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Ⅴ章
45話 三戦目
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今のところ武闘会は一勝一敗。まだ慌てる段階ではない。控え室でカカルクは短く息を吐いた。
祖国からこんなに離れた場所まで本当に来ることになるとは。会議で決まった時は全く実感が湧かなかったというのに。マヴァロの民は今頃どうしているだろうか。
(もしかしたら私は、マウチフチ様の最期に立ち会えないかもしれませんね)
現代の管理者はマヴァロの民にとって祖母のような存在だった。無論、カカルクにとっても。言葉にこそしないが、ココリリも同じ気持ちのはずだ。
だからこそ今は自分達にできることをやらねば。
先の二戦を見て、グレナディーヌに対する感謝の気持ちが一層高まった。最初にこの国に協力を求めて良かった。やはり騎士の国だからだろうか、彼らが困っている人間を見捨てる素振りなど少しも見せなかった。
グレナディーヌの管理者もそうだ。
(マウチフチ様はもしグレナディーヌの管理者が協力を拒むようであれば、「かの血筋の罪を問え」と仰っていましたが……)
カーネリアについて語る時、いつも温厚なはずの彼女は見たことのないくらい険しい表情をしていた。「カーネリアを許すな」とも言われていたので、アルデバランに対し当初は相当な警戒心を抱いていたのだが。
(彼を脅すような必要がなくて本当に良かったです)
ロゼアリアと親しげにしている様子を見れば、アルデバランが冷たい人でないことは分かる。それにザジャの皇帝に屈せず交渉の余地を見出してくれたのだ。感謝こそすれど、憎む理由は無い。
第三戦の準備が整った。もう一度息を吐き、カカルクは控え室を後にした。
──カカルクの武器は拳だ。剣のように持ち運ぶ必要もないし、騒動があればすぐに対処できる。そして何より、肌に伝わる痛みが相手への思いやりを忘れずにいさせてくれる。
「さすがはマヴァロの民……身体の頑丈さは桁違いですね」
「シファ殿もお見事な手腕です。ザジャの兵士の逞しさに驚いていますよ」
カカルクの両腕や頬には無数の赤い線。両者が構えながらじりじりとお互いに距離を測っていた。
(彼の剣の内側にさえ入ってしまえばこっちのものですが……それは向こうも分かっていること。こうも距離を取らされると、なかなかやりずらいですね)
生身のカカルクに対しシファは剣。浅く裂けた切り傷がヒリヒリと痛む。だが、大したものではない。
シファの剣は速くしなやかだ。捉えようとしても、水でも掴むようにするすると逃げられてしまう。
シファがこの試合に本気でないことは感じ取っていた。けれどカカルクは違う。本腰でない相手に本気を出すのは忍びないが、自分は国を背負ってここに立っているのだ。
この一戦を取れたら大きい。落とせば厳しくなる。
カカルクがぎゅっと拳に力を入れた。
「申し訳ございませんシファ殿。もしこの戦いが本望でなければ、降参をお願いできませんか? 私は、戦意の無い相手を傷つけたくありません」
「降参? いやいやとんでもない。陛下の手前、そのような真似はできませぬ。手を抜いていると見えたのならば謝りましょう。今までは貴殿の戦い方を観察していたのですよ」
シファがくいっと細いフレームを指で押し上げる。鈍色が陽光を跳ね返す眼鏡の奥で、瞳が意味深な笑みを浮かべた。
あれほど距離を取っていたのが嘘であるかのように、急速にシファが詰めてくる。彼の突きをカカルクが避けるが、その先にさらに刃が迫った。
「くっ……!」
間髪入れずに襲いかかる剣。避けきれず、プシッと腕から血が上がった。それでもシファの剣は止まらない。
「皇帝陛下に勝利を捧げてこそザジャの兵士の務め! これしきの試合で情けない姿をお見せするわけがないでしょう!」
まるで蛇だ。捕まえる前にするすると動き、一瞬の隙をついてこちらへ噛み付いてくる。
「もちろん貴殿方のお話も聞いております! しかし我らが優先すべきは皇帝陛下のご意思! 陛下が我らに勝利をお望みならば、それにお応えしてさしあげるまで!」
止まらない剣にこのままでは押し切られてしまう。カカルクがぐっと奥歯を噛み締めた。
自分がここで負けるわけにはいかない。彼女は血に塗れながら最後まで戦ってくれたではないか。彼も勝利を繋いでくれた。自分も次に繋げなければ。
腕の一本や二本、マヴァロのためなら安いものだ。
突き出したシファの剣を左腕で受け止める。銀の刃が腕を貫き、これまでとは比べ物にならない熱さと痛みに襲われる。だがそれは無視をして、腕の筋肉で剣をがっちりと固定した。
「シファ殿! 貴方の熱意はしかと受け取りました! しかし私も、ここを譲るわけにはいきません!」
「な、腕が、剣を」
いくらシファが剣を引いても、カカルクの腕から抜くことができない。武器を封じられ、明らかにシファが焦りを見せ始めた。
「ならば存分に語り合いましょう! 貴方は剣で! 私はこの拳で!」
「いや、剣は貴殿が」
「参ります!!」
「ちょっと待っ」
左腕に剣を突き刺したまま、カカルクが右手の拳を思い切りシファの腹部へ叩き込む。相当の筋力量を持ったカカルクの一撃は、シファを遥か後方へと面白いくらいに吹き飛ばした。
「さあ、次はシファ殿が……おや?」
闘技場に舞った砂埃が落ち着いて、カカルクは倒れたまま動かないシファに気づく。どうやら伸びてしまったらしい。
急に訪れた呆気ない試合終了に、観客席が一瞬沈黙したのち。
「しょ、勝者! マヴァロの自衛団長・カカルク!」
カカルクの勝利を告げる放送が響き、戸惑いを孕んだ拍手が広まった。ロゼアリア達も拍手をしながら、今だ腕に剣を突き刺したままのカカルクを見下ろす。
「すっげぇ……一撃でしたよ」
しみじみ呟いたオロルックに、ロゼアリアもこてんとうなずくしかなかった。
「カカルク様はマヴァロでもっとも頼られる自衛団長ですから!」
ココリリが誇らしげに胸を張る。温厚なマヴァロ人を怒らせたら相当怖いだろうな、とロゼアリア、オロルック、フィオラの三人は同じことを考えた。
「とりあえず、これで──あれ?」
アルデバランを振り返ったロゼアリアは、彼の姿がそこにないことに気づく。
「アルデバラン? もう行っちゃったの? いつの間に」
カカルクの試合が終わってからでも十分間に合うだろうに。どうやらアルデバランは控え室へ行ってしまったようだった。
──黒いローブを纏った長身の魔法使いが、闘技場の控え室へと入る。
ロドニシオが感心した様子で第三試合を観戦していた。
「見てよ。カカルク君てどんだけ筋肉あるんだろうねえ」
振り返らずとも、控え室に来たのがアルデバランだと分かっているらしい。ロドニシオに話しかけられたアルデバランは特に何も答えなかった。
「これで二勝かあ。案外楽勝じゃない? ロゼがリエン君に負けちゃった時はヒヤヒヤしたけど」
「勝てる勝負だから賭けたんだ」
アルデバランが椅子に腰掛け、足を組む。
「そこで、だ。ここに人が戻る前にお前に話がある」
「え、どうしたの改まって」
不思議そうだったロドニシオの表情が、アルデバランの言葉を聞いて怪訝に歪む。
「……へえ。言ってる意味は分かったけど、気に食わないなあ」
「別に構わない。じゃあ、頼んだぞ」
「はあ……ロゼがそれを知って怒っても俺は知らないからね」
「お前が話さなければ問題無い」
いけしゃあしゃあと言い放つこの男に、これ以上問い詰めても無意味だろう。肩をすくめ、ロドニシオは試合を終えて帰ってきたカカルクを迎えた。
「おかえりカカルク君。すごいね」
「ロドニシオ殿。無事二勝目を収めることができました!」
「おめでとう。おかげで俺もそこまで気を張らずに試合に望めるよお」
どくどくと血を流していたカカルクの腕も無事に治癒され、晴れやかな笑顔でカカルクは観客席へと戻っていった。
気を張らずに、とはカカルクに言ったが、実際ロドニシオの心情はアルデバランのせいで重くなっていた。
祖国からこんなに離れた場所まで本当に来ることになるとは。会議で決まった時は全く実感が湧かなかったというのに。マヴァロの民は今頃どうしているだろうか。
(もしかしたら私は、マウチフチ様の最期に立ち会えないかもしれませんね)
現代の管理者はマヴァロの民にとって祖母のような存在だった。無論、カカルクにとっても。言葉にこそしないが、ココリリも同じ気持ちのはずだ。
だからこそ今は自分達にできることをやらねば。
先の二戦を見て、グレナディーヌに対する感謝の気持ちが一層高まった。最初にこの国に協力を求めて良かった。やはり騎士の国だからだろうか、彼らが困っている人間を見捨てる素振りなど少しも見せなかった。
グレナディーヌの管理者もそうだ。
(マウチフチ様はもしグレナディーヌの管理者が協力を拒むようであれば、「かの血筋の罪を問え」と仰っていましたが……)
カーネリアについて語る時、いつも温厚なはずの彼女は見たことのないくらい険しい表情をしていた。「カーネリアを許すな」とも言われていたので、アルデバランに対し当初は相当な警戒心を抱いていたのだが。
(彼を脅すような必要がなくて本当に良かったです)
ロゼアリアと親しげにしている様子を見れば、アルデバランが冷たい人でないことは分かる。それにザジャの皇帝に屈せず交渉の余地を見出してくれたのだ。感謝こそすれど、憎む理由は無い。
第三戦の準備が整った。もう一度息を吐き、カカルクは控え室を後にした。
──カカルクの武器は拳だ。剣のように持ち運ぶ必要もないし、騒動があればすぐに対処できる。そして何より、肌に伝わる痛みが相手への思いやりを忘れずにいさせてくれる。
「さすがはマヴァロの民……身体の頑丈さは桁違いですね」
「シファ殿もお見事な手腕です。ザジャの兵士の逞しさに驚いていますよ」
カカルクの両腕や頬には無数の赤い線。両者が構えながらじりじりとお互いに距離を測っていた。
(彼の剣の内側にさえ入ってしまえばこっちのものですが……それは向こうも分かっていること。こうも距離を取らされると、なかなかやりずらいですね)
生身のカカルクに対しシファは剣。浅く裂けた切り傷がヒリヒリと痛む。だが、大したものではない。
シファの剣は速くしなやかだ。捉えようとしても、水でも掴むようにするすると逃げられてしまう。
シファがこの試合に本気でないことは感じ取っていた。けれどカカルクは違う。本腰でない相手に本気を出すのは忍びないが、自分は国を背負ってここに立っているのだ。
この一戦を取れたら大きい。落とせば厳しくなる。
カカルクがぎゅっと拳に力を入れた。
「申し訳ございませんシファ殿。もしこの戦いが本望でなければ、降参をお願いできませんか? 私は、戦意の無い相手を傷つけたくありません」
「降参? いやいやとんでもない。陛下の手前、そのような真似はできませぬ。手を抜いていると見えたのならば謝りましょう。今までは貴殿の戦い方を観察していたのですよ」
シファがくいっと細いフレームを指で押し上げる。鈍色が陽光を跳ね返す眼鏡の奥で、瞳が意味深な笑みを浮かべた。
あれほど距離を取っていたのが嘘であるかのように、急速にシファが詰めてくる。彼の突きをカカルクが避けるが、その先にさらに刃が迫った。
「くっ……!」
間髪入れずに襲いかかる剣。避けきれず、プシッと腕から血が上がった。それでもシファの剣は止まらない。
「皇帝陛下に勝利を捧げてこそザジャの兵士の務め! これしきの試合で情けない姿をお見せするわけがないでしょう!」
まるで蛇だ。捕まえる前にするすると動き、一瞬の隙をついてこちらへ噛み付いてくる。
「もちろん貴殿方のお話も聞いております! しかし我らが優先すべきは皇帝陛下のご意思! 陛下が我らに勝利をお望みならば、それにお応えしてさしあげるまで!」
止まらない剣にこのままでは押し切られてしまう。カカルクがぐっと奥歯を噛み締めた。
自分がここで負けるわけにはいかない。彼女は血に塗れながら最後まで戦ってくれたではないか。彼も勝利を繋いでくれた。自分も次に繋げなければ。
腕の一本や二本、マヴァロのためなら安いものだ。
突き出したシファの剣を左腕で受け止める。銀の刃が腕を貫き、これまでとは比べ物にならない熱さと痛みに襲われる。だがそれは無視をして、腕の筋肉で剣をがっちりと固定した。
「シファ殿! 貴方の熱意はしかと受け取りました! しかし私も、ここを譲るわけにはいきません!」
「な、腕が、剣を」
いくらシファが剣を引いても、カカルクの腕から抜くことができない。武器を封じられ、明らかにシファが焦りを見せ始めた。
「ならば存分に語り合いましょう! 貴方は剣で! 私はこの拳で!」
「いや、剣は貴殿が」
「参ります!!」
「ちょっと待っ」
左腕に剣を突き刺したまま、カカルクが右手の拳を思い切りシファの腹部へ叩き込む。相当の筋力量を持ったカカルクの一撃は、シファを遥か後方へと面白いくらいに吹き飛ばした。
「さあ、次はシファ殿が……おや?」
闘技場に舞った砂埃が落ち着いて、カカルクは倒れたまま動かないシファに気づく。どうやら伸びてしまったらしい。
急に訪れた呆気ない試合終了に、観客席が一瞬沈黙したのち。
「しょ、勝者! マヴァロの自衛団長・カカルク!」
カカルクの勝利を告げる放送が響き、戸惑いを孕んだ拍手が広まった。ロゼアリア達も拍手をしながら、今だ腕に剣を突き刺したままのカカルクを見下ろす。
「すっげぇ……一撃でしたよ」
しみじみ呟いたオロルックに、ロゼアリアもこてんとうなずくしかなかった。
「カカルク様はマヴァロでもっとも頼られる自衛団長ですから!」
ココリリが誇らしげに胸を張る。温厚なマヴァロ人を怒らせたら相当怖いだろうな、とロゼアリア、オロルック、フィオラの三人は同じことを考えた。
「とりあえず、これで──あれ?」
アルデバランを振り返ったロゼアリアは、彼の姿がそこにないことに気づく。
「アルデバラン? もう行っちゃったの? いつの間に」
カカルクの試合が終わってからでも十分間に合うだろうに。どうやらアルデバランは控え室へ行ってしまったようだった。
──黒いローブを纏った長身の魔法使いが、闘技場の控え室へと入る。
ロドニシオが感心した様子で第三試合を観戦していた。
「見てよ。カカルク君てどんだけ筋肉あるんだろうねえ」
振り返らずとも、控え室に来たのがアルデバランだと分かっているらしい。ロドニシオに話しかけられたアルデバランは特に何も答えなかった。
「これで二勝かあ。案外楽勝じゃない? ロゼがリエン君に負けちゃった時はヒヤヒヤしたけど」
「勝てる勝負だから賭けたんだ」
アルデバランが椅子に腰掛け、足を組む。
「そこで、だ。ここに人が戻る前にお前に話がある」
「え、どうしたの改まって」
不思議そうだったロドニシオの表情が、アルデバランの言葉を聞いて怪訝に歪む。
「……へえ。言ってる意味は分かったけど、気に食わないなあ」
「別に構わない。じゃあ、頼んだぞ」
「はあ……ロゼがそれを知って怒っても俺は知らないからね」
「お前が話さなければ問題無い」
いけしゃあしゃあと言い放つこの男に、これ以上問い詰めても無意味だろう。肩をすくめ、ロドニシオは試合を終えて帰ってきたカカルクを迎えた。
「おかえりカカルク君。すごいね」
「ロドニシオ殿。無事二勝目を収めることができました!」
「おめでとう。おかげで俺もそこまで気を張らずに試合に望めるよお」
どくどくと血を流していたカカルクの腕も無事に治癒され、晴れやかな笑顔でカカルクは観客席へと戻っていった。
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