24 / 52
7.ただの共同生活ですからこれは!
7-2
しおりを挟む
「あずき先輩。」
「ん?」
「いつ勉強してるんですか?」
パソコンを弄ってるあずき先輩(眼鏡スタイル)に話しかければ、不可解そうな顔をされた。
「そりゃ学校でしょ。」
「そうじゃなくてですよ。授業で分からないところとか、放課後とか帰ってきた後でやるじゃないですか。」
「授業の事は授業の中で覚えればよくね?」
何当たり前のこと言ってんの? と言いたげな先輩をこれほどまでに殴りたくなったことはない。
「普通の人は授業受けただけじゃ完全に理解しませんよ。」
「俺が普通の人じゃないって?」
「普通か普通じゃないかって言われたら、確実に普通じゃないですね。」
色んな意味でね。
「はー? 傷つく。」
「何とも思ってなさそうな顔で言われても。」
なんか、今必死に勉強してる私が馬鹿馬鹿しく思えてきた……。
「ま、理解すんのにどれだけ時間が必要かは本人次第だし。俺の真似すれば絶対とかねぇよ。」
「珍しくまともなこといいますね。変なものでも食べました?」
「お前が飯に毒盛ってなけりゃ食ってねーよ。」
「その手がありました。」
「毒盛りたいの?」
こんなやり取りをするのも当たり前だって慣れてきている自分がいる。
当たり前にしちゃ、駄目なのに。
話しかければすぐ答えが返ってくる距離に人がいる生活が久しぶり過ぎて、私は自分と他人の間に引いた線をいつか消してしまいそうで怖くなる。
自分と他人の間に私は明確な境界線を引いていて、それは家族相手でも同じだった。
それを引いたのはいつだったか覚えていない。
喜びも悲しみも、痛みも他人と分け合えるものだって信じてたけど。私にとってそれはおとぎ話でしかなかったから。
分かり合えるなんて、傲慢でしかなかったから。
私の迷いも痛みも悲しみも、全部私1人のものにした。誰にも触れさせないようにした。
私の痛みで誰かを煩わせたくないからじゃない。
私の勝手な期待で、私が傷つきたくないからだ。
「ん?」
「いつ勉強してるんですか?」
パソコンを弄ってるあずき先輩(眼鏡スタイル)に話しかければ、不可解そうな顔をされた。
「そりゃ学校でしょ。」
「そうじゃなくてですよ。授業で分からないところとか、放課後とか帰ってきた後でやるじゃないですか。」
「授業の事は授業の中で覚えればよくね?」
何当たり前のこと言ってんの? と言いたげな先輩をこれほどまでに殴りたくなったことはない。
「普通の人は授業受けただけじゃ完全に理解しませんよ。」
「俺が普通の人じゃないって?」
「普通か普通じゃないかって言われたら、確実に普通じゃないですね。」
色んな意味でね。
「はー? 傷つく。」
「何とも思ってなさそうな顔で言われても。」
なんか、今必死に勉強してる私が馬鹿馬鹿しく思えてきた……。
「ま、理解すんのにどれだけ時間が必要かは本人次第だし。俺の真似すれば絶対とかねぇよ。」
「珍しくまともなこといいますね。変なものでも食べました?」
「お前が飯に毒盛ってなけりゃ食ってねーよ。」
「その手がありました。」
「毒盛りたいの?」
こんなやり取りをするのも当たり前だって慣れてきている自分がいる。
当たり前にしちゃ、駄目なのに。
話しかければすぐ答えが返ってくる距離に人がいる生活が久しぶり過ぎて、私は自分と他人の間に引いた線をいつか消してしまいそうで怖くなる。
自分と他人の間に私は明確な境界線を引いていて、それは家族相手でも同じだった。
それを引いたのはいつだったか覚えていない。
喜びも悲しみも、痛みも他人と分け合えるものだって信じてたけど。私にとってそれはおとぎ話でしかなかったから。
分かり合えるなんて、傲慢でしかなかったから。
私の迷いも痛みも悲しみも、全部私1人のものにした。誰にも触れさせないようにした。
私の痛みで誰かを煩わせたくないからじゃない。
私の勝手な期待で、私が傷つきたくないからだ。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる