【竜と乙女1】竜と乙女と水溜まり

とうや

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最終話

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「私を、お連れください…!私はまだ、役に…お役に立ちます!ミ…ミシュリーヌをお望みなら、私が説得いたしましょう…彼女は私を、あ…あい、しています!わたしのはきくでしょう。私は貴女方、神の退屈をお慰めできます…!お傍に侍り、そして   」

「何故だ」

「……え………いえ、その…」

「何故連れて行って貰えると思ったのか。何故だ。元婚約者だから?ミシュリーヌの恋人だから?命令?お前は愛されていると思っているのか。なぁ。その頭には鳥の糞でも詰まっているのか?」

「………っ!ミ、ミシュリーヌ!来い!!お前が、お前が、いれば……っ」

「触るなぁ!!」

「ミシュリーヌ!!」


血塗れの手でミシュリーヌの腕を掴もうとする王太子。そしてそれを激しく拒絶しながら後退りするミシュリーヌ。


ああ、なんという喜劇…!


「楽しんでいるかい、私の乙女よ?」

『うわき!だめ!ぜったい!!』

「浮気ではないと言っているだろう?は君の抜け落ちた髪の毛。君以上でも同等でもない。だが私は君のものならば、抜け落ちた髪さえ愛おしいのだよ?」

『………んん!もう!!このタラシ!!』

「人間の寿命は短い。君がで、瞬きの間に老いて死ぬ。そして彼女は『愛し子』。残りの寿命は ── 」

『………んもー!わかったわよ!じゃああの子は私とシルの娘。それでいい?』

「ああ。ありがとう、乙女」

『………名前、呼んでよ…』

が終わってからだな。君の名を、欠片たりとあのごみに聞かせたくない」

『…んふ!わかったわ。あとで、ね?』

「ああ、後で」


何故だか乙女の機嫌が急上昇した。良いことだ。


ミシュリーヌの腕を掴む王太子の手を切り落とす。


「ひ…ぎゃ…!?あ、ぁ、あああ……アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


汚い声を上げる最後の王太子の体を蹴り転ばし、ミシュリーヌを抱き上げた。


「……!!??ぃ…いやっ!放して!放せ!放しなさいよ!!触るな!やめて!!放せエエエエエエエ!!」

「さて、行こうか。乙女の元へ。我が娘」


バサリと竜の翼をはためかせる。金切り声をあげて暴れるを、乙女の前に連れて行くまで、



水溜まりが壊れるまで。













あと、少し。


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みんなの感想(1件)

operahouse
2025.09.28 operahouse

 とうや様の作品にふさわしい開幕。全作品を読破しました。やっとの新作。楽しみにしてます

解除

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