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元公爵令嬢と結婚式前夜
しおりを挟む構想から製作まで1ヶ月という即席花嫁衣装は、結婚式前日に出来上がった。
めっちゃギリ。
終わるなりお針子さんは爆睡した…と、元王子アーサーさまが届けに来た。
アーサーさまもへろへろだ。元気にお仕事しているようで何より。生きろwww
出来上がったドレスは流石のジャストフィット!ただしコルセットでウエストをギュッと締め上げた体型に、だ。ヤバいこれ着たらご飯が食べれる気がしない!
レースをふんだんに使ったマーメイドラインで、所々にキラッとした小さなビジューがセンス良く散りばめられている。
私のなけなしの乙女心がきゅんきゅんするほどの完成度だ。
ちなみにドレスを新調したのは私だけ。カムデンズの正装は戦装束らしく、戦う女性のユーキもメイドさんも鎧を持っている。しかも動きやすいやつ。
なにそれ狡い。
……いいもん!私は戦わないんだもん!お嫁さんだし!
ーーー 広範囲殲滅魔法使えるけどね………。
そして てっきり教会で式をやるんだと思ってたら、野外のでっかい岩の前だった。
すごく厳重に祀られてるっぽいからパワースポットみたいな感じ?
でっかい広場にでっかい岩がポツンと。うん、シュール。
神降ろしは まだできない。というか99.9%諦めた。
神さまの名前もわからないんじゃ、たとえ聖女さまでも降ろせないらしいし。
チョロ兄が「もしかしたら『ほこらのかみさま』じゃねえかなあ…」とかブツブツ言ってたから聞いてみたら、前世のうちの庭には小さな祠があったらしい。そういや なんかあったな…。
チョロ兄とお父さんが掃除したりお供えしたり酒盛りしたりしてた、あの めっちゃ ちっさいやつ。
チョロ兄の加護の項目も塗りつぶされてるらしいから、きっとそれだ!
流石に異世界の扉は越えてこれなかったか。…ごめんよ『ほこらのかみさま』。
明日、式の時に、万が一でも『ほこらのかみさま』が降りて来てくれたら。そしたら、カムデンズでも祠を作らせてもらおう。
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