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ペンは剣よりも強し!……だそうです

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殿下のお相手の令嬢の罵詈雑言にケイレブがとても激昂してしまいました。前世で言うとガチギレです。

ケイレブは幼馴染を…殿下とわたくしをとても大切にしてくださっていますから、ケイレブの前で殿下とわたくしの悪口は厳禁ですのよ?ああ、でもわたくしが側妃になると決まってからは殿下の悪口は容認中ですわね。喧嘩中だからでしょうか。


「俺が何も知らないと思ってるのか、シャーロット・ポーター?」

「………っ…!?」

「セオドアの女狂いも酷かったが、お前の男漁りも有名だったな。セオドア以外の何人の男に股を開いた?何組の婚約をぶち壊した?そのくせ高位貴族には良いように弄ばれて、最終的に残ったのはお前を憐れんだセオドアだ」

「や…やめて……違う、違うわ、そんなの……」

「お前は何人の女生徒を冤罪で陥れて修道院に送った?実際にありもしない虐めに暴力、脅迫、殺人未遂。少し調べればわかる嘘を声高に喧伝して、さも弱々しい被害者のように振る舞って陥れて」

「違う!そんなことしてない!あれは、みんなが勝手に…」

「挙句にエマがお前を虐めた?はっ!エマはその頃セオドアの代わりに政務をこなし国中を飛び回って視察と交渉、空いた時間に王妃教育に必要のない高度な知識も詰め込まれていた。どこにそんな暇があると思っていたんだ?」

「違う!だって私はほんとに虐められてて!セディーと仲良くしてる私にエマが嫉妬してやったんだと思ってたの!ううん、やったんでしょ!ねえ!ねえ、そうでしょ!エマ!!」

「お前がエマを呼び捨てにするな!!」


あらまあ……なんというか…まあ……ウワア…って感じです。ええ…ちょ、えええ……どうしましょう。どうしましょう?どうしましょう!


「その辺の話を詳しく訊きたいですねえ?」


あら?あらあら?まあ?オブライエン様が茂みの中から出ていらっしゃいましたわ。いつからそこに?そして葉っぱまみれですわ。


「ああ、ポーター男爵令嬢、僕ァこういうものです」


オブライエン様が殿下のお相手の令嬢に名刺を差し出すと、ポロポロ泣いていたはずの令嬢は急に鬼のような形相に変わりました。えっ…


「あんたの書いた記事だったのねっ!!あんたのせいで!あんたのせいで私はっ!!」


バチーン!!と良い音……いえ、酷い音がしました。そのままオブライエン様は花壇に倒れ込んでしまいました。


「訂正しなさいよ!!嘘書いたってお詫び文をでっかく載せて!!慰謝料も寄越しなさいよ!!私、あんたとエマのせいで精神的苦痛を受けたわ!!じゃないと裁判よ!!王家が黙ってないんだから!あんたなんか死刑にしてやるわ!!」

「~~…っ、おぉ、こわ……。だが…良いネタを、あ…ありがとう……ははっ、裁判にして、困るのは…どち、どちら、かな…?ぼ、ぼ、ぼく、は…暴力には、屈しないっ!もちろん王家の権力にも、…だ……!ペンは剣より強い、ってのを……教えて差し上げるよクソビッチ!!」



どうしましょう。もう収集がつきません……。






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