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秘密基地は秘密でもなんでもないのです
しおりを挟む皇帝陛下と我が家へ里帰りされたお姉様。もっとゆっくりされるのかと思ったのですが、毎日毎晩おでかけです。夜会は皇帝陛下はと連れ立って行かれるのですが、お茶会はおひとりです。
「美しい!美しいぞ、ディアナ!私のディアナは男装をしていても美しい!いけない扉が開いてしまいそうだ!!」
いけない扉ってなんですの皇帝陛下?
本日のお姉様の装いは、真っ赤な戦時服です。裾が長くてヒラヒラとフレアになったお姉様専用の特別仕様。はう…!かっこいい!素敵ですお姉様!!
「アチソン女伯爵のリクエストなのよ。下位貴族にもクソ夫婦がクソでクソのヤリチンと、頭と股の緩い露出狂泥棒豆狸って広めてくるわ!」
お姉様のお言葉が乱れすぎて何を仰っているのかわかりません!
お茶会に行くお姉様をお見送りしたら、皇帝陛下は嬉々としてわたくしの私兵と遊んでいらっしゃいます。視察だ訓練だ、などと仰っていますが、昨日は庭師のトマスに秘密基地を教えてもらって遊んでいたのをわたくしは知っているのですよ?
「いいな…ひみつきち…」
思わず呟いてしまいました。公爵邸の庭に作られた秘密基地はいつもトマスが整備してくれています。秘密でもなんでもない秘密基地です。子供の頃、よく3人で遊びました。ポケットに紙で包んだお菓子を詰め込んで。好きな本とおもちゃ、ケイレブは刃を潰したナイフ。日が暮れるまで遊んで叱られました。
「………エマ、久しぶりに行こう、秘密基地」
「え…」
ケイレブが、あの頃みたいにわたくしの手を握ります。わたくしと殿下、2人の手を握って、ケイレブは公爵邸を駆け回っていました。そういえば、どうしてあの頃わたくしたち3人はここで遊んでいたのでしょう。ケイレブと殿下は何故、あんなに長い期間この邸に預けられていたのでしょうか。
「3人で拾った綺麗な石はまだ残ってるだろうか。たくさん集めた黄色や真っ赤な葉っぱは……もう無理か。あそこから眺める夕日はとても綺麗だったな…。エマ、行こう。ポケットに菓子を詰め込んで」
あの頃みたいに
「………うん、ケイ」
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