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「そして卒業式」
しおりを挟む朝。清々しいほどの好天。
早朝から叩き起こされた俺とヴィオレッタは侍女軍団に顔やら髪やら弄くり回され、慌ただしく馬車に押し込められた。アリストはさっさと逃げた。くぬう…!
つか俺たちが同衾してんのに顔色も変えない侍女軍団すげーよwwwしかも昨日より人数増えてるしwww
侍女軍団たちにアズが件の『守護龍様』なのもバレバレだったが、「レオンハルト殿下を含め、その周りが普通でないことはもう諦めましたわ」……だそうです。複雑…。
そして卒業式。
なんだか学園長が自分のことのようにドヤ顔しながら「今、この瞬間に、この地で卒業できることを誇ってください!」とか言うと、会場中がわっと沸いた。うん、すげえwww
ああ、腹減ったと溜息を吐くとアズから携帯食を渡される。これ行軍用のチョコレートバーじゃんもぐもぐもぐ。
もぐもぐしながらも今度はスーツに着替えさせられ、祭り会場の有料ゾーン入り口で待機。招待客及び王族貴族豪商の挨拶を順番に受けて行く。
アズ、ワンコ3人組とアイリ、リリィ、副長も背後で控えている。ちなみにヴィオレッタとアリストも一緒だ。
アリストは運営があるし、ヴィオレッタは妊娠中だからやめなさいって言ったんだけど、「「妻だから!」」とハモられて引き下がった。解せぬ。
っていうか、ヴィオレッタはともかくアリストが妻って言い張っても誰も不思議に思わないのは何故なんだって思ったら、俺が隣国に戦争行ってる間に婚姻届出されてたwwwしかも承認したのにーちゃんだった。
なんてこった。俺はあの時すでに外堀を埋められていたどころかコンクリで固められてたんだね!(((;゚;Д;゚;)))
「タケノコノサト商会ギーヴ・モルガンと申します。お見知り置きください」
恭しく首を垂れて挨拶を述べたのは、黒髪の商人。
顔を上げた青年はニヤリと笑った。
「よ。おひさ~(`・∀・´)」
「たかし先輩…!!」
うおおおおおおおお!!ナマたかし先輩!!おおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
手を握ると、困ったように笑われた。相変わらずだ。
「ごめんな~?かおるは腹ボテだから連れて来れんかったわ。代わりに義弟連れてきた。後からそっち行くからまたね?」
ペコリとたかし先輩の隣に居た赤髪の青年が頭を下げる。……ほう、コレが妹ちゃんの旦那かあ!
「ハイハイハイハイ!レオ、次!次ね!」
「…もう……!いつまで手を握ってますのっ!」
アリストとヴィオレッタが俺とたかし先輩の仲を引き裂く!なんて酷い!!
後ろではワンコたちが「え…あれ誰……?!」ってザワザワしてるし、リリィとアイリが「デュフフ…どっちが攻め?」「リバでもいけますわ!!」とか不穏なこと言ってるが無視。つかアイリとリリィ仲良いねwww
その後、各地を回ってるアリスト両親が「息子をよろしくお願いします」とか涙ながらに言いに来たり、ブランシェスカ女伯爵が「まあリリアナ、顔色が良くなったわね」と涙ぐんだり。
ふう、一段落したかな。
あ、でも………あの人が来てないわ。そうぼんやり思った時だった。
「かっずまっっくーーーん!!」
真っ赤な弾丸が胸の中に飛び込んできた。
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