36 / 63
Ⅳ章
36話 ザジャの末皇子
しおりを挟む
ラウンジは先程と変わらず静かだった。利用者もほとんどいない。
内容が内容なだけに、オロルックとフィオラには席を外してもらった。ザジャの皇子のことは、まだロドニシオ達に話さないよう伝えている。
「りんごのパイを三つと、それに合う紅茶を」
「かしこまりました」
一際奥まった席で、ロゼアリアが注文をする。
ロゼアリアの隣にアルデバラン、二人の向かいに青年が座った。程なくして、りんごのパイと紅茶がテーブルに届けられる。
とても美味しそうだ。フィオラがいない今なら、二つ、いや、三つ食べても良いのでは。
目を輝かせてりんごのパイを見つめるロゼアリアの前に、もう一つりんごのパイが差し出された。
「好物なんだろ?」
「いいの?」
アルデバランはいらないのだろうか。もしかして、りんごのパイは好みではないとか。
「アルデバランは、りんごのパイが好きじゃなかった?」
「食に好き嫌いは無い」
完全な好意でりんごのパイを譲ってくれたアルデバランを意外に思いつつも、くれると言うのだからありがたくいただく。
念願叶って二つも食べられる。と思ったが、このりんごのパイは絶対に美味しい。アルデバランがその美味しさを知らないままなのはよろしくない気がする。
少し悩み、決めた。
「……やっぱり半分だけで大丈夫」
フォークでパイを半分に切り、片方を自分の皿に移す。
「りんごのパイは美味しいもの。食べないのももったいないでしょ?」
「そうか」
残りの半分はアルデバランに返した。
「さて。濡れ衣を晴らしてやったんだ。俺達に協力してもらおうじゃないか」
ゆったりと足を組み、頬杖までついてアルデバランが青年を見る。相手が誰であろうと、アルデバランが不遜な態度を改めることはないらしい。
「我が国の魔塔の主が大変失礼致しました。私はロゼアリア・クォーツ・ロードナイト。この方はアルデバラン・シリウス・カーネリア卿です」
アルデバランを軽く睨んで、ロゼアリアが謝る。幸いなことに、ザジャの皇子が気を悪くした様子は無かった。
「彼の言う通り、僕はザジャ帝国皇帝が末子、第八皇子のリュイ・リエンと申します」
「ふーん。なあリエン、俺達はザジャの皇帝に協力をしてほしいんだ。各国の管理者を招集してくれってな」
なんの断りもなく皇子を呼び捨て。どう見ても人に者を頼む態度ではない。
「アルデバラン! 無礼すぎるわ! 大変申し訳ございませんリエン殿下!」
「いえ、お気になさらずロゼアリア殿。皇子と言っても僕の扱いは城の兵士とそう変わりません。敬称も敬語も不要ですよ」
「しかし……」
「本人がこう言ってるんだ。なら、それに習うのが道理だろ」
勝手に呼び捨てておいてよくも「道理」などと言える。
「どうでも良いことに時間を割きたくない。とにかく、だ。お前は皇帝に口利きさえしてくれれば良い」
「陛下が貴方方の要請に応じるように、と」
「ああ。ラウニャドールの脅威に世界中が晒されてる今、国同士で連携するのはお前らにとっても悪い話じゃないだろ」
だが、リエンの表情は渋い。もしかして協力は断られるだろうか、とロゼアリアは不安になる。
少し躊躇ったのち、リエンが口を開く。
「陛下に口利きをすることは、できます。しかし陛下を説得しろ、と言われたら難しいです」
「リエン、それは、皇帝陛下は私達の要請には応じてくれないかもしれないってこと?」
「その可能性もあります。正直、ザジャの民は、それほどラウニャドールに困っていません」
リエンの言葉は俄には信じ難かった。ラウニャドールの脅威に困っていない国などあるのか。
「ザジャの民は戦を好みます。今国内で人同士での争いが起きないのは、ラウニャドールがいるからです」
「つまり、下手にラウニャドールを殲滅するのは望まないってことか」
うーん、とアルデバランが腕を組む。皇帝がリエンの言った通りの考え方をしていれば、協力要請の答えは「ノー」だ。
「戦が好き……なるほどな」
「陛下に掛け合うことはお約束します。しかし、説き伏せることまではお約束できません。これで大丈夫でしょうか」
「問題ない。皇帝に会うまでに対策を考えられるんだ。礼を言う」
対策と言ったって、明後日の昼にはザジャについてしまう。リエンのことをロドニシオ達に伏せたままにするなら、アルデバランとロゼアリアだけで考えることになる。
(でも、アルデバランのことだからもう何か思いついてたりして)
りんごのパイを頬張りながら、チラリとアルデバランを見る。甘く煮たりんごとマスカルポーネがよく合う。やっぱり、アルデバランから丸々一個貰うべきだったかもしれない。
「リエンは、これからどうするの? そもそも、どうして一人で飛行船に?」
いくら身分を隠しているとはいえ、危険すぎる。実際、アルデバランにはバレているのだし。
「諸事情からしばらく帝国を離れていたのです。修行と言えば伝わりますかね。皇子と言っても末ですし、一人旅を特に反対されることはありませんでした」
第八皇子ともなれば、皇位継承権争いから遠いはず。どうやらリエンは、自身の身分に囚われることなく自由に過ごしてきたようだ。
まだ白薔薇姫だった頃にリエンと出会っていたら、彼を羨ましく思っただろう。
「では、今は里帰りをしてるのね」
「その通りです」
「もし嫌でなければ、ザジャまで一緒に行動しない?」
行く先は同じなのだ。せっかく知り合えたのだから、もう少し彼と仲良くなりたい。
「構いませんよ。アルデバラン殿には皇子であると見抜かれてしまいましたからね。他にも僕のことを見抜く人がいることを考えると、このまま単独行動を続けるリスクが無いとも言い切れ無いですし」
「安心して。貴方を狙う人がいたら私達が守るわ」
胸を張るロゼアリア。リエンが仲間になってくれたら、初めての土地でも心強い。
「私達の他にも私の従兄やマヴァロの人がいるんだけど、リエンを紹介しても良い?」
「ぜひ。よろしくお願いします」
よかった。これでリエンのことをロドニシオ達と共有できる。こんな重要事項をアルデバランと二人だけの秘密にするのは、少し心配だった。
翌朝、飛行船はスモグランドの港に到着した。ほとんどのグレナディーヌ人がここで降りていくのを、ロゼアリアとオロルックが並んで展望ホールの窓から眺める。
「みんな降りちゃった」
「スモグランドは貴族に人気っスからねえ」
宝石で有名なスモグランド公国は世界各地の貴族がよく訪れる。質の良い宝石を目当てにする貴族はもちろん、それと同じくらいに有名なのが五大宝石湖だ。新婚旅行で、澄んだ青い湖やエメラルド色の湖をゆったりと遊覧船から楽しむのが多くの令嬢の憧れだ。
両親も新婚旅行でスモグランドを訪れたことから、自分もアーレリウスと結婚した暁には、なんて夢を見ていた時もあった。
燃料や食料の補充のため、飛行船はしばらく停泊する。もう少し長ければ、スモグランドを観光したのに。
観光は次回の楽しみにして、念願だったトマトのケーキを食べていると離陸のアナウンスが響いた。
次に飛行船が停泊するのはザジャだ。
「あ! ねえ、アルデバラン見て!!」
スモグランド上空でロゼアリアが目を輝かせる。アルデバランを窓まで連れてくると、遥か下の景色を指した。
「ほら、五大宝石湖! 上からだと全部見える!!」
「たしかにな」
五つの湖は宝石と称するに相応しい彩光を放っていた。これは、飛行船ならではの楽しみ方だ。遊覧船よりも贅沢かもしれない。
「うわあ、綺麗……バケツ一杯分くらい持って帰れたらいいのに」
「あれは太陽光の赤い光が吸収されて、青い光が散乱するから青く見えるんだ。水そのものが青いわけじゃ──」
アルデバランが何か言ってる。
「とりあえず、綺麗ってことね」
「全然違う」
アルデバランはまだ何か言ってるが、ロゼアリアにはさっぱり分からなかったから聞き流しておいた。
内容が内容なだけに、オロルックとフィオラには席を外してもらった。ザジャの皇子のことは、まだロドニシオ達に話さないよう伝えている。
「りんごのパイを三つと、それに合う紅茶を」
「かしこまりました」
一際奥まった席で、ロゼアリアが注文をする。
ロゼアリアの隣にアルデバラン、二人の向かいに青年が座った。程なくして、りんごのパイと紅茶がテーブルに届けられる。
とても美味しそうだ。フィオラがいない今なら、二つ、いや、三つ食べても良いのでは。
目を輝かせてりんごのパイを見つめるロゼアリアの前に、もう一つりんごのパイが差し出された。
「好物なんだろ?」
「いいの?」
アルデバランはいらないのだろうか。もしかして、りんごのパイは好みではないとか。
「アルデバランは、りんごのパイが好きじゃなかった?」
「食に好き嫌いは無い」
完全な好意でりんごのパイを譲ってくれたアルデバランを意外に思いつつも、くれると言うのだからありがたくいただく。
念願叶って二つも食べられる。と思ったが、このりんごのパイは絶対に美味しい。アルデバランがその美味しさを知らないままなのはよろしくない気がする。
少し悩み、決めた。
「……やっぱり半分だけで大丈夫」
フォークでパイを半分に切り、片方を自分の皿に移す。
「りんごのパイは美味しいもの。食べないのももったいないでしょ?」
「そうか」
残りの半分はアルデバランに返した。
「さて。濡れ衣を晴らしてやったんだ。俺達に協力してもらおうじゃないか」
ゆったりと足を組み、頬杖までついてアルデバランが青年を見る。相手が誰であろうと、アルデバランが不遜な態度を改めることはないらしい。
「我が国の魔塔の主が大変失礼致しました。私はロゼアリア・クォーツ・ロードナイト。この方はアルデバラン・シリウス・カーネリア卿です」
アルデバランを軽く睨んで、ロゼアリアが謝る。幸いなことに、ザジャの皇子が気を悪くした様子は無かった。
「彼の言う通り、僕はザジャ帝国皇帝が末子、第八皇子のリュイ・リエンと申します」
「ふーん。なあリエン、俺達はザジャの皇帝に協力をしてほしいんだ。各国の管理者を招集してくれってな」
なんの断りもなく皇子を呼び捨て。どう見ても人に者を頼む態度ではない。
「アルデバラン! 無礼すぎるわ! 大変申し訳ございませんリエン殿下!」
「いえ、お気になさらずロゼアリア殿。皇子と言っても僕の扱いは城の兵士とそう変わりません。敬称も敬語も不要ですよ」
「しかし……」
「本人がこう言ってるんだ。なら、それに習うのが道理だろ」
勝手に呼び捨てておいてよくも「道理」などと言える。
「どうでも良いことに時間を割きたくない。とにかく、だ。お前は皇帝に口利きさえしてくれれば良い」
「陛下が貴方方の要請に応じるように、と」
「ああ。ラウニャドールの脅威に世界中が晒されてる今、国同士で連携するのはお前らにとっても悪い話じゃないだろ」
だが、リエンの表情は渋い。もしかして協力は断られるだろうか、とロゼアリアは不安になる。
少し躊躇ったのち、リエンが口を開く。
「陛下に口利きをすることは、できます。しかし陛下を説得しろ、と言われたら難しいです」
「リエン、それは、皇帝陛下は私達の要請には応じてくれないかもしれないってこと?」
「その可能性もあります。正直、ザジャの民は、それほどラウニャドールに困っていません」
リエンの言葉は俄には信じ難かった。ラウニャドールの脅威に困っていない国などあるのか。
「ザジャの民は戦を好みます。今国内で人同士での争いが起きないのは、ラウニャドールがいるからです」
「つまり、下手にラウニャドールを殲滅するのは望まないってことか」
うーん、とアルデバランが腕を組む。皇帝がリエンの言った通りの考え方をしていれば、協力要請の答えは「ノー」だ。
「戦が好き……なるほどな」
「陛下に掛け合うことはお約束します。しかし、説き伏せることまではお約束できません。これで大丈夫でしょうか」
「問題ない。皇帝に会うまでに対策を考えられるんだ。礼を言う」
対策と言ったって、明後日の昼にはザジャについてしまう。リエンのことをロドニシオ達に伏せたままにするなら、アルデバランとロゼアリアだけで考えることになる。
(でも、アルデバランのことだからもう何か思いついてたりして)
りんごのパイを頬張りながら、チラリとアルデバランを見る。甘く煮たりんごとマスカルポーネがよく合う。やっぱり、アルデバランから丸々一個貰うべきだったかもしれない。
「リエンは、これからどうするの? そもそも、どうして一人で飛行船に?」
いくら身分を隠しているとはいえ、危険すぎる。実際、アルデバランにはバレているのだし。
「諸事情からしばらく帝国を離れていたのです。修行と言えば伝わりますかね。皇子と言っても末ですし、一人旅を特に反対されることはありませんでした」
第八皇子ともなれば、皇位継承権争いから遠いはず。どうやらリエンは、自身の身分に囚われることなく自由に過ごしてきたようだ。
まだ白薔薇姫だった頃にリエンと出会っていたら、彼を羨ましく思っただろう。
「では、今は里帰りをしてるのね」
「その通りです」
「もし嫌でなければ、ザジャまで一緒に行動しない?」
行く先は同じなのだ。せっかく知り合えたのだから、もう少し彼と仲良くなりたい。
「構いませんよ。アルデバラン殿には皇子であると見抜かれてしまいましたからね。他にも僕のことを見抜く人がいることを考えると、このまま単独行動を続けるリスクが無いとも言い切れ無いですし」
「安心して。貴方を狙う人がいたら私達が守るわ」
胸を張るロゼアリア。リエンが仲間になってくれたら、初めての土地でも心強い。
「私達の他にも私の従兄やマヴァロの人がいるんだけど、リエンを紹介しても良い?」
「ぜひ。よろしくお願いします」
よかった。これでリエンのことをロドニシオ達と共有できる。こんな重要事項をアルデバランと二人だけの秘密にするのは、少し心配だった。
翌朝、飛行船はスモグランドの港に到着した。ほとんどのグレナディーヌ人がここで降りていくのを、ロゼアリアとオロルックが並んで展望ホールの窓から眺める。
「みんな降りちゃった」
「スモグランドは貴族に人気っスからねえ」
宝石で有名なスモグランド公国は世界各地の貴族がよく訪れる。質の良い宝石を目当てにする貴族はもちろん、それと同じくらいに有名なのが五大宝石湖だ。新婚旅行で、澄んだ青い湖やエメラルド色の湖をゆったりと遊覧船から楽しむのが多くの令嬢の憧れだ。
両親も新婚旅行でスモグランドを訪れたことから、自分もアーレリウスと結婚した暁には、なんて夢を見ていた時もあった。
燃料や食料の補充のため、飛行船はしばらく停泊する。もう少し長ければ、スモグランドを観光したのに。
観光は次回の楽しみにして、念願だったトマトのケーキを食べていると離陸のアナウンスが響いた。
次に飛行船が停泊するのはザジャだ。
「あ! ねえ、アルデバラン見て!!」
スモグランド上空でロゼアリアが目を輝かせる。アルデバランを窓まで連れてくると、遥か下の景色を指した。
「ほら、五大宝石湖! 上からだと全部見える!!」
「たしかにな」
五つの湖は宝石と称するに相応しい彩光を放っていた。これは、飛行船ならではの楽しみ方だ。遊覧船よりも贅沢かもしれない。
「うわあ、綺麗……バケツ一杯分くらい持って帰れたらいいのに」
「あれは太陽光の赤い光が吸収されて、青い光が散乱するから青く見えるんだ。水そのものが青いわけじゃ──」
アルデバランが何か言ってる。
「とりあえず、綺麗ってことね」
「全然違う」
アルデバランはまだ何か言ってるが、ロゼアリアにはさっぱり分からなかったから聞き流しておいた。
0
あなたにおすすめの小説
あなたが後悔しても、私の愛はもう戻りません
藤原遊
恋愛
婚約者のアルベルトは、優しい人だった。
ただ――いつも、私より優先する存在がいただけで。
「君は分かってくれると思っていた」
その一言で、リーシェは気づいてしまう。
私は、最初から選ばれていなかったのだと。
これは、奪われた恋を取り戻す物語ではない。
後悔する彼と、もう戻らないと決めた私、
そして“私を選ぶ人”に出会うまでの、静かな恋の終わりと始まりの物語。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
ため息ひとつ――王宮に散る花びらのように
柴田はつみ
恋愛
「離縁を、お願いしたいのです」
笑顔で、震えずに、エレナはそう言った。
夫は言葉を失った。泣いてくれれば、怒ってくれれば、まだ受け止め方があった。しかしあの静けさは、エレナがもう十分に泣き終わった後の顔だと、ヴィクトルにはわかった。
幼なじみと結ばれた三年間。すれ違いは静かに始まり、深紅のドレスの令嬢によって加速した。ため息を飲み込み、完璧な微笑みを保ち続けた公爵夫人が、最後に選んだのは――。
王宮に散る花びらのような、夫婦の崩壊と再生の物語。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
短編)どうぞ、勝手に滅んでください。
黑野羊
恋愛
二度も捨てられた聖女です。真実の愛を見つけたので、国は救いません。
あらすじ)
大陸中央にあるルオーゴ王国で、国を守る結界を維持してきた聖女ロザリア。
政略のため王太子と婚約していた彼女は、突如『真の聖女』が現れたとして婚約を破棄され、聖女の座を追われてしまう。さらに、代わりに婚姻しろと命じられた聖騎士からも拒絶され、実家にも見捨てられたロザリアは、『最果ての修道院』へと追放された。
けれど彼女はそこで、地位や栄光、贅沢などとはほど遠い、無条件に寄り添ってくれる『真実の愛』と穏やかな日々を手にいれる。
やがて聖女を失った王国は、崩壊へ向かっていき――。
ーーー
※カクヨム、なろうにも掲載しています
「その気になれない」と婚約破棄したあなたの、話を聞く必要がありますか?
さんけい
恋愛
国境を守るために結ばれた婚約を、侯爵家の令息は「その気になれない」という身勝手な理由で壊した。しかも婿入りする立場でありながら、愛人を認めろとまで言い出して――。
侮られ、傷つきながらも、伯爵家の跡取り娘エーディアは立ち止まらない。父とともに次の手を打ち、地に足のついた堅実な男ユリウスと出会い、領地と未来を少しずつ立て直していく。
一方、婚約を軽んじた元婚約者は、家にも王都にも見限られ、じわじわと立場を失っていく。
これは、誰かに苦しみを背負わせようとした男が自滅し、自分の足で立つ女が静かに幸福をつかむ、国境領ざまあ婚約破棄譚。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
【短編】『待つ女』をやめたら、『追われる女』になりました
あまぞらりゅう
恋愛
婚約者の王太子を、いつも待ち続けてきたシャルロッテ侯爵令嬢。
だがある日、彼女は知ってしまう。彼には本命の恋人がいて、自分のことを都合よく放置していただけなのだと。
彼女が待つのをやめた瞬間、追ってきたのは隣国の皇太子だった。
※覚えやすさや分かりやすさを重視しているので、登場人物の名前は「キャラクター名+身分表記」にしています
★小説家になろう2026/1/29日間総合8位異世界恋愛7位
★他サイト様にも投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる