8 / 16
8
しおりを挟む
怖い怖い怖い...マジで怖い...
サンドラの目的は私を消すこと。文字通り私を消そうとしている。それが分かってしまうから怖くて堪らない...
これが分かりやすい虐めとかなら、親しくなったマリク殿下やキース様に相談するという手もあった。だがサンドラのやってることは、あくまで過失という体を装おって巧妙に殺意を隠している。
狡猾なやり方だ。端から見れば単なるドジっ娘にしか見えないだろう。実際、彼女の周りの人達は天然だと思い込まされているらしい。その裏に隠された殺意に気付くことなく...
これではいくら私が訴えても、誰も信じてはくれないだろう。自衛するしかない。だがこのままずっと受け身で居続ければ何れはジリ貧になってしまう。
自分から動くしかない。私は考えを巡らせる。そこでふと気付いた。なぜサンドラは私の行く先々に現れるのか? 私が気付いていないだけで、後を尾けられているのだろうか? だったら逆に、私がサンドラの後を尾けて行けば攻撃を受けることはないのでは? そう思った私は、早速次の日から実行に移すことにした。
◇◇◇
次の日の朝、いつもならとっくに教室に入って自分の席に着いている時間。私は廊下の隅に隠れて観察している。するとクラスが違うサンドラがやって来た。クラスの中を覗き込んでいる。私の姿を探しているのだろう。居ないと分かると去って行った。なるほど、いつもこうやって確認していたのか。
お昼休み。いつもなら席で少しまったりしてから食堂に行くが、今日は今朝と同じように廊下の隅に潜む。するとサンドラがやって来た。今朝と同じように私の姿を探している。居ないと分かると去って行った。私は後を尾ける。
食堂に着いたサンドラは、周りをキョロキョロと見回している。私の姿を探しているのだろう。居ないと分かるとなんだかガッカリしているように見える。私が今日は休みだとでも思ったのかも知れない。
放課後。いつもなら席で少しまったりしてから帰るが、今日は今朝と同じように廊下の隅に潜む。今度はサンドラはやって来なかった。
こうしてしばらくは、サンドラのとの接触を避ける日々が続いた。
◇◇◇
その日は珍しく朝からサンドラがやって来なかった。お昼休みもだ。放課後もやって来なかったので、ちょっと安心した私は、3階にある図書室に向かった。図書委員をやっているので、その仕事をするためだ。
仕事が終わって帰ろうと階段に向かっていた時だった。視界の隅にチラッとサンドラの姿が見えたような気がした。驚いて足を止めた私を、男子生徒が追い抜いて行った。そして...
「うわぁっ!」
叫び声がしたので階段下を覗いて見ると、そこには倒れた男子生徒と、何やら液体の入ったビンを手に持って呆然としているサンドラの姿があった。
サンドラの目的は私を消すこと。文字通り私を消そうとしている。それが分かってしまうから怖くて堪らない...
これが分かりやすい虐めとかなら、親しくなったマリク殿下やキース様に相談するという手もあった。だがサンドラのやってることは、あくまで過失という体を装おって巧妙に殺意を隠している。
狡猾なやり方だ。端から見れば単なるドジっ娘にしか見えないだろう。実際、彼女の周りの人達は天然だと思い込まされているらしい。その裏に隠された殺意に気付くことなく...
これではいくら私が訴えても、誰も信じてはくれないだろう。自衛するしかない。だがこのままずっと受け身で居続ければ何れはジリ貧になってしまう。
自分から動くしかない。私は考えを巡らせる。そこでふと気付いた。なぜサンドラは私の行く先々に現れるのか? 私が気付いていないだけで、後を尾けられているのだろうか? だったら逆に、私がサンドラの後を尾けて行けば攻撃を受けることはないのでは? そう思った私は、早速次の日から実行に移すことにした。
◇◇◇
次の日の朝、いつもならとっくに教室に入って自分の席に着いている時間。私は廊下の隅に隠れて観察している。するとクラスが違うサンドラがやって来た。クラスの中を覗き込んでいる。私の姿を探しているのだろう。居ないと分かると去って行った。なるほど、いつもこうやって確認していたのか。
お昼休み。いつもなら席で少しまったりしてから食堂に行くが、今日は今朝と同じように廊下の隅に潜む。するとサンドラがやって来た。今朝と同じように私の姿を探している。居ないと分かると去って行った。私は後を尾ける。
食堂に着いたサンドラは、周りをキョロキョロと見回している。私の姿を探しているのだろう。居ないと分かるとなんだかガッカリしているように見える。私が今日は休みだとでも思ったのかも知れない。
放課後。いつもなら席で少しまったりしてから帰るが、今日は今朝と同じように廊下の隅に潜む。今度はサンドラはやって来なかった。
こうしてしばらくは、サンドラのとの接触を避ける日々が続いた。
◇◇◇
その日は珍しく朝からサンドラがやって来なかった。お昼休みもだ。放課後もやって来なかったので、ちょっと安心した私は、3階にある図書室に向かった。図書委員をやっているので、その仕事をするためだ。
仕事が終わって帰ろうと階段に向かっていた時だった。視界の隅にチラッとサンドラの姿が見えたような気がした。驚いて足を止めた私を、男子生徒が追い抜いて行った。そして...
「うわぁっ!」
叫び声がしたので階段下を覗いて見ると、そこには倒れた男子生徒と、何やら液体の入ったビンを手に持って呆然としているサンドラの姿があった。
51
あなたにおすすめの小説
全ルートで破滅予定の侯爵令嬢ですが、王子を好きになってもいいですか?
紅茶ガイデン
恋愛
「ライラ=コンスティ。貴様は許されざる大罪を犯した。聖女候補及び私の婚約者候補から除名され、重刑が下されるだろう」
……カッコイイ。
画面の中で冷ややかに断罪している第一王子、ルーク=ヴァレンタインに見惚れる石上佳奈。
彼女は乙女ゲーム『ガイディングガーディアン』のメインヒーローにリア恋している、ちょっと残念なアラサー会社員だ。
仕事の帰り道で不慮の事故に巻き込まれ、気が付けば乙女ゲームの悪役令嬢ライラとして生きていた。
十二歳のある朝、佳奈の記憶を取り戻したライラは自分の運命を思い出す。ヒロインが全てのどのエンディングを迎えても、必ずライラは悲惨な末路を辿るということを。
当然破滅の道の回避をしたいけれど、それにはルークの抱える秘密も関わってきてライラは頭を悩ませる。
十五歳を迎え、ゲームの舞台であるミリシア学園に通うことになったライラは、まずは自分の体制を整えることを目標にする。
そして二年目に転入してくるヒロインの登場におびえつつ、やがて起きるであろう全ての問題を解決するために、一つの決断を下すことになる。
※小説家になろう様にも掲載しています。
痩せすぎ貧乳令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
とあるお屋敷へ呼ばれて行くと、そこには細い細い風に飛ばされそうなお嬢様がいた。
お嬢様の悩みは…。。。
さぁ、お嬢様。
私のゴッドハンドで世界を変えますよ?
**********************
転生侍女シリーズ第三弾。
『おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』
『醜いと蔑まれている令嬢の侍女になりましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます』
の続編です。
続編ですが、これだけでも楽しんでいただけます。
前作も読んでいただけるともっと嬉しいです!
『転生したら悪役令嬢、前世の娘がヒロインでした』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
悪役令嬢に転生したら、前世の娘が仮ヒロインでした!?
今世こそ彼女を、幸せにしたい──そう誓った母(中身)メリンダは、
お見合い・婚約破棄・断罪イベントまで全力介入!
暴走母の愛が、王子と学園を巻き込んでいく!?
辺境伯令嬢が婚約破棄されたので、乳兄妹の守護騎士が激怒した。
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
王太子の婚約者で辺境伯令嬢のキャロラインは王都の屋敷から王宮に呼び出された。王太子との大切な結婚の話だと言われたら、呼び出しに応じないわけにはいかなかった。
だがそこには、王太子の側に侍るトライオン伯爵家のエミリアがいた。
転生モブは分岐点に立つ〜悪役令嬢かヒロインか、それが問題だ!〜
みおな
恋愛
転生したら、乙女ゲームのモブ令嬢でした。って、どれだけラノベの世界なの?
だけど、ありがたいことに悪役令嬢でもヒロインでもなく、完全なモブ!!
これは離れたところから、乙女ゲームの展開を楽しもうと思っていたのに、どうして私が巻き込まれるの?
私ってモブですよね?
さて、選択です。悪役令嬢ルート?ヒロインルート?
転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした
ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!?
容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。
「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」
ところが。
ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。
無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!?
でも、よく考えたら――
私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに)
お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。
これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。
じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――!
本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。
アイデア提供者:ゆう(YuFidi)
URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる