婚約破棄することにしたので、私は悪役令嬢になります。

10.

私は今、ダドリー家に来ています。
でも、ロータスはいません。

私が会いに来たのはサネット。もうダドリー家に入るためにロータスの存在は必要なくなりました。

サネットに会いに来たのは、ある計画を実行するための協力を得るためでした。

そう、この間思い付いた計画。
名付けて『ロータス自滅大作戦』

そのためにはサネットの協力と、ある仕掛けが必要でした。まずは例の離れに入らなければなりません。

私はサネットと散歩しながら、離れの前までやってきました。

確かクロードの話によると、離れの玄関下の窪みに扉の合鍵が隠されているということでしたが。

「あった！」

「あったね！合い鍵まで作って本当に気持ち悪い。」

私達はつい声に出して喜んでいました。

扉を開けて中に入ると広間になっていて、いくつかの調度品があしらわれ、木製のテーブルの周りに二人がけのソファーと椅子が二脚置いてあります。

あとはシンプルな作りのベッドが置かれた寝室とトイレ。来客があった時の使用人などが使う宿泊場所でしょうか。離れだけあってこじんまりとした内装になっています。

今日は月曜日。

二人がこの離れを使うとしたら明日でしょう。ロータスは女性のドレスを気にしてアレーナをソファーに座らせるはず。

私はソファーに座った時しか見えない位置に昨日サネットからもらった手紙を置きました。トッピングとして、手紙には私がしばらく使っていなかったラベンダーの香水をたっぷりと振り掛けてあります。

「ふふっ、明日が楽しみだね！」

サネットは楽しそうです。

「上手くいくといいなぁ。」

「絶対大丈夫だよ。早く明日にならないかな。」

こうして私達は離れを後にしました。