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閑話
辺境伯子息は恋をする5
しおりを挟む【ローズマリー嬢を見守り隊】改め【生徒会(裏)】が結成された。
放課後に集まった生徒会(裏)メンバーは、麗しのローズマリー嬢の前で、ものの見事にテンパってた。
「あたしはユーキ!ユーキ・ハラでっす!よろしくマリたん!…ぁあ……!マリたんマリたん…!生マリたんだ!んほおおおおお!コレはしゅっごいのおおおおおお!こりゃあ腐ってるあたしでも愛せるぜ!!」
……ちょw
「僕はルーク・ミスド。よろしく。しかし…噂に違わぬ美しさだねえローズマリー嬢。カードゲームの一枚ごときでは表現不可能だねこれは」
おい!隠せとは言わねえけど やめろ…!
「オレはジャック・クリス。お目にかかり光栄です麗しのフロレスタ公爵令嬢さま。……ところで(イケボ)…パラメータ、見て良いですか?」
やめたげてよおおおおおおおお!
もう無理……つか、無駄。こいつらに空気読めってのは豚に空飛べって言ってるようなもんだ。……うん、そういうアニメもあった気がするけど。
調子に乗ってローズマリー嬢の手の甲にキスしてるジャックを蹴り飛ばす。
俺は諦める。そう、男は諦めが肝心だ。(キリッ)
「グ……グレン…さま……まさか………」
ローズマリー嬢がふるふると震えていた。……めっちゃ可愛い…っ!
「うん、みんな転生者!」
俺が笑うと、ローズマリー嬢はポカンと口を開けて間抜け面をした。
「うええええええええええええええええ!?」
美人台無しwww
うっわぁ…かっわええ!!ギャップ萌えってやつかコレ!?
どうしようこれ!すげえ可愛い!!鼻血出そう!
ドキドキする。
なんだろ…なんか俺、めっちゃ恥ずかしい!!変な顔してね、俺!?
遠くから眺めていた時は、やはりどこか他人事だった。
テレビの中のアイドルに夢中になるように。
自分たちの罪を少しでも忘れられる気がして。現実から逃げたくて馬鹿騒ぎした。
でも、こうして言葉を交わす距離のローズマリー嬢に、俺は言いようのない感情を覚える。
それが恋だとユーキからニヤニヤしながら言われたのは、生徒会の仕事を手伝い始めて数日しか経っていない頃だった。
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