悪役令嬢の末路

ラプラス

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協力者【1】

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 色とりどりの花が咲き誇るリリシア様のお屋敷に、私はいた。

 「リリシア様、教えてほしいことがあるの」
 「まぁ、何かしら。私が答えられることだったなんでも聞いて」
 やさしく微笑むリリシア様に、少し肩のこわばりがほぐれる。
 「ありがとう。実は、あの人についてなのだけれど…」
 「あら。それならカイルに聞けばいいじゃない」
 その言葉に、ぐっと息が詰まる。
 「…あの人は、私には会ってくださらないの。だから聞くこともできないのよ」
 「そんなはずないわ。カイルはただ今ちょっと忙しいだけなのよ」
 何かを察したのか、リリシア様はあの人を庇おうとする。
 「最初は、そう思ってたわ。でも、あの人と結婚してから、私は一度もあの人の顔すら見ていないのよ?」

 「アイラ様…」
 リリシア様は、しょんぼりと俯いた。
 「リリシア様。私ね、どうしてあの人が私と結婚したのか知りたいの。こんな、利益と呼べるものなんて何も持っていない私に、一体どんな価値があったのか、知りたいだけなの」
 顔を上げて、聞いた。
 「知って、どうするの?」
 「もし、私の望まない答えだったら、あの人と離縁するわ」
 「そんなっ!駄目よ」
 リリシア様は急に椅子から立ち上がり、私の肩を掴んだ。
 「リリシア様…」
 「私の前から居なくなるなんて絶対許さないんだから!」
 「大丈夫よ。私、リリシア様の前から居なくなったりしないわ」
 「本当に?」
 リリシア様の手の力が緩む。

 「ええ。だって、貴族になってから初めて出来た大事な友達ですもの」
 「アイラ様……好きぃっ」
 「ちょっ、リリシア様?!」
 手を離してくれたと思ったら、リリシア様はいきなり抱きついてきた。
 「カイルのことが嫌なら、私のところに来る?」
 「え?」
 「ついでに、私の知ってるカイルのこと全部話すわ」
 「お泊まり会ってこと?」
 「まあそんなとこ」
 私は目を輝かせた。
 「行く行く!」
 「じゃあ、契約成立ね」
 リリシア様が私にウインクした。



 こうして、私の協力者(1人目)が現れた。
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