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7話 エルフの集落
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町を出てから3時間ほどが経過した。そして今、何故か俺の前には村が見える。
ファッ!?なんでもう中間の村が見える?
確かラスタまでにかかる日数は10日程度のはずだ、つまりこの中間までは5日はかかる計算になる。
だが実際に村は見える。いや、だがしかしまだ村の名前が中間に位置する村キラノでは無い可能性も有る、取り敢えず村の名前を聞いてみるしか無いか。
今は町からでて3時間ほどが経過している、つまり夜だ。人が居ない。と思ったが声を掛けられた。
「あの、どなたですか?」
と、女の子の声が聞こえた。
振り返るとやはり声の主であろう中学生くらいの女の子が立っていた。
しかし、いや恐らくだが人間ではない、耳が尖っていて金髪で鼻が高く美形だ。外見的特徴から、主に耳から連想される種族名はエルフだ。
「ただの旅人だ」
「え、それだけなの?普通もっとなんか有るでしょ、名前とか職業とか」
「じゃあ、名前はネイトだ。職業は言えない」
「そう?言えない物はしょうがないか、こんな夜更けに旅人っていうのは珍しいけど、取り敢えず村長に会って下さい? 後、私の名前はエリスよ」
「ああ、わかった」
実際ここが目的の場所の通過点の村じゃ無いのなら、地理に詳しいやつに聞かないと進めない。
村長の家は村の真ん中の大きなテントのような家だった。他の家もここに来たのは一週間前とかじゃないかと疑うほど簡単な家しか立っていない、殆どがテントだ。
「じゃあちょっとここで待って。村長を呼んでくるから」
「ああ、でも時間が惜しいから早くしてくれよ」
「あんたは王様か」
「まあ、そうだな」
「はいはい」
エリスはテントの中に入って行った。テントの中から声が聞こえてくる。村長とエリスの話声だろう、内容は聞き取れるほど俺の聴力は良くなかったので、【変換者】の能力で聴覚上げようかと考えていると発動する前にエリスが出て来た。
「村長が会ってくれるって、中に入っていいよ。あと村長は強い職業持ってるから、暴れない方がいいよ」
「ああ、見れば解るよ」
「S級鑑定師かあんたは」
「まあ、そうだな」
「はいはい、言いたくないならいい」
どうやらかなり勘違いをしているらしいが嘘を付いている訳では無いので問題無いだろう。
「君がネイト君かね?」
「ああ、そうだ」
「うむ、ここには何をしに来たのか聞いても」
「多分、道に迷ったんだと思う」
「道に迷った?というと」
「俺はキラノって村に行く途中だったのだけど、何故かこの村に着いた」
「キラノか、もっと南にある村じゃな」
「そうなのか実は地図通りに来たはずなのにここに着いたからこの地図おかしんじゃ無いかと思ってな見てほしいんだが」
「いいじゃろう」
村長の確認も貰ったので地図を俺と村長があぐらをかいている真ん中に広げる。
「なるほど、確かにこの地図は少し、いや45度ぐらい角度がおかしい」
それって俺がまがい物買ったって事か? 確かにこの世界じゃ地図を読めること自体が珍しいみたいだし、ぼったくるならいい商品だな。それより45度って……ぼったくるにしてももう少し頑張れよ。
「それで、ネイト君、君は本当は何者だ?」
声のトーンが下がった、何かを警戒するようにこちらを睨みつけている。
「もしかして、俺がどこかの国のスパイじゃないかって疑ってるのか?」
「すぱい? そうだな、理由は2つ君が職業を明かさない事、それに地図を読める事」
職業と地図か、
「なるほどな、じゃあその2つを言えば俺を信用してくれるのか?」
「内容次第だ、ここはエルフの集落、人間からも獣人からも嫌われる妖精族にはこれくらいの警戒は生きるために必要なことゆえ」
「そうか、なら、俺の職業は【王】だ、これで意味は通じるだろ?」
「お、王だと!?、そんな戯言ざれごと」
「そう思うのは勝手だけど、思っただけじゃ俺の職業は変わらないからな」
「本当なのか……いや、だがそれなら説明がつくか」
「信じたか?」
「信じるのは無理だ、だからこの村に滞在したいのならこの集落の者達から信用を勝ち取ってくれ、それまではエリスを君と同行させよう」
「見張りって事か、解った。それでいい」
「まあ旅人よ、いつ出ていくかは知らぬが君がこの町の住人に嫌われるまでは滞在を許可しよう」
嫌われるのは前提なのか、ま、新しい地図を貰うか道を教えて貰うまでここは出れないか。
「助かる」
その日は村長の家に泊まらせて貰えたので、ベットとまでは行かないが野宿よりは断然ましな夜だった。
朝になって最初に見たのはエリスだった、何故か俺が寝ている隣に座っていた、理由を聞くと見張りだそうだ。
俺は自分のマジックバックの中に居れていた果物やパンを出して軽い朝食をとった。
その後集落を見て回りたいと思ったのでエリスに着いてきて貰うために、町を見て回っていいか相談してみた。
「それはいいけど、正気?」
「バッチリ正気」
「そう…」
エルフの集落と言うだけあってエルフしか居ない、だがそれ以上に皆が俺を見る目がおかしい。
「もしかして人間って嫌われてる?」
「人間は妖精族を魔物と同じ様に扱っている国が殆ど、捕まって奴隷になる同族も少なくない」
エリスは寂しそうな表情を浮かべた。でもあのアホ面の愚王が国を治めてたらそうなるな。
「エルフにも職業ってあるんだろ、鍛冶師とかって居ないのか?」
エリスの話は元は自分が言い出したとはいえ重いので話題を変える事にした、俺の【変換者Ⅱ】の能力で職業の能力も変換師で行使できるようになった。だがそのためには他の職業の能力名を知る必要がある。
つまり【全知全能】という能力にポイントを振りたいと思っても振る事は出来ない、実在しないのか、鑑定で確認しなければならないのか、何か他の制限があるのかは不明だ。
「鍛冶師ならパルムさんがそうだけど、何か作って貰うつもり? 今は鉄が無いから無理だと思うわよ」
「まあなんていうか、才能を見て盗む。みたいな?」
「なんで貴方が疑問形なの? あなたもしかして鍛冶師?」
「まあ気にするな」
「そうね、あなたは王でS級鑑定師だもんね」
「そうだな」
「はいはい」
エリスと喋りながらパルムって鍛冶師の工房に案内してもらった。
だが、工房とは名ばかりでテントの中にハンマーや数個の武器は有るものの肝心のかまどが無い。
つまりここでは武器は作れないと言う事なのだろうか。
鑑定してみよう。
________
鍛治師・★★★★
F、精錬・製錬
E、鉄加工
D、加熱
C、STR+200
B、金属全般加工
________
Bランクはなかなかだ。金属全般加工はオリジナルの武器を作るのに必須なので見れて良かった。
AランクとSランクの能力は????になっている。やはりその人が覚えていない能力は鑑定では見れないのだろう。
ファッ!?なんでもう中間の村が見える?
確かラスタまでにかかる日数は10日程度のはずだ、つまりこの中間までは5日はかかる計算になる。
だが実際に村は見える。いや、だがしかしまだ村の名前が中間に位置する村キラノでは無い可能性も有る、取り敢えず村の名前を聞いてみるしか無いか。
今は町からでて3時間ほどが経過している、つまり夜だ。人が居ない。と思ったが声を掛けられた。
「あの、どなたですか?」
と、女の子の声が聞こえた。
振り返るとやはり声の主であろう中学生くらいの女の子が立っていた。
しかし、いや恐らくだが人間ではない、耳が尖っていて金髪で鼻が高く美形だ。外見的特徴から、主に耳から連想される種族名はエルフだ。
「ただの旅人だ」
「え、それだけなの?普通もっとなんか有るでしょ、名前とか職業とか」
「じゃあ、名前はネイトだ。職業は言えない」
「そう?言えない物はしょうがないか、こんな夜更けに旅人っていうのは珍しいけど、取り敢えず村長に会って下さい? 後、私の名前はエリスよ」
「ああ、わかった」
実際ここが目的の場所の通過点の村じゃ無いのなら、地理に詳しいやつに聞かないと進めない。
村長の家は村の真ん中の大きなテントのような家だった。他の家もここに来たのは一週間前とかじゃないかと疑うほど簡単な家しか立っていない、殆どがテントだ。
「じゃあちょっとここで待って。村長を呼んでくるから」
「ああ、でも時間が惜しいから早くしてくれよ」
「あんたは王様か」
「まあ、そうだな」
「はいはい」
エリスはテントの中に入って行った。テントの中から声が聞こえてくる。村長とエリスの話声だろう、内容は聞き取れるほど俺の聴力は良くなかったので、【変換者】の能力で聴覚上げようかと考えていると発動する前にエリスが出て来た。
「村長が会ってくれるって、中に入っていいよ。あと村長は強い職業持ってるから、暴れない方がいいよ」
「ああ、見れば解るよ」
「S級鑑定師かあんたは」
「まあ、そうだな」
「はいはい、言いたくないならいい」
どうやらかなり勘違いをしているらしいが嘘を付いている訳では無いので問題無いだろう。
「君がネイト君かね?」
「ああ、そうだ」
「うむ、ここには何をしに来たのか聞いても」
「多分、道に迷ったんだと思う」
「道に迷った?というと」
「俺はキラノって村に行く途中だったのだけど、何故かこの村に着いた」
「キラノか、もっと南にある村じゃな」
「そうなのか実は地図通りに来たはずなのにここに着いたからこの地図おかしんじゃ無いかと思ってな見てほしいんだが」
「いいじゃろう」
村長の確認も貰ったので地図を俺と村長があぐらをかいている真ん中に広げる。
「なるほど、確かにこの地図は少し、いや45度ぐらい角度がおかしい」
それって俺がまがい物買ったって事か? 確かにこの世界じゃ地図を読めること自体が珍しいみたいだし、ぼったくるならいい商品だな。それより45度って……ぼったくるにしてももう少し頑張れよ。
「それで、ネイト君、君は本当は何者だ?」
声のトーンが下がった、何かを警戒するようにこちらを睨みつけている。
「もしかして、俺がどこかの国のスパイじゃないかって疑ってるのか?」
「すぱい? そうだな、理由は2つ君が職業を明かさない事、それに地図を読める事」
職業と地図か、
「なるほどな、じゃあその2つを言えば俺を信用してくれるのか?」
「内容次第だ、ここはエルフの集落、人間からも獣人からも嫌われる妖精族にはこれくらいの警戒は生きるために必要なことゆえ」
「そうか、なら、俺の職業は【王】だ、これで意味は通じるだろ?」
「お、王だと!?、そんな戯言ざれごと」
「そう思うのは勝手だけど、思っただけじゃ俺の職業は変わらないからな」
「本当なのか……いや、だがそれなら説明がつくか」
「信じたか?」
「信じるのは無理だ、だからこの村に滞在したいのならこの集落の者達から信用を勝ち取ってくれ、それまではエリスを君と同行させよう」
「見張りって事か、解った。それでいい」
「まあ旅人よ、いつ出ていくかは知らぬが君がこの町の住人に嫌われるまでは滞在を許可しよう」
嫌われるのは前提なのか、ま、新しい地図を貰うか道を教えて貰うまでここは出れないか。
「助かる」
その日は村長の家に泊まらせて貰えたので、ベットとまでは行かないが野宿よりは断然ましな夜だった。
朝になって最初に見たのはエリスだった、何故か俺が寝ている隣に座っていた、理由を聞くと見張りだそうだ。
俺は自分のマジックバックの中に居れていた果物やパンを出して軽い朝食をとった。
その後集落を見て回りたいと思ったのでエリスに着いてきて貰うために、町を見て回っていいか相談してみた。
「それはいいけど、正気?」
「バッチリ正気」
「そう…」
エルフの集落と言うだけあってエルフしか居ない、だがそれ以上に皆が俺を見る目がおかしい。
「もしかして人間って嫌われてる?」
「人間は妖精族を魔物と同じ様に扱っている国が殆ど、捕まって奴隷になる同族も少なくない」
エリスは寂しそうな表情を浮かべた。でもあのアホ面の愚王が国を治めてたらそうなるな。
「エルフにも職業ってあるんだろ、鍛冶師とかって居ないのか?」
エリスの話は元は自分が言い出したとはいえ重いので話題を変える事にした、俺の【変換者Ⅱ】の能力で職業の能力も変換師で行使できるようになった。だがそのためには他の職業の能力名を知る必要がある。
つまり【全知全能】という能力にポイントを振りたいと思っても振る事は出来ない、実在しないのか、鑑定で確認しなければならないのか、何か他の制限があるのかは不明だ。
「鍛冶師ならパルムさんがそうだけど、何か作って貰うつもり? 今は鉄が無いから無理だと思うわよ」
「まあなんていうか、才能を見て盗む。みたいな?」
「なんで貴方が疑問形なの? あなたもしかして鍛冶師?」
「まあ気にするな」
「そうね、あなたは王でS級鑑定師だもんね」
「そうだな」
「はいはい」
エリスと喋りながらパルムって鍛冶師の工房に案内してもらった。
だが、工房とは名ばかりでテントの中にハンマーや数個の武器は有るものの肝心のかまどが無い。
つまりここでは武器は作れないと言う事なのだろうか。
鑑定してみよう。
________
鍛治師・★★★★
F、精錬・製錬
E、鉄加工
D、加熱
C、STR+200
B、金属全般加工
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