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最終話
しおりを挟む「私を、お連れください…!私はまだ、役に…お役に立ちます!ミ…ミシュリーヌをお望みなら、私が説得いたしましょう…彼女は私を、あ…あい、しています!わたしの命令はきくでしょう。私は貴女方、神の退屈をお慰めできます…!お傍に侍り、そして 」
「何故だ」
「……え………いえ、その…」
「何故連れて行って貰えると思ったのか。何故だ。元婚約者だから?ミシュリーヌの恋人だから?命令?お前はまだ愛されていると思っているのか。お目出度いなぁ。その頭には鳥の糞でも詰まっているのか?」
「………っ!ミ、ミシュリーヌ!来い!!お前が、お前が、いれば……っ」
「触るなぁ!!」
「ミシュリーヌ!!」
血塗れの手でミシュリーヌの腕を掴もうとする王太子。そしてそれを激しく拒絶しながら後退りするミシュリーヌ。
ああ、なんという喜劇…!
「楽しんでいるかい、私の乙女よ?」
『うわき!だめ!ぜったい!!』
「浮気ではないと言っているだろう?あれは君の抜け落ちた髪の毛。君以上でも同等でもない。だが私は君のものならば、抜け落ちた髪さえ愛おしいのだよ?」
『………んん!もう!!このタラシ!!』
「人間の寿命は短い。君が愛で、瞬きの間に老いて死ぬ。そして彼女は『愛し子』。残りの寿命は ── 」
『………んもー!わかったわよ!じゃああの子は死ぬまで私とシルの娘。それでいい?』
「ああ。ありがとう、乙女」
『………名前、呼んでよ…』
「後始末が終わってからだな。君の名を、欠片たりとあの塵に聞かせたくない」
『…んふ!わかったわ。あとで、ね?』
「ああ、後で」
何故だか乙女の機嫌が急上昇した。良いことだ。
ミシュリーヌの腕を掴む王太子の手を切り落とす。
「ひ…ぎゃ…!?あ、ぁ、あああ……アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
汚い声を上げる最後の王太子の体を蹴り転ばし、ミシュリーヌを抱き上げた。
「……!!??ぃ…いやっ!放して!放せ!放しなさいよ!!触るな!やめて!!放せエエエエエエエ!!」
「さて、行こうか。乙女の元へ。我が娘」
バサリと竜の翼をはためかせる。金切り声をあげて暴れる我が子を、乙女の前に連れて行くまで、
水溜まりが壊れるまで。
あと、少し。
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