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6話 町から出よう
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死ぬ以前の記憶が蘇ってくる。
高校生になった俺は新しい学園生活にワクワクしていた。高校一年生が始まって直ぐの頃、学校の中を見学も兼ねて探検していた、そんな時俺は5人の不良と遭遇してしまった。実際は見つけただけで相手はこちらには気が付いていなかったが。
そしてそいつ等は1人の生徒を虐めていた、財布を巻き上げ殴る蹴るを繰り返す、そんな中不良の1人が煙草の吸い殻を虐めている生徒の顔面に押し付けようと提案していた。その提案を聞いた不良達が面白がってそれに賛成していく、勿論それを聞いた虐められている側の生徒の顔は恐怖に染まっている。
流石にまずいと思った俺は飛び出していた、そいつを庇うように出て行って不良達に辞めるように言った。
不良達は舌打ちはしたが何故か呆気なく引き下がってくれた。
その次の日からだ、何故か皆の俺の見る目がおかしかった。
理由は全くわからなかった。
それからの俺の高校生活は完全にボッチになった。それが俺の趣味が人間観察になった経緯だ。
高校生になって2ヶ月が経った頃偶然に女子生徒の会話を聞いてしまった。「柴埼君って知ってる? その人なんか女の人の寝込み襲ったらしいよ」「え、そうなの? 私はヤバい薬に手を出したとかって聞いたけど?」「「やってそー」」その後も俺の事がまるでクズのように話されていた。事実なんて1つも無かった。
その次の日だ、不良の溜まり場に直談判じかだんぱんしに行った。
不良のリーダーは「なんのことですかー?」などと半笑いで俺の言葉を馬鹿にしたように返してくる。
その次の瞬間俺の腹にパンチが入る、それからは蹴られ踏まれの地獄の時間だ。1時間ほどでそれにも飽きたのか不良達は帰って行った。
その時、俺の中に有った、正義とか勇気とか希望などという言葉は消え去った。
それから、大の字で休んで歩けるようになってから帰る途中の道路でトラックにはねられ、ヒビが入っていた骨は完全に割れ、頭も打ち付けて出血多量。
即死だったと思う。
そして今、騎士や王は下卑た笑みであの時の不良達と同じ顔をしながら俺に蹴りを加えて来た。大臣っぽいおっさんが命令したのは拘束だ。だがこいつ等は殴る蹴るの暴行で楽しむように俺を痛めつける。あの時の光景と同じだ。騎士たちの隙間からシロナの姿が見えた。シロナは嘘空を見つめながらこれからの事を考えているのか笑みを浮かべていた。
ふざけるな。
今の状況はなんだ、なぜ俺は前世と同じことを繰り返している。吐き気がする、コイツ等の顔を見るのも嫌だ。
下卑た笑いを俺に向けるな。
俺が何をしたって言うんだ。こんな国滅べよ。こんな世界に来て強い力を手に入れて舞い上がって、自分勝手な希望をまた抱いてしまった、2回も繰り返せば俺だって理解できる、人間って生き物は汚いと。
その時シロナが俺の視線に気づいたようで俺と目が合った。
シロナは俺と目が合った事に気が付くと俺の事をゴミを見るような目で見下してきた。
笑顔でだ。
は?なんでお前までそんな顔をするんだよ。
「オラ」「死ねや」「動くなって蹴れねえだろうが」「はっザッコ」「王と言っても戦闘職の俺らとの戦闘じゃ勝てねえよなぁ」
騎士の声がする、何を言っているのかは解らんがそんな事はどうでもいい。まずVITと自然治癒力に200p振ってるから痛くもないしダメージを受けたそばから回復する。
そんな事よりもシロナに裏切られた事実が俺を苦しめる。
騎士たちの蹴りなんて全く痛くない。
だが復習してやるさ。 この国に。コイツ等に。
<【変換者】が【変換者Ⅱ】にレベルアップしました>
ピコン♪
________
VIT+400
________
全てのポイントを防御力に振った。
「いって、なんだ!?」
防御力に全振りしたことによって、騎士たちの蹴りで騎士の方がダメージを受けている。
「もうここに要は無いな」
立ち上がった俺に対してこの場に居た者達全ての目が驚愕の色を浮かべる。
王という職業に就いているためなのか、国民を辞める方法は何となく解った。
「おい、俺はこの国の国民を辞める」
国民を辞める条件とは、国王もしくは国王が与えた権限を持つものに辞めるという意思表示を行う事。
「じゃあな」
ピコン♪
________
AGL+400
________
騎士の持っている敏捷のステータスを上げる効果はAGL+40のみ、このステータスは俺と比べると天と地の差がある。
全力で城を出た、やらなければいけないことをピックアップする、1つはマジックバックの購入流石にこの量の鉱石と宝石を持っての移動はキツイ。だからと言って捨てていくのはしゃくだ。
二つ目は他の国に逃げるための食料だな。
「確かこっちに魔道技士がやってるっていう魔道具屋が」
町の地図を思い出しマジックバックの店を見つける。
「いらっしゃ・・」
「ここにあるマジックバックの中で一番収容量の多い物をくれ」
「え、と。金貨3枚になります」
「ああ、解った」
金貨を3枚出して直ぐに店員に向かって放る。
「これです」
「助かる、じゃあな」
ネイトが居なくなった店内では店員が呟く
「凄く忙しいお客さんだったすね」
________
魔道具屋をでて直ぐに町の大通りの市場に向かい、途中で鉱石と宝石は全てをバックごとマジックバックに詰め込んだ。
大通りには果物や肉、パンなどが売られていたので金貨1枚で買えるだけ買った。
その後は直ぐに町を出た。
地図を見ていく方向は決めていた、獣人国パランから一番近い場所に位置するこの国からも遠くない距離にある人間国のラスタ、そこに行く事にする。
あいつらに復讐するにしてもまずは権力と財力が必要だ。
地図を見るとこの町からラスタまでは5日はかかるそれもフルに歩いて5日だ、人間が歩けるのは1日の半分ほど。単純に考えて10日はかかる。
まあこれはどうしようも無いし、歩くしかないなAGLにポイントを振って歩けば多少の短縮にはなるだろう。
________
AGL+400
________
歩いている時にある事を思い出した、確か城でてんやわんややっている時に何か声が聞こえたのだ。
確かレベルアップという声の事だ。
まあ【鑑定師】で見れば解るか。
【変換師Ⅱ】
ポイント変換(様々なポイントをステータスや他のポイントに変換する事が可能。MPやお金やポイントを変換する事が可能。)
Lv.Ⅱ 能力変換(職業変更などでしか獲得できない能力を数値的に上昇させ獲得できる能力)
能力の変換か、試すしか無いよな、確か騎士の奴らの能力が防具補正だったな。これを使うか。
ピコン♪
________
防具補正
AGL+300
________
確かに100p消費されている、でも防具補正って発動してるのかイマイチ解らない。
さっさとAGLに振って中間の村を目指そっと。
高校生になった俺は新しい学園生活にワクワクしていた。高校一年生が始まって直ぐの頃、学校の中を見学も兼ねて探検していた、そんな時俺は5人の不良と遭遇してしまった。実際は見つけただけで相手はこちらには気が付いていなかったが。
そしてそいつ等は1人の生徒を虐めていた、財布を巻き上げ殴る蹴るを繰り返す、そんな中不良の1人が煙草の吸い殻を虐めている生徒の顔面に押し付けようと提案していた。その提案を聞いた不良達が面白がってそれに賛成していく、勿論それを聞いた虐められている側の生徒の顔は恐怖に染まっている。
流石にまずいと思った俺は飛び出していた、そいつを庇うように出て行って不良達に辞めるように言った。
不良達は舌打ちはしたが何故か呆気なく引き下がってくれた。
その次の日からだ、何故か皆の俺の見る目がおかしかった。
理由は全くわからなかった。
それからの俺の高校生活は完全にボッチになった。それが俺の趣味が人間観察になった経緯だ。
高校生になって2ヶ月が経った頃偶然に女子生徒の会話を聞いてしまった。「柴埼君って知ってる? その人なんか女の人の寝込み襲ったらしいよ」「え、そうなの? 私はヤバい薬に手を出したとかって聞いたけど?」「「やってそー」」その後も俺の事がまるでクズのように話されていた。事実なんて1つも無かった。
その次の日だ、不良の溜まり場に直談判じかだんぱんしに行った。
不良のリーダーは「なんのことですかー?」などと半笑いで俺の言葉を馬鹿にしたように返してくる。
その次の瞬間俺の腹にパンチが入る、それからは蹴られ踏まれの地獄の時間だ。1時間ほどでそれにも飽きたのか不良達は帰って行った。
その時、俺の中に有った、正義とか勇気とか希望などという言葉は消え去った。
それから、大の字で休んで歩けるようになってから帰る途中の道路でトラックにはねられ、ヒビが入っていた骨は完全に割れ、頭も打ち付けて出血多量。
即死だったと思う。
そして今、騎士や王は下卑た笑みであの時の不良達と同じ顔をしながら俺に蹴りを加えて来た。大臣っぽいおっさんが命令したのは拘束だ。だがこいつ等は殴る蹴るの暴行で楽しむように俺を痛めつける。あの時の光景と同じだ。騎士たちの隙間からシロナの姿が見えた。シロナは嘘空を見つめながらこれからの事を考えているのか笑みを浮かべていた。
ふざけるな。
今の状況はなんだ、なぜ俺は前世と同じことを繰り返している。吐き気がする、コイツ等の顔を見るのも嫌だ。
下卑た笑いを俺に向けるな。
俺が何をしたって言うんだ。こんな国滅べよ。こんな世界に来て強い力を手に入れて舞い上がって、自分勝手な希望をまた抱いてしまった、2回も繰り返せば俺だって理解できる、人間って生き物は汚いと。
その時シロナが俺の視線に気づいたようで俺と目が合った。
シロナは俺と目が合った事に気が付くと俺の事をゴミを見るような目で見下してきた。
笑顔でだ。
は?なんでお前までそんな顔をするんだよ。
「オラ」「死ねや」「動くなって蹴れねえだろうが」「はっザッコ」「王と言っても戦闘職の俺らとの戦闘じゃ勝てねえよなぁ」
騎士の声がする、何を言っているのかは解らんがそんな事はどうでもいい。まずVITと自然治癒力に200p振ってるから痛くもないしダメージを受けたそばから回復する。
そんな事よりもシロナに裏切られた事実が俺を苦しめる。
騎士たちの蹴りなんて全く痛くない。
だが復習してやるさ。 この国に。コイツ等に。
<【変換者】が【変換者Ⅱ】にレベルアップしました>
ピコン♪
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VIT+400
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全てのポイントを防御力に振った。
「いって、なんだ!?」
防御力に全振りしたことによって、騎士たちの蹴りで騎士の方がダメージを受けている。
「もうここに要は無いな」
立ち上がった俺に対してこの場に居た者達全ての目が驚愕の色を浮かべる。
王という職業に就いているためなのか、国民を辞める方法は何となく解った。
「おい、俺はこの国の国民を辞める」
国民を辞める条件とは、国王もしくは国王が与えた権限を持つものに辞めるという意思表示を行う事。
「じゃあな」
ピコン♪
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AGL+400
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騎士の持っている敏捷のステータスを上げる効果はAGL+40のみ、このステータスは俺と比べると天と地の差がある。
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二つ目は他の国に逃げるための食料だな。
「確かこっちに魔道技士がやってるっていう魔道具屋が」
町の地図を思い出しマジックバックの店を見つける。
「いらっしゃ・・」
「ここにあるマジックバックの中で一番収容量の多い物をくれ」
「え、と。金貨3枚になります」
「ああ、解った」
金貨を3枚出して直ぐに店員に向かって放る。
「これです」
「助かる、じゃあな」
ネイトが居なくなった店内では店員が呟く
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魔道具屋をでて直ぐに町の大通りの市場に向かい、途中で鉱石と宝石は全てをバックごとマジックバックに詰め込んだ。
大通りには果物や肉、パンなどが売られていたので金貨1枚で買えるだけ買った。
その後は直ぐに町を出た。
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まあこれはどうしようも無いし、歩くしかないなAGLにポイントを振って歩けば多少の短縮にはなるだろう。
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AGL+400
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歩いている時にある事を思い出した、確か城でてんやわんややっている時に何か声が聞こえたのだ。
確かレベルアップという声の事だ。
まあ【鑑定師】で見れば解るか。
【変換師Ⅱ】
ポイント変換(様々なポイントをステータスや他のポイントに変換する事が可能。MPやお金やポイントを変換する事が可能。)
Lv.Ⅱ 能力変換(職業変更などでしか獲得できない能力を数値的に上昇させ獲得できる能力)
能力の変換か、試すしか無いよな、確か騎士の奴らの能力が防具補正だったな。これを使うか。
ピコン♪
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防具補正
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