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「そんな訳ないじゃない!」
ソニアはキッパリと言い切った。
「どうしてそう思うんですか?」
「だってライラさんはミハエル殿下の初恋の相手じゃないのよ!」
「は、初恋って...ま、まさか...」
確かに一目惚れだとミハエルは言っていたが、それまでに初恋を経験していなかったなんて思いもしてなかったライラは、改めてソニアにそう言われたことで完全に動揺してしまった。
「絶対に間違いないわよ! じゃなきゃわざわざ権力を笠に着て、ライラさんのことを候補者の中に捩じ込んだりしないでしょう!?」
「そ、そうなんでしょうか...」
ライラはソニアの自信たっぷりな物言いに気圧されたように、そうなのかも知れないと思い始めていた。
「だから私と違ってライラさんは特別だってことよ! そこら辺をちゃんと自覚しておきなさいよね!」
「ど、どうもすいません!?」
なんだか良く分からないが、取り敢えずライラは謝っておいた。
「しかし...そんな愛しい愛しいライラさんにも秘密にしておくなんて...よっぽどヤバいことが起こったってことなのかしらね...」
「いやいや...おかしい...おかしいって...」
「なにがよ?」
「なにもかもがですよ...なんですかその『愛しい愛しい』って...勘弁して下さいよね...」
「事実じゃないのよ?」
「どこがですか...曲解も良いところでしょうよ...」
「それはライラさんが認めたくないだけなんじゃないの?」
「ぐぬぬぬ...ソニアさんのクセに鋭い...」
ライラは悔し気に唇を噛み締めた。
「なんか言った?」
「いいえ? なにも?」
ソニアが鋭い眼光で睨み付けるが、ライラは素っ惚けた。
「まぁいいわ...とにかく、なにかとんでもないことが起こったのは間違いないんだから、なんとかして聞き出せないものかしらね...」
「どうしてそんなに知りたがるんですか?」
「だって気になるじゃないのよ!」
ソニアは某小説のヒロインのように『私、気になります!』顔になって勢い込みながら迫って来た。
「そらまぁ...そうかも知れませんが...」
ライラはかなり引きながらそう応えた。
「気になって夜しか眠れないわ!」
「ソニアさん、それ言うなら『夜も眠れない』ですよ...夜眠れるんならなにも問題ないじゃないですか...」
ライラは呆れながらそう言った。
「あ、素で間違えた...」
「いや天然かよ...」
ペロッと舌を出して恥ずかしそうにしているソニアに、ライラは思わず突っ込んでいた。
ソニアはキッパリと言い切った。
「どうしてそう思うんですか?」
「だってライラさんはミハエル殿下の初恋の相手じゃないのよ!」
「は、初恋って...ま、まさか...」
確かに一目惚れだとミハエルは言っていたが、それまでに初恋を経験していなかったなんて思いもしてなかったライラは、改めてソニアにそう言われたことで完全に動揺してしまった。
「絶対に間違いないわよ! じゃなきゃわざわざ権力を笠に着て、ライラさんのことを候補者の中に捩じ込んだりしないでしょう!?」
「そ、そうなんでしょうか...」
ライラはソニアの自信たっぷりな物言いに気圧されたように、そうなのかも知れないと思い始めていた。
「だから私と違ってライラさんは特別だってことよ! そこら辺をちゃんと自覚しておきなさいよね!」
「ど、どうもすいません!?」
なんだか良く分からないが、取り敢えずライラは謝っておいた。
「しかし...そんな愛しい愛しいライラさんにも秘密にしておくなんて...よっぽどヤバいことが起こったってことなのかしらね...」
「いやいや...おかしい...おかしいって...」
「なにがよ?」
「なにもかもがですよ...なんですかその『愛しい愛しい』って...勘弁して下さいよね...」
「事実じゃないのよ?」
「どこがですか...曲解も良いところでしょうよ...」
「それはライラさんが認めたくないだけなんじゃないの?」
「ぐぬぬぬ...ソニアさんのクセに鋭い...」
ライラは悔し気に唇を噛み締めた。
「なんか言った?」
「いいえ? なにも?」
ソニアが鋭い眼光で睨み付けるが、ライラは素っ惚けた。
「まぁいいわ...とにかく、なにかとんでもないことが起こったのは間違いないんだから、なんとかして聞き出せないものかしらね...」
「どうしてそんなに知りたがるんですか?」
「だって気になるじゃないのよ!」
ソニアは某小説のヒロインのように『私、気になります!』顔になって勢い込みながら迫って来た。
「そらまぁ...そうかも知れませんが...」
ライラはかなり引きながらそう応えた。
「気になって夜しか眠れないわ!」
「ソニアさん、それ言うなら『夜も眠れない』ですよ...夜眠れるんならなにも問題ないじゃないですか...」
ライラは呆れながらそう言った。
「あ、素で間違えた...」
「いや天然かよ...」
ペロッと舌を出して恥ずかしそうにしているソニアに、ライラは思わず突っ込んでいた。
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