ようこそ、追放村へ!~冤罪で婚約破棄され国外追放された4人の令嬢達

真理亜

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「乗ったか? 振り落とされるでないぞ?」

 4人がしっかり捕まったのを確認したヘイロンは、ゆっくりと羽ばたきながら舞い上がった。

「ね、ねぇ、ちょっと...ここ洞窟なんだけど...飛んで大丈夫なの!?」

 おっかなビックリと言った感じでヘイロンの背中に捕まりながらも、シイナは気になっていることを聞いてみた。
 
「あぁ、心配要らん。この洞窟は儂の魔力で作り上げた物じゃからな」

 ヘイロンがそう言った途端、洞窟は跡形も無く消え失せた。

「き、消えた...」

「さて上昇するぞ? しっかり捕まっておれよ?」

 そう言うなり、凄いスピードでヘイロンは急上昇した。

「「「「 ヽ(ヽ゜ロ゜)ヒイィィィ! 」」」」

 4人は悲鳴を上げながらヘイロンにしがみ付く。

 あっという間に渓谷を越えて、更に空高く飛び上がった。

「ほれ、イースト王国に着いたぞ」

 そう言ってヘイロンが降り立ったのは、深い森の中に建つ一軒家の前だった。

「あ痛たたた...腰打った...」

「マジでビビッた...死ぬかと思った...」

「怖かったんだけど...なんだろう...ちょっと楽しかったかも...」

「わ、わたくしは二度とゴメンですわ...」

 四者四様の感想を述べつつ、ヘイロンの背中からゆっくりと降りた4人であった。

「ここどこよ?」

「イースト王国の辺境じゃ。儂のこの姿を人目に晒す訳にはイカンからな」

「この家は?」

「儂の隠れ家じゃ。人間の姿で生活する時に使っておる」

「人間の姿で暮らしたりすんの!?」

「あぁ、結構昔からそうしとるぞ」

「あなた、お幾つなんですの?」

「おや? 女性に歳を聞くのかえ?」

 そんな軽口を叩きながら、ヘイロンは人間の姿に戻った...のだが...

「ちょ、ちょっとなによそれ! あなた、若いじゃないの!」

 堪らずシイナが叫んだ。

 そう、黒いフードを脱いだその姿は、まさに絶世の美少女と言えるほど端麗な容姿だった。

「婆さんじゃなかったのかよ...」

「あれは演出じゃ。その方が雰囲気出るじゃろ?」

「演出て...」

 カレンが呆れたように呟く。

「...なんだかボクらより美人なのがムカつくんだけど...」

「...しかもなんですか...そのボンキュッボンのけしからんナイスボディは...」

 フウカとミレイが嫉妬する。4人からそれぞれ羨望の眼差しを浴びたヘイロンは、

「まぁ積もる話は家の中でするとしよう。お茶にお茶菓子もあるぞ? さぁ入った入った」

 そう言ってさっさと家の中に入って行った。

 4人はため息を吐きながら後に続いた。
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