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元公爵令嬢と殲滅魔法

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電撃結婚までの間、神降ろしとか神降ろしとか神降ろしとかの特訓をしまくって、得たものは苦痛無効MAXと、アホみたいな膨大な魔力だった。

なんでも魔力切れを起こすと、次から少しだけキャパがアップするらしい。

苦痛無効MAXを獲得してからというもの、吐き気も頭痛もしないもんだから、 回復したらまたカラになるまで使って…を繰り返した。

結果、カムデンズ軍 魔法部隊の皆さまがキラキラした目を向けるような感じに成長してしまった。

曰く、「これなら帝国が攻めて来たってワンパン」らしい。

でも正直こんなに要らないよね!?絶対要らないよね!?

覚えたくもない広範囲殲滅魔法とか教えないで、ホントやめてってば!

「でもですねマリさま、これでグレンさまの死亡率がグッと下がるって言ったらどうします?」

「…………え?」

魔法部隊の隊長が分厚い魔道書を開きながら言う。まるで世間話のように。

「グレンさまは確かに最強クラスだと思います。ええ、多少というか多大に『ウチの子すごい!』のフィルターかかってますが、控えめに言っても人類最強だと思います」

えええええええ~…

「でも、グレンさまだって人間なんです。弱点を突かれたり卑怯な手を使われたり、数の暴力というパターンだってあるでしょう。ハイッ、想像してみましょうか!配下を人質に取られたグレンさまは一万の敵兵に囲まれて絶体絶命。本陣にいる我々では どうすることもできない!」

あわわわわわわわ…!

そんな!!

「そんなときにマリさまが精度の高い広範囲殲滅魔法が使える!グレンさまだけを避けて敵兵が殲滅できる!………さあ、どうします?」

「迷わず使う!」

にっこりと隊長は笑った。……あれ、なんだかとっても嬉しそう…。

「……ね?覚えましょうか、広範囲殲滅魔法」

「イヤアアアアアアアアアアアアアアアアア」

「大丈夫!優しくします!はじめてですもんね!早速ですが、現在 人間では使えない広範囲魔法があるんですよ!ごっそり魔力を持っていかれると思いますがマリさまならイケルイケル!」

この魔法オタクめ…!!私で実験するつもりだ!!

「慣れるまで制御は私がしますから!マリさまは ただ気持ちよーく ぶっ放せば良いんです!実は馬車で30分ほどの距離に御誂え向きの渓谷があるのでそこに行きましょう!ポチくーん、ポチくーん!配下の魔物の避難は終わってますかー!?」

GUAAAAROOOOOOOOOO!!(終わっておるぞー!)

計画的犯行!!

殲滅魔法ぶっ放す為に最大魔力増やしたんじゃない!!







画して、私は神降ろしを覚える前に広範囲殲滅魔法を覚えた…。











 ーーー 普通のお嫁さんになりたいです…。













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