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旅支度と崩壊の足音
しおりを挟むアキが無事に旦那を誑し込み、結婚しようという話になった。まあ結婚もなにも、俺たちが初めて見に行った時もデレッデレだったけどな!
さあ忙しくなってきた。
《星辰》の伴侶が全て決まったということは、終わりの日が決まったということだ。今まで大放出していた市場を縮小し、亜空に作った巨大倉庫にもモノというモノをしまっていく。亜空では時間がゆっくりと流れるから100年や200年で食料が腐ることはない。凛の領地であるヴァルハラを拠点にして旅をしようと決定し、凛の眷属たちも大忙しだ。各国の地下組織を抑えていた元レーヴァンシュタイン王国暗部も全て引き揚げだ。抑えがなくなったせいで世界中が混乱しようと知ったことか。
もうすぐ全て終わるんだから。
アヴァロンの異変を感じたのか。今までにない規模の『魔王討伐連合軍』が結成されたらしい。俺たちが総攻撃を仕掛けると思ったのか。まあ半分正解。半分は不正解。俺たちは世界を征服するんじゃない。棄てるんだ。
「ねえ椿?僕の張ってる結界、急に解除したら、多分ものすっごいことになっちゃうけど良いよね?家族でこの世界に未練のある子が居ないんだもん。問題ないよね?」
「ものすごい…って……」
「元気になりすぎてね?ちょっと暴走すると思う」
何が!?
凛の結界は俺たち二柱の《星辰》が垂れ流す膨大な魔力を堰き止める役割でもある。高濃度の魔力を一気に放出すれば、凛でもどうなるかわからないらしい。
「………あー、まあ、…いっか」
「いいよね?じゃ、いっくよー!」
ブツリ…と何かが切れた音がして、世界の崩壊が始まった。
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