【７人の魔王 終】白の恋と、黒の愛

新世界にて【聖龍視点】2

その日は突然やってきた。

バリバリともザザザともつかない酷い雑音と、耳をつん裂く破壊音。割れた空中にそれは現れた。


「……ああ、来たね。予想よりずっと早い。吾の子供たちはとても優秀だね」


宙に現れた巨大な天空城はそのまま直下に落下。ズズン…と腹にくる音を響かせながら着地した。

なんだあれ。

私は震えた。緑と氷に覆われた白亜の城は、禍々しさと清浄さが混じり合ったなんとも気持ち悪い気配を垂れ流している。やめてくれ。《聖龍》というものは七氏族で最も弱いんだ。精神メンタルなんかは《精霊族》と同じくらい弱いんだ。もうこの気配だけで気が遠くなりそう…。


ぞろり。


城から何かが出てくる。怖い怖い怖い。『吾』がなんとか ーーー してくれないだろうなあ。この男は私をなんとも思ってない。腹が一杯でちょっと機嫌がいいから気紛れを起こした。私を生き返らせたのもその程度で。……というか、何故この男が我ら《聖龍》しか知らぬ蘇生の術を会得しているのだ。喰った者の中に《原種》でも居たか？……ははっ、まさか、そんな…。

溢れ出した黒いモノを追い抜いて、薄桃色がものすごい速さでこちらにくる。………え？は？はあ？？？あれは、まさか………


「おとおさあああああああああんん！！！」

「ぅゴフッ！？」


抱き止めた。いや、突進された。内臓出るかと思った。愛しい白に、桃色が混じるこの髪は……


「我が子、か…？」

「おどうざん！！おどうざん！！ぅあっ、あっ、うわああああああああああ！！」







えっ。どういう状況？