王妃候補に選ばれましたが、全く興味の無い私は野次馬に徹しようと思います

真理亜

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「フワァ~...むにゃむにゃ..あぁ、良く寝たなぁ...」

 ライラが再び目を覚ましたのはその日の夜遅くだった。

「今、何時だろ?」

 眼鏡を壊されたので壁時計の文字盤が良く見えない。

「深夜一時過ぎだな」

「あ、そう。ありがと...って、殿下!? い、いらっしゃったんですか!?」

 そこで初めてライラは、椅子に座っているミハエルの姿に気付いた。

「フワァ...君の寝顔を見ていたら、いつの間にか僕も眠っていたようだ」

 ミハエルは軽くアクビをしながらそう言った。

「そ、そうですか...あ、あの...で、殿下もお疲れでしょうし、ずっと付いていていただかなくても...」

 寝顔を見られた恥ずかしさと、ミハエルの体調を気遣ってライラはそう言ったのだが、

「気にしないでくれ。僕がしたくてしていることなんだから」

 ミハエルそう言われてしまっては、ライラもそれ以上は何も言えなくなってしまった。

「あ、そうそう。ライラ、君に報告しておくことがある」

「はい?」

「他の候補者達は全員辞退した。残るは君だけだ」

「え、え~と...つ、つまり?」

 起き抜けのライラはまだ良く回ってない頭で考えを巡らした。

「君が僕の婚約者に決定したということだ」

「あ、じゃあ私も辞退」

 ライラは即答したが、

「他の候補者達からはどうか君を幸せにしてやって欲しいと頼まれてね」

 ミハエルは皆まで言わせなかった。

「でしたら辞退させていただくことが私の幸せ」

「正式発表はまだ先になるが心構えだけはしておいてくれ」

 以下同文。

「殿下...さては私の話を聞く気ありませんね...」

「話は以上だ。さて、まだ仕事が残っているのを思い出したから僕はこれで失礼するよ」

 言いたいことだけ言ってミハエルは席を立ってしまった。去り際に一言、

「あ、ライラ?」

「なんですか...」

 ライラはやさぐれながらぶっきらぼうに返事を返した。

「愛してるよ♪」

「うっぽぅっ!?」

 途端にライラの顔は真っ赤に染まった。


◇◇◇


 執務室に戻ったミハエルは新しい秘書官を呼んだ。

「ゲイリー、この通達を各部署に回してくれ」

 ルイスの件で懲りたミハエルは、新しい秘書官を選ぶにあたって自らが面接を行いゲイリーを任命した。

「畏まりまし...た!?」

 ゲイリーが驚いたのも無理はない。それは大公夫妻の国葬の後、国王ヘンドリックスが退位し新国王としてミハエルが即位するというものだったのだから。

「どうした? 早く行け」

「は、はい!」

 ミハエルに促されたゲイリーはそそくさと執務室を後にした。
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