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ルーカス・フェリエーラと妹の復学
しおりを挟む空けて月曜日。ロゼマリアの復学初日になった。
事前に学園長には「私はこの件で、殺人と部位欠損以外の全ての裁量を陛下から任されている」と脅しておいた。馬鹿な真似はするな、だが馬鹿どもは泳がせろ、と。進退極まった学園長は壊れた玩具のように何度も頷いた。
馬車はシンプルな紋なしを用意してもらい、ロゼマリアの学科も淑女科から経営科に変更。経営科は選民志向の馬鹿が少なく、何のメリットもない虐めをやる時間があったら教師に突撃質問に行くという『勉強』をしに来ている生徒がほとんどだ。紳士科、淑女科とも棟が別で非常に環境が良い。経営科専用の食堂もあるが、料理長のハムレットが弁当を持たせてくれるらしい。そういえばハムレット、やけにロゼマリアと厨房で仲良さげだった。ハムレットは素朴で良い奴だ。だが……駄目だ!ロゼマリアはまだ嫁に出さない!!お兄ちゃんは許しません!!
そしてロゼマリア。復学が決まってから、張り切りまくったクリセルダと以下侍女たちが磨きに磨いて磨き上げた。浴槽のお湯と髪の毛のリンスに回復薬を混ぜるのがポイントらしい。大公邸に来たばかりの頃は痩せていて胸だけが大きくてアンバランスだったロゼマリア。今は柔らかい女性特有の丸みを帯びた体になっている。出るところは出て、ウエストはコルセットなしでもキュッとしまっている。そうか、ロゼマリアは天使だと思っていたが女神だったのか。
緩くウェーブを描く真っ赤な髪は、真っ白なレースのリボンを編み込んでハーフアップに。化粧は薄く、全体的にピンクを使って、いわゆる『愛されメイク』。シンプルな白いブラウスに真っ赤なレースアップのコルセットスカート。その上からスカートと同じ色の、後ろが長くフレアになっているフロックコート。足元は踵の高い黒革のレースアップロングブーツ。ロゼマリアのキリッとしたところとスタイルの良さが前面に出たチョイスだ。既製品を手直しした装いだから、早く注文したドレスや普段着が早く届くと良いなあ。
「綺麗だよロゼマリア。女神様も嫉妬しそうだ」
「まあ……ふふっ、ルーカスったら、お上手。でも…嬉しい…!」
差し出した手におずおずと白い手を重ねて、ロゼマリアが柔らかく笑う。
「さて、見せつけてあげようか。逃がした魚は大きかった、と」
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