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新世界にて【聖龍視点】3
しおりを挟む「おどおざん…っ!ぢばやがあ……ぢばやがあああああぅあっ、うあっ、えっ、ええ…うえええぇぇちはやああああああああうあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁああああああ」
………うん?これは再会を喜んでいるのか?異界の文化と言葉は難しいな。じばぎゃとは何だ?だが泣いている我が子かわい………
「お久しぶりです、慈雨」
ヒュッとおかしな感じで喉が鳴った。 ーーー 嫁、だった。その美貌と所作と微笑みで国家間の戦争を幾つも引き起こし、仕方なく引き取ったつもりが私まで骨抜きにされた『こきくれない』。明らかに異常なニンゲンの変異種。
「ねえ、慈雨?お願いがあるんです」
嫁がこう言ってくる時は碌なことじゃない。美しい宝石も衣装も、美物も宮殿も欲しがらなかった嫁だが、いざこざの前触れはいつだってこの嫁の「お願いがある」だった。
「………こ…こき、くれな…い……」
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