我が家の乗っ取りを企む婚約者とその幼馴染みに鉄槌を下します!

真理亜

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「それは私のことを気に入って頂けたという意味でしょうか?」

「え、え~と...も、もちろん!?」

 だからなんで疑問符を付けるんだよ!?

「私が傷物だということはご存知で?」

「あ、あぁ、うん...まぁ...」

「それでも良いとおっしゃるのですか?」

「だってパパとママにそう言われたから...じゃ、じゃなくて! ぼ、僕はそんなの気にしないから!」

 お前...実の両親をパパとママって呼んでんのかよ...ドン引きだわ...キモ過ぎるわ...コイツ今一体幾つなんだっけ? 全く興味なかったから資料を良く見てなかったよ...

「そうですか...」

「う、うん! だ、だからさ、あ、安心して僕の元へお嫁においでよ?」

 コイツは一体なにをホザいていやがるんだろう? 想像することすらイヤではあるんだが...一億歩いや一兆歩譲ってコイツと結婚するハメになったとしてもだ、私がお嫁に行くんじゃなくてコイツが婿養子として我が家に入ることになるんだが...パパとママからはそこら辺の事情を良く聞いていないらしいな...

「それはもう、謹んで...」

 そこで私は一旦溜めを作ってから、

「お断り致しますわ」

 とても良い笑顔を浮かべてそう言い切った。

「よ、良かった...って、えぇっ!? こ、断るってぇ!?」

 どうやら私の笑顔で勘違いしたらしいな。それとも断られるなんて想定してなかったとでも言いたいのかな?

 そうだとしたら自信過剰を通り越して、もはや妄想癖があるとしか思えないだろうな。

「な、なんで...」

「だって私、結婚するなら人類としたいですもの。獣姦するような浅ましい趣味は持ち合わせておりませんことよ」

「ブッホゥッ!」

 ブタが反応するより早く、笑壺に入ったのかアランが堪らずといった感じで吹き出した。

 本来ならそのことを窘めるはずのセバスチャンも、隣で笑いを堪えて横を向いているので、どうやらお咎めは無しになりそうだ。アラン、良かったな。

「えっ!? えっ!? えっ!?」

 そんな中、一人状況が分かっていないブタは、頭にクエスチョンマークを浮かべながらオロオロしていた。

「という訳でお帰り下さい。お帰りはあちらです。セバスチャン、アラン、案内してあげて?」

『畏まりました! お嬢様! 喜んで!』

 お前らはどっかの居酒屋の店員か? 二人して見事にハモッてんじゃねぇよ。

「え、えぇっ~!? ちょ、ちょっとぉ~! あ、アンリエット嬢~!」

 ブタは二人掛かりで引き摺られるようにして連れて行かれた。なにやら叫んでいる様は、まるでこれから屠殺場に向かうブタみたいだなと思ったりした。
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