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遠い昔に【メアリ視点】
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まだ日も登らない時間から、メアリ達メイドの仕事は始まる。まずは仕事を始めるための準備から始まり、朝礼、朝の清掃、それからそれぞれの持ち場に入る。
メアリは主人の部屋の前にいた。
「奥様。お目覚めでいらっしゃいますか?」
ノックをして、数分返事を待ってみたが返ってこない。
「失礼します」
できるだけ物音を立てないように部屋に入ると、メアリはまず窓に向かう。カーテンを開け、部屋に光を入れた後、ピッチャーの水を入れ替える。
そこで、主人であるアイラに向き直るが、目覚める兆しはない。けれど、その安らかな寝顔に癒されてしまうのは、主人バカのせいなのか…いや、きっと気のせいではないはずだ。
「ふふ。奥様は最近お忙しいから、もう少し時間が経ってからまたお部屋を訪ねましょう。それにしても、どうしてか奥様といると遠い昔にお会いしたような気がするわ。私がまだ5才6才のそこらへんの女の子と変わらないときに…」
けれど、そんなことはあり得ないと、頭をブンブン振ってから、思考を切り替えた。
「いけないいけない。仕事に集中しなきゃ。……それに、もし会っていたとしても、奥様はまだ生まれてさえもいない。きっと奥様に似た別の誰かね」
さ、奥様がお目覚めになるまでお掃除でもしていよう。
メアリは鼻歌を歌いながら部屋を出て行った。
けれど、退出の挨拶も忘れない。
「失礼します。奥様」
メアリは主人の部屋の前にいた。
「奥様。お目覚めでいらっしゃいますか?」
ノックをして、数分返事を待ってみたが返ってこない。
「失礼します」
できるだけ物音を立てないように部屋に入ると、メアリはまず窓に向かう。カーテンを開け、部屋に光を入れた後、ピッチャーの水を入れ替える。
そこで、主人であるアイラに向き直るが、目覚める兆しはない。けれど、その安らかな寝顔に癒されてしまうのは、主人バカのせいなのか…いや、きっと気のせいではないはずだ。
「ふふ。奥様は最近お忙しいから、もう少し時間が経ってからまたお部屋を訪ねましょう。それにしても、どうしてか奥様といると遠い昔にお会いしたような気がするわ。私がまだ5才6才のそこらへんの女の子と変わらないときに…」
けれど、そんなことはあり得ないと、頭をブンブン振ってから、思考を切り替えた。
「いけないいけない。仕事に集中しなきゃ。……それに、もし会っていたとしても、奥様はまだ生まれてさえもいない。きっと奥様に似た別の誰かね」
さ、奥様がお目覚めになるまでお掃除でもしていよう。
メアリは鼻歌を歌いながら部屋を出て行った。
けれど、退出の挨拶も忘れない。
「失礼します。奥様」
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