悪役令嬢の末路

ラプラス

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新たな日々【5】

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 「アイラちゃん?」

 気づくと、私は既に席に座っていて、お義母さまは向かいの席から心配そうに私の顔を覗き込んでいた。

 「お、お義母さまっ。すみません」
 「いいのよ。でも、本当に大丈夫?今日はいつもよりぼーっとしているようだけれど」
 「いいえ。大丈夫です。本当にすみません!!」
 「そう。でも無理しないでね。そういえばね、アイラちゃん。ここのジェラートとっても美味しいんですって。後から食べてみましょうね」
 「はい」

 アイラは、メニューを見ながら紅茶を啜る義母を見て、ふと思う。
 お義母さまは、とても優しい。
 どうして、こんな平民上がりの娘を気にかけてくださるのだろう。
 薄汚いとか、思わないのだろうか。

 そこで、懐かしいジニア嬢を思い出した。
 あの方は、私をとても毛嫌いしていたわ。あの方だけでなく、周りの方たちも。
 平民だったということもあるのだろうけど、一番は、社交界のほとんどの人々が私に抱いていた感情と同じ。形だけでも、私があの人の妻になったことが許せなかったのね。

 溜息が出そうになる。
 自分が思っている以上に、周りは複雑で、手に負えない。
 どうすれば、それを解消することができるんだろう…。
 

 「アイラちゃんは何にする?」

 お義母さまに聞かれ、咄嗟に開いていたページの日替わりパンケーキを選んだ。

 「まぁ。美味しそう!私のもあげるから、一口頂戴ね?」
 「はい!」

 お義母さまに呼ばれたとき、もうこんなことを考えるのはやめようと思った。
 今は、お義母さまとの時間をを大切にするべきだと、どうして気づかなかったのか。
 それに、ここに来るまでの過程も大切かもしれないけれど、私は今これからを生きていくんだ。
 前を向いていかないといけない。
 過去に囚われすぎてはダメなんだ。


 アイラは、義母とパンケーキをはんぶんこしながら思った。


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