王妃候補に選ばれましたが、全く興味の無い私は野次馬に徹しようと思います

真理亜

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「新作って言うほど大したもんじゃないんですが、今回の合宿中に起こったあれやこれやをドキュメント風に纏めてみたんです。もちろん、口外できない部分や実名なんかはボカして書いてますが、それなりに楽しめる作品には仕上がったと自負してます。暇潰しにはなると思いますので、よろしかったら読んで頂き感想をお聞かせ願いたいです」

 ちなみに原稿用紙はメイドさんに言ったら用意して貰えたので、取材ノートから転写している。

「喜んで!」

 真っ先にミシェルが食い気味に反応した。

「ライラさん、私も読んでみたいんだけど。もう一部ないのかしら?」

 ソニアも食い付いた。

「すいません。なにせこの場には複写機も無ければ清書人も居ないので...それ一部っきりなんですよ...」

 申し訳無さそうにライラがそう言うと、

「ソニアさん、よろしかったら私の部屋にいらっしゃいませんか? 私が読み終わったページをソニアさんに渡せば、一緒に読み進めることが出来ますからね」

 すかさずミシェルが助け船を出した。

「いいですねそれ! 是非ともお願いします!」

「えぇ、一緒に楽しみましょう。ファリスさんは如何ですか?」

 振られたファリスはちょっと考えた後、

「私も読んでみたいです。お願いします」

 少し目を輝かせてそう言った。

「じゃあ決まりですね。お二方、早速読書会を開始しましょうか。ライラさん、ありがとうございます。楽しみに読ませて頂きますね」

「いえいえ、お粗末様です」

 ライラはミシェル達がそそくさと席を立つ姿を満足げに見送った。


◇◇◇


 その日の昼、ライラが食堂に行くと、

「ありゃ!? 誰も来てない!?」

 ミシェル達の姿はなかった。

「お昼ご飯も忘れるくらい夢中になってんのかな...」

 それはそれで嬉しい限りではあるのだが、ちょっと心配になって来たライラは、昼食を手早く済ませてミシェルの部屋に向かった。

 コンコンっとノックをするが中から応答が無い。

「ミシェルさ~ん、失礼しますよ~」

 ますます心配になったライラはそっとドアを開けて中に入った。するとそこには一心不乱に原稿用紙を読み更けっている三人の姿があった。

 ライラが入って来たことにも気付いていない様子だ。

「あ、あの~...み、皆さん...」

 やや遠慮がちにライラが話し掛けると、

「あぁっ! ライラさん! これ素晴らしいです! 夢中になって読んでました!」

 顔を上げたミシェルは満面の笑みを浮かべていた。

「あ、ありがとうございます。喜んで頂いて嬉しい限りですが...昼食の時間とっくに過ぎてますよ?」

 ライラは苦笑しながらそう言った。
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