悪役令嬢の末路

状況整理

　一度、状況を整理してみよう。

　まず、この出来事は父の出世から始まった。
　そして、父は陛下から男爵位を譲り受け、私は男爵令嬢になった。

　ここまではいいとして、問題は次だ。

　あの人との婚約。本来、貴族間の婚姻とは、近い爵位同士で行うのが普通とされている。
　しかし、あの人は公爵で私は男爵令嬢。身分差がありすぎる。
　反対する者も多かったはずなのに、なぜこの婚約が、正式に許可されたのか。
　そして、引っかかるのは、公爵家には何の利益があったのかということ。うちにしてみれば、公爵家という雲の上のお方と親戚になれるというだけでメリットがある。けれど、公爵家の方はどうだろう？こんな成金の娘を貰って、何の得があるというのか。

　お父様は政略結婚と言っていたけれど、もしかしたら、違うかもしれない。



　……もう少し、情報がほしい。