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プロローグ
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夢魔の子どもが幼体から成体へ変化する成人の儀の夜のことだった。
私たちが暮らす常夜の森に、それは来た。
「夢魔の長よ。どうか、私の息子を助けてくれ!」
前に市場で見かけたような、貴族の装いをした男の人たちが、森に入ってきた。
そのうちの一人が、毛布を抱えている。その人の傍にぴったりとくっついている女の人は、涙を流していた。
私のお父さまと男の人はしばらく話をしていて、やがて話が終わると、お父さまは私を呼んだ。
「…リリー。こっちにおいで」
「はい。おとうさま」
お父様の元へ行くと、さっきの毛布が床に置いてあって、その中に男の子が眠っていた。
でも、男の子の唇は紫色で、なんだか顔色も青白い。
「お父さま、この子どうしたの?」
「毒を飲んでしまったんだ。リリーの力で治してあげてほしい」
「かわいそう…。うん、わかった!」
森を照らす月を見上げ、祝詞を紡いでいく。
『月の女神様、リリーに力を貸してください。この子が毒を飲んでしまった記憶、出来事を夢に変えたいの。お願いします』
その後、男の子がどうなったのか、私は覚えていない。私の『現夢反転』が成功したかもわからない。
成人の儀のために蓄えていた力を出し切ったため、私は成体にはなれず、あと10年待つことになった。
時は流れあの出来事から10年。
そして、成人の儀の夜が来た。
私たちが暮らす常夜の森に、それは来た。
「夢魔の長よ。どうか、私の息子を助けてくれ!」
前に市場で見かけたような、貴族の装いをした男の人たちが、森に入ってきた。
そのうちの一人が、毛布を抱えている。その人の傍にぴったりとくっついている女の人は、涙を流していた。
私のお父さまと男の人はしばらく話をしていて、やがて話が終わると、お父さまは私を呼んだ。
「…リリー。こっちにおいで」
「はい。おとうさま」
お父様の元へ行くと、さっきの毛布が床に置いてあって、その中に男の子が眠っていた。
でも、男の子の唇は紫色で、なんだか顔色も青白い。
「お父さま、この子どうしたの?」
「毒を飲んでしまったんだ。リリーの力で治してあげてほしい」
「かわいそう…。うん、わかった!」
森を照らす月を見上げ、祝詞を紡いでいく。
『月の女神様、リリーに力を貸してください。この子が毒を飲んでしまった記憶、出来事を夢に変えたいの。お願いします』
その後、男の子がどうなったのか、私は覚えていない。私の『現夢反転』が成功したかもわからない。
成人の儀のために蓄えていた力を出し切ったため、私は成体にはなれず、あと10年待つことになった。
時は流れあの出来事から10年。
そして、成人の儀の夜が来た。
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