側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。

とうや

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【エマの狗視点】

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「爺さん、アンタ?」


俺は苛苛しながら家宰をめつけた。セバスと呼ばれる老人は、ホッホッホと笑いながら丸眼鏡を指で押し上げた。


「さあ、なんのことだか?」


先程の侵入者騒ぎ。俺たちお嬢エマさまの狗は。そんなはずはない。常に神経を張り巡らせ、主人を守る。針が落ちた音さえも聞けと訓練された俺が気付けないはずはないんだ。


「恨むなら己の未熟さを恨め」

「……っ…」


糞!糞!糞が!

何故今日の守備兵と門番は新入りだった?何故他の狗たちは駆け付けなかった?何故予定より早く記者ブンヤが屋敷に着いた?何故騒ぎになってもこの爺さんは動かなかった?

何故、何故、何故!

気付きヒントは山ほどあった。それなのに何故俺たちは気付かなかった!?


「糞が…!」

「ほっほ…高々2~30年生きた若造が」








主人あるじがそう望んだのなら、狗は全力で事を成すだけよ。精々励むと良い」







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