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間章 あの子が忘れた物語Ⅰ
29話 カーネリアの子供達 前編
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「──フィメロ、ご飯ができたからテーブルを片付けてくれる?」
「うん、おにぃちゃん!」
人里離れた高原に建つ、一軒の小さな家。そこには穏やかで心優しい夫婦と仲の良い兄妹が暮らしていた。夫婦は街へ働きに出ていることが多く、その間は兄が小さな妹の面倒を見ていた。
七つになったばかりの妹は自ら進んで手伝いをすることに夢中だった。そうすると、大好きな兄が褒めてくれるからだ。
「片付けた! お皿、フィメロが出すね!」
「ありがと」
今日の夕食もじゃがいものスープととうもろこし、それから昨日焼いたパンの半分。両親が帰って来た時はいつもより少しだけ豪華になる。
「お兄ちゃん、コッコまだたまご産まない?」
「どうかな。明日の朝見てみよう」
飼っている鶏がたまに産む卵はご馳走だ。鶏が死んでしまった時は、供養のためにその肉を食べる。産まれてから今日までずっとこの生活を送っていた。
「おかーさんとおとーさん、明日かえってくるかな? フィメロ、おにぃちゃんのお手伝いいっぱいしたよって話すの!」
「うん、そろそろ帰ってくると思うよ」
街へ仕事に行く時はいつも一週間ほど家を空ける。だからそろそろ帰ってきてもおかしくないはずなのに、未だ両親の姿は見えなかった。
(おかしいな……仕事がちょっと忙しいのかな?)
塩や小麦粉はまだ十分残っている。二人が野菜や調味料をたくさん買って帰ってくるのがいつも待ち遠しかった。畑の野菜だけじゃ、どうしても物足りなくなってしまうから。
両親が帰ってくるまで、畑や鶏の世話をするのが仕事だ。それから高原を少し下った所に住んでいる、モック爺さんに畑仕事で使う道具の修理を頼むのも。
モック爺さんはどうやら人と話すことが嫌いだから、いつも修理をして欲しい道具と修理代をポスト代わりの箱へ入れた。二日もすれば、綺麗に直してもらったスコップや鎌が箱に戻されているからそれを持って帰る。
薪割りはやっとできるようになった。火を焚いてフィメロを風呂に入れてやる。
「おにぃちゃん見て! スピネージュが光ってる!」
もう寝る時間なのに、フィメロが窓の外を指す。家の外に咲き誇るステラ・スピネージュの絨毯が白く清らかな光を放っていた。昼間たっぷり太陽の光を浴びた花びらは、夜になると蓄えた光で自ら輝く。
美しい光景であることは間違いないが寝るには少し明るすぎる。
「もう寝なくちゃいけないから、スピネージュにおやすみしようね」
「スピネージュ、おやすみぃ」
フィメロがぱたぱたと手を振るのを見届けたからカーテンを閉めた。
「おにぃちゃん、おかーさんの子守唄うたって?」
「うん」
フィメロはこの子守唄が好きだった。寝かしつける時は必ず、この唄を口ずさむ。
眠れ 眠れ 太陽の子どもたち
片方の羽を休めて
白い小鳥が子守唄を歌う
眠れ 眠れ 月の子どもたち
精霊が羽を閉じて
白い花のゆりかごを揺する
眠れ 眠れ 星の子どもたち
白い星が 夢を連れて降ってくる
母が歌うのを聴いて覚えた子守唄。優しい旋律をなぞり終える時には、フィメロは夢の中へと誘われていた。
妹の小さな寝息を聞きながら、帰って来ない両親のことを考える。
『──ブレイズももう十二歳になったから、お母さんから大事な話があるの。この仕事から帰ってきたら話すから、待っててね』
大事な話とは。それも気になって、ずっとそわそわしていた。
(どんな話だろ。俺も仕事をすることになるのかな。でも、そしたらフィメロの面倒を見る人がいなくなるし……)
小さな妹を家に一人置き去りにするのは考えただけで不安でいっぱいになる。そんな時は、小さな妹の身体をギュッと抱きしめて眠りについた。
そろそろ帰ってくるだろうと思った両親は、いつになっても帰ってこなかった。
もうすぐ季節が変わる。塩と小麦粉も、そろそろ買い足した方がいい。両親の不在に泣く妹を宥めながら、ブレイズも心細かった。一体どこへ行ってしまったのだろうか。もしかして捨てられんたんじゃないか、もう帰ってこないんじゃないかと思ったのも一度や二度じゃない。
「フィメロ」
両親を探しに行こうと決意したのは、スピネージュの花が全て散る頃だった。
「街まで父さんと母さんを探しに行こう」
「おとーさんとおかーさん、まちにいるの?」
「分からないけど……何があったか、知ってる人がいるかもしれない」
母を恋しがる妹は静かに頷いた。兄妹は一度も街へ行ったことなど無い。それどころか、この高原を離れたことすら無かった。だから二人とも知らない。二人にそっくりの母が、街へ行く時は必ずその真っ黒な髪と炎のように燃える赤い目を隠していたなんて。
万が一にも行き違いになったら大変だ。『フィメロと街へ買い物に行ってきます。明日には戻るから、心配しないで』という書き置きをテーブルの上に残した。
どれくらい必要になるか分からないからお金は多めに、迷子にならないように地図も持った。家中の鍵をしっかりかけたのを確認して、フィメロと手を繋いで高原を下る。モック爺さんの家より先に行くのは初めてだ。
(ええと、太陽がこの向きにあるから、街はあっちだ。)
字の書き方は母が教えてくれた。地図の読み方は父が教えてくれた。そんな二人が自分達を捨てて家を出るなんて、絶対にない。きっと何かあったんだ。
(アンジェル女神様、エレトー女神様、どうか父さんと母さんと無事に会えますように……。)
街までどれくらいの距離を歩くのか、どのくらい時間がかかるのか、全く分からない。幸いなのは道が真っ直ぐ一本道で、しばらく迷うことがないことだ。
「おにぃちゃん、ピクニックみたいで楽しいね!」
「うん。寒くなる前にまた皆でピクニックに行きたいね」
「フィメロもおべんとう作るの手つだうよ!」
フィメロが楽しそうでよかった。妹からしてみれば冒険なのだろう。
妹の歩幅に合わせてゆっくり歩く。けれどどれだけ歩いても一向に景色が変わらない。弾んでいたお喋りが次第に減り、とうとうフィメロがぐずりだした。街はまだ見えない。
「おにぃちゃん、おんぶしてぇ」
もう歩きたくない、疲れたと言う妹の前にしゃがみ、その身体を背負う。小さいと思っていた妹は、想像よりも随分成長していたようだ。ずっしりと体重が足にかかり、ブレイズの歩みが遅くなる。
「ふぅ……」
何度もフィメロを担ぎ直し、一歩一歩前に進む。街まであとどれくらいだろうか。
「おにぃちゃん、まだつかない?」
「そう、だね。もう少し、かな」
「フィメロ、おなかすいた!」
「休憩、しよっか」
道端にフィメロを降ろし、自分も座り込む。昼食にとサンドウィッチを持ってきてよかった。
「ピクニック! ピクニック!」
食べ物を前に、フィメロがすっかり元気を取り戻す。これならまた自分で歩いてくれるかもしれない。
「フィメロ、こぼしてるよ。こら、服で手を拭かない」
サンドウィッチを頬張る妹の世話をしながらブレイズも食べる。爽やかな風が疲れた身体に気持ち良い。このままでは昼寝をしてしまいそうだ。
「休憩終わり。フィメロ、行くよ」
「うん!」
広げた荷物を片付けて再び街を目指す。少し身体が軽くなった。
「おにぃちゃん、まちに行ったら何があるの?」
「色んなものがあると思う。父さん達がいつもたくさん買ってきてくれるだろ?」
「おいしいお菓子もいっぱいあるかなあ」
「母さんが作ってくれるステラ・スピネージュのシロップ漬けが一番だけどね。お茶にしても美味しいし」
今年の花は摘み取る前に散ってしまった。来年は母と一緒にシロップ漬けを作ろう。
フィメロと一緒に歩いていると、後ろから馬車が走ってきた。轢かれないよう慌てて端に避ける。馬車を見るのは初めてだ。思わず呆けた表情で見つめていると、御者が二人を見つけて驚いた。
「うん、おにぃちゃん!」
人里離れた高原に建つ、一軒の小さな家。そこには穏やかで心優しい夫婦と仲の良い兄妹が暮らしていた。夫婦は街へ働きに出ていることが多く、その間は兄が小さな妹の面倒を見ていた。
七つになったばかりの妹は自ら進んで手伝いをすることに夢中だった。そうすると、大好きな兄が褒めてくれるからだ。
「片付けた! お皿、フィメロが出すね!」
「ありがと」
今日の夕食もじゃがいものスープととうもろこし、それから昨日焼いたパンの半分。両親が帰って来た時はいつもより少しだけ豪華になる。
「お兄ちゃん、コッコまだたまご産まない?」
「どうかな。明日の朝見てみよう」
飼っている鶏がたまに産む卵はご馳走だ。鶏が死んでしまった時は、供養のためにその肉を食べる。産まれてから今日までずっとこの生活を送っていた。
「おかーさんとおとーさん、明日かえってくるかな? フィメロ、おにぃちゃんのお手伝いいっぱいしたよって話すの!」
「うん、そろそろ帰ってくると思うよ」
街へ仕事に行く時はいつも一週間ほど家を空ける。だからそろそろ帰ってきてもおかしくないはずなのに、未だ両親の姿は見えなかった。
(おかしいな……仕事がちょっと忙しいのかな?)
塩や小麦粉はまだ十分残っている。二人が野菜や調味料をたくさん買って帰ってくるのがいつも待ち遠しかった。畑の野菜だけじゃ、どうしても物足りなくなってしまうから。
両親が帰ってくるまで、畑や鶏の世話をするのが仕事だ。それから高原を少し下った所に住んでいる、モック爺さんに畑仕事で使う道具の修理を頼むのも。
モック爺さんはどうやら人と話すことが嫌いだから、いつも修理をして欲しい道具と修理代をポスト代わりの箱へ入れた。二日もすれば、綺麗に直してもらったスコップや鎌が箱に戻されているからそれを持って帰る。
薪割りはやっとできるようになった。火を焚いてフィメロを風呂に入れてやる。
「おにぃちゃん見て! スピネージュが光ってる!」
もう寝る時間なのに、フィメロが窓の外を指す。家の外に咲き誇るステラ・スピネージュの絨毯が白く清らかな光を放っていた。昼間たっぷり太陽の光を浴びた花びらは、夜になると蓄えた光で自ら輝く。
美しい光景であることは間違いないが寝るには少し明るすぎる。
「もう寝なくちゃいけないから、スピネージュにおやすみしようね」
「スピネージュ、おやすみぃ」
フィメロがぱたぱたと手を振るのを見届けたからカーテンを閉めた。
「おにぃちゃん、おかーさんの子守唄うたって?」
「うん」
フィメロはこの子守唄が好きだった。寝かしつける時は必ず、この唄を口ずさむ。
眠れ 眠れ 太陽の子どもたち
片方の羽を休めて
白い小鳥が子守唄を歌う
眠れ 眠れ 月の子どもたち
精霊が羽を閉じて
白い花のゆりかごを揺する
眠れ 眠れ 星の子どもたち
白い星が 夢を連れて降ってくる
母が歌うのを聴いて覚えた子守唄。優しい旋律をなぞり終える時には、フィメロは夢の中へと誘われていた。
妹の小さな寝息を聞きながら、帰って来ない両親のことを考える。
『──ブレイズももう十二歳になったから、お母さんから大事な話があるの。この仕事から帰ってきたら話すから、待っててね』
大事な話とは。それも気になって、ずっとそわそわしていた。
(どんな話だろ。俺も仕事をすることになるのかな。でも、そしたらフィメロの面倒を見る人がいなくなるし……)
小さな妹を家に一人置き去りにするのは考えただけで不安でいっぱいになる。そんな時は、小さな妹の身体をギュッと抱きしめて眠りについた。
そろそろ帰ってくるだろうと思った両親は、いつになっても帰ってこなかった。
もうすぐ季節が変わる。塩と小麦粉も、そろそろ買い足した方がいい。両親の不在に泣く妹を宥めながら、ブレイズも心細かった。一体どこへ行ってしまったのだろうか。もしかして捨てられんたんじゃないか、もう帰ってこないんじゃないかと思ったのも一度や二度じゃない。
「フィメロ」
両親を探しに行こうと決意したのは、スピネージュの花が全て散る頃だった。
「街まで父さんと母さんを探しに行こう」
「おとーさんとおかーさん、まちにいるの?」
「分からないけど……何があったか、知ってる人がいるかもしれない」
母を恋しがる妹は静かに頷いた。兄妹は一度も街へ行ったことなど無い。それどころか、この高原を離れたことすら無かった。だから二人とも知らない。二人にそっくりの母が、街へ行く時は必ずその真っ黒な髪と炎のように燃える赤い目を隠していたなんて。
万が一にも行き違いになったら大変だ。『フィメロと街へ買い物に行ってきます。明日には戻るから、心配しないで』という書き置きをテーブルの上に残した。
どれくらい必要になるか分からないからお金は多めに、迷子にならないように地図も持った。家中の鍵をしっかりかけたのを確認して、フィメロと手を繋いで高原を下る。モック爺さんの家より先に行くのは初めてだ。
(ええと、太陽がこの向きにあるから、街はあっちだ。)
字の書き方は母が教えてくれた。地図の読み方は父が教えてくれた。そんな二人が自分達を捨てて家を出るなんて、絶対にない。きっと何かあったんだ。
(アンジェル女神様、エレトー女神様、どうか父さんと母さんと無事に会えますように……。)
街までどれくらいの距離を歩くのか、どのくらい時間がかかるのか、全く分からない。幸いなのは道が真っ直ぐ一本道で、しばらく迷うことがないことだ。
「おにぃちゃん、ピクニックみたいで楽しいね!」
「うん。寒くなる前にまた皆でピクニックに行きたいね」
「フィメロもおべんとう作るの手つだうよ!」
フィメロが楽しそうでよかった。妹からしてみれば冒険なのだろう。
妹の歩幅に合わせてゆっくり歩く。けれどどれだけ歩いても一向に景色が変わらない。弾んでいたお喋りが次第に減り、とうとうフィメロがぐずりだした。街はまだ見えない。
「おにぃちゃん、おんぶしてぇ」
もう歩きたくない、疲れたと言う妹の前にしゃがみ、その身体を背負う。小さいと思っていた妹は、想像よりも随分成長していたようだ。ずっしりと体重が足にかかり、ブレイズの歩みが遅くなる。
「ふぅ……」
何度もフィメロを担ぎ直し、一歩一歩前に進む。街まであとどれくらいだろうか。
「おにぃちゃん、まだつかない?」
「そう、だね。もう少し、かな」
「フィメロ、おなかすいた!」
「休憩、しよっか」
道端にフィメロを降ろし、自分も座り込む。昼食にとサンドウィッチを持ってきてよかった。
「ピクニック! ピクニック!」
食べ物を前に、フィメロがすっかり元気を取り戻す。これならまた自分で歩いてくれるかもしれない。
「フィメロ、こぼしてるよ。こら、服で手を拭かない」
サンドウィッチを頬張る妹の世話をしながらブレイズも食べる。爽やかな風が疲れた身体に気持ち良い。このままでは昼寝をしてしまいそうだ。
「休憩終わり。フィメロ、行くよ」
「うん!」
広げた荷物を片付けて再び街を目指す。少し身体が軽くなった。
「おにぃちゃん、まちに行ったら何があるの?」
「色んなものがあると思う。父さん達がいつもたくさん買ってきてくれるだろ?」
「おいしいお菓子もいっぱいあるかなあ」
「母さんが作ってくれるステラ・スピネージュのシロップ漬けが一番だけどね。お茶にしても美味しいし」
今年の花は摘み取る前に散ってしまった。来年は母と一緒にシロップ漬けを作ろう。
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