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右の道をしばらく歩いて行くと、やがて広い部屋のような空間に辿り着いた。
「なんだここ? やたら広いな?」
そう言ってフウカが松明を掲げる。だが部屋の奥までは光が届かない。
「見てフウカ。こっちに蝋燭立てがあるわ」
「こっちにもあるぞ」
「あ、あそこにもありますわ」
3人が部屋を見渡しながら、口々に部屋の隅や真ん中を指差す。
「まだ蝋燭は残っているようだね。早速火を点けてみようか」
フウカが一つ一つの蝋燭に火を点して行くと、次第に部屋の全貌が明らかになって来た。
その部屋は更に3つの部屋に分かれているようだ。それぞれの部屋の入り口には、注連縄のような縄が張ってあって行手を防いでいる。
「入っていいのかな?」
その部屋の一つにフウカが近付いた。
「みぎゃっ!」
途端、弾かれたように後ろにひっくり返った。
「ふ、フウカ!? ど、どうした!? だ、大丈夫か!?」
カレンが慌てて駆け寄る。
「な、なんかビリッとして弾かれた...」
フウカが青い顔をしながらそう呟いた。
「結界...ってことかしらね...」
シイナが顔を顰めながらそう言った。
「その通りじゃ」
その時、4人の内の誰の声でも無い、嗄れた老人のような声が響き渡った。
「誰だ!?」
直ぐ様カレンが誰何する。
するといつの間にどこから現れたのか、黒いフードを被り右手に杖を持った老女が部屋の真ん中に佇んでいた。
「儂か? 儂はここの門番じゃよ」
「門番!? ってか、ここはそもそもなんなんだよ!?」
「ここは試練の間じゃ」
「試練!?」
「お主らは国から追放されて来たんじゃろう? この脱出不可能と言われる穴の底に」
「あぁ、そうだ」
「外に出たいと思わんかえ?」
老女のその言葉に4人は顔を見合わせた。
「そりゃ...出られるもんなら出てみたいけど、空でも飛べない限り無理じゃない?」
4人を代表する形でシイナがそう言った。
「出られると言ったら?」
4人は息を呑んだ。
「...出られるの?」
「出られるとも。飛竜の力を借りればな」
「飛竜って!?」
「その名の通り、天翔る竜のことじゃ。遥か昔、この地に封印されたんじゃよ。その封印を解いてやれば、飛竜はお主らに力を貸してくれることじゃろう。ここはその封印を解くために、乗り越えなければならん試練を課す所じゃよ」
4人は黙り込んだ。
本当だろうか? いやそもそもこの胡散臭い老女は信用できるんだろうか? 老女の顔はフードに隠れていて良く見えないから、どんな表情を浮かべているのか窺い知ることは出来ない。
「...試練の内容は?」
取り敢えず聞いてから決めよう。
そう思ってシイナは老女に尋ねてみることにした。
「なんだここ? やたら広いな?」
そう言ってフウカが松明を掲げる。だが部屋の奥までは光が届かない。
「見てフウカ。こっちに蝋燭立てがあるわ」
「こっちにもあるぞ」
「あ、あそこにもありますわ」
3人が部屋を見渡しながら、口々に部屋の隅や真ん中を指差す。
「まだ蝋燭は残っているようだね。早速火を点けてみようか」
フウカが一つ一つの蝋燭に火を点して行くと、次第に部屋の全貌が明らかになって来た。
その部屋は更に3つの部屋に分かれているようだ。それぞれの部屋の入り口には、注連縄のような縄が張ってあって行手を防いでいる。
「入っていいのかな?」
その部屋の一つにフウカが近付いた。
「みぎゃっ!」
途端、弾かれたように後ろにひっくり返った。
「ふ、フウカ!? ど、どうした!? だ、大丈夫か!?」
カレンが慌てて駆け寄る。
「な、なんかビリッとして弾かれた...」
フウカが青い顔をしながらそう呟いた。
「結界...ってことかしらね...」
シイナが顔を顰めながらそう言った。
「その通りじゃ」
その時、4人の内の誰の声でも無い、嗄れた老人のような声が響き渡った。
「誰だ!?」
直ぐ様カレンが誰何する。
するといつの間にどこから現れたのか、黒いフードを被り右手に杖を持った老女が部屋の真ん中に佇んでいた。
「儂か? 儂はここの門番じゃよ」
「門番!? ってか、ここはそもそもなんなんだよ!?」
「ここは試練の間じゃ」
「試練!?」
「お主らは国から追放されて来たんじゃろう? この脱出不可能と言われる穴の底に」
「あぁ、そうだ」
「外に出たいと思わんかえ?」
老女のその言葉に4人は顔を見合わせた。
「そりゃ...出られるもんなら出てみたいけど、空でも飛べない限り無理じゃない?」
4人を代表する形でシイナがそう言った。
「出られると言ったら?」
4人は息を呑んだ。
「...出られるの?」
「出られるとも。飛竜の力を借りればな」
「飛竜って!?」
「その名の通り、天翔る竜のことじゃ。遥か昔、この地に封印されたんじゃよ。その封印を解いてやれば、飛竜はお主らに力を貸してくれることじゃろう。ここはその封印を解くために、乗り越えなければならん試練を課す所じゃよ」
4人は黙り込んだ。
本当だろうか? いやそもそもこの胡散臭い老女は信用できるんだろうか? 老女の顔はフードに隠れていて良く見えないから、どんな表情を浮かべているのか窺い知ることは出来ない。
「...試練の内容は?」
取り敢えず聞いてから決めよう。
そう思ってシイナは老女に尋ねてみることにした。
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