この後本格的に手直し予定。(多分時間がかかります)
【完結】長い眠りのその後で
maruko
恋愛
伯爵令嬢のアディルは王宮魔術師団の副団長サンディル・メイナードと結婚しました。
でも婚約してから婚姻まで一度も会えず、婚姻式でも、新居に向かう馬車の中でも目も合わせない旦那様。
いくら政略結婚でも幸せになりたいって思ってもいいでしょう?
このまま幸せになれるのかしらと思ってたら⋯⋯アレッ?旦那様が2人!!
どうして旦那様はずっと眠ってるの?
唖然としたけど強制的に旦那様の為に動かないと行けないみたい。
しょうがないアディル頑張りまーす!!
複雑な家庭環境で育って、醒めた目で世間を見ているアディルが幸せになるまでの物語です
全50話(2話分は登場人物と時系列の整理含む)
※他サイトでも投稿しております
ご都合主義、誤字脱字、未熟者ですが優しい目線で読んで頂けますと幸いです
※表紙 AIアプリ作成
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
【完結】姉に婚約者を奪われ、役立たずと言われ家からも追放されたので、隣国で幸せに生きます
よどら文鳥
恋愛
「リリーナ、俺はお前の姉と結婚することにした。だからお前との婚約は取り消しにさせろ」
婚約者だったザグローム様は婚約破棄が当然のように言ってきました。
「ようやくお前でも家のために役立つ日がきたかと思ったが、所詮は役立たずだったか……」
「リリーナは伯爵家にとって必要ない子なの」
両親からもゴミのように扱われています。そして役に立たないと、家から追放されることが決まりました。
お姉様からは用が済んだからと捨てられます。
「あなたの手柄は全部私が貰ってきたから、今回の婚約も私のもの。当然の流れよね。だから謝罪するつもりはないわよ」
「平民になっても公爵婦人になる私からは何の援助もしないけど、立派に生きて頂戴ね」
ですが、これでようやく理不尽な家からも解放されて自由になれました。
唯一の味方になってくれた執事の助言と支援によって、隣国の公爵家へ向かうことになりました。
ここから私の人生が大きく変わっていきます。
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
妹ばかり見ている婚約者はもういりません
水谷繭
恋愛
子爵令嬢のジュスティーナは、裕福な伯爵家の令息ルドヴィクの婚約者。しかし、ルドヴィクはいつもジュスティーナではなく、彼女の妹のフェリーチェに会いに来る。
自分に対する態度とは全く違う優しい態度でフェリーチェに接するルドヴィクを見て傷つくジュスティーナだが、自分は妹のように愛らしくないし、魔法の能力も中途半端だからと諦めていた。
そんなある日、ルドヴィクが妹に婚約者の証の契約石に見立てた石を渡し、「君の方が婚約者だったらよかったのに」と言っているのを聞いてしまう。
さらに婚約解消が出来ないのは自分が嫌がっているせいだという嘘まで吐かれ、我慢の限界が来たジュスティーナは、ルドヴィクとの婚約を破棄することを決意するが……。
◇表紙画像はGirly Drop様からお借りしました💐
◆小説家になろうにも投稿しています
婚約者を譲れと姉に「お願い」されました。代わりに軍人侯爵との結婚を押し付けられましたが、私は形だけの妻のようです。
ナナカ
恋愛
メリオス伯爵の次女エレナは、幼い頃から姉アルチーナに振り回されてきた。そんな姉に婚約者ロエルを譲れと言われる。さらに自分の代わりに結婚しろとまで言い出した。結婚相手は貴族たちが成り上がりと侮蔑する軍人侯爵。伯爵家との縁組が目的だからか、エレナに入れ替わった結婚も承諾する。
こうして、ほとんど顔を合わせることない別居生活が始まった。冷め切った関係になるかと思われたが、年の離れた侯爵はエレナに丁寧に接してくれるし、意外に優しい人。エレナも数少ない会話の機会が楽しみになっていく。
(本編、番外編、完結しました)
無能だとクビになったメイドですが、今は王宮で筆頭メイドをしています
如月ぐるぐる
恋愛
「お前の様な役立たずは首だ! さっさと出て行け!」
何年も仕えていた男爵家を追い出され、途方に暮れるシルヴィア。
しかし街の人々はシルビアを優しく受け入れ、宿屋で住み込みで働く事になる。
様々な理由により職を転々とするが、ある日、男爵家は爵位剥奪となり、近隣の子爵家の代理人が統治する事になる。
この地域に詳しく、元男爵家に仕えていた事もあり、代理人がシルヴィアに協力を求めて来たのだが……
男爵メイドから王宮筆頭メイドになるシルビアの物語が、今始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる