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【シーグローブの狗視点】
しおりを挟むははっ、まるで出撃だ。
戦時服を着たシーグローブの狗たちが作る花道を、我らが姫が征く。儚げで美しい我らが姫君。だが中身はシーグローブの女。ああ、ゾクゾクするね。俺も主人様に拾われてなかったら下僕にしてくださいと懇願しただろう。
我が主人様は現在、ルネライトから3つほど国境を超えた民主国家に腰掛けている。その主人様が言った。
「うちの末のお姫様が国奪りするらしいけど、誰か映像記録装置持って見に行ってくれないかな?」
国奪り???
首を傾げたが、久々に姫さんに会えると手を上げてた。
「あはっ、楽しいねえ、楽しいねえ。これってなんて言うんだっけ?貸家栄えて母屋倒れる?はははっ…!馬鹿だろあいつら」
なるほど。なるほど。
姫さんは王子様の元に輿入れするらしい。
ジョセフ様が爵位と女で国に縛られたってのはシーグローブ一族では笑い話だったが、なるほど、そういう布石だったのか。
我らが姫君が征く。ゆっくりと、父親に手を引かれながら。
それは輿入れというよりは、国奪りだ。シーグローブでない者がシーグローブの女を娶るというのはそういうことだ。取り込もうとして逆に食われる。
国は栄えるだろう。文明は進むだろう。
そして古いものは淘汰されるだろう。
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裏設定
この『シーグローブの狗』の主人様はエマの父親の従兄弟です。ディアナに求婚して「ロリコンきもい」と振られ、エマを狙っていましたが撃沈。未だに独身38歳。超美形。転生者。
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