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新世界にて 6
しおりを挟む《世界》の崩壊は意図的に発生させられたものだった。頂点のいきもの同士を争わせ、文明も文化も壊し尽くして絶滅させ、生き残ったのは文明の再構築も世界の維持も出来ない種族。彼らは恐れ多くも《神》と名乗り、残った世界の残骸を切り取って、好き放題に作り散らかした。
崩壊の計画をしたのは《原種》と呼ばれる《太古》の者たち。《創造主》が直接創った三柱。
「その証拠に《原種》とお気に入りだけはこの跡地で楽しそうに暮らしていたからね」
いつのまに来たのか《吾》が真横に立っていた。《ふるきものども》ってどいつもこいつも心臓に悪すぎる。
「喰ったのか?」
爺さんの方は気配があった。だって未だに情夫に抱っこさせてるんだ。情夫のユウも《古代種》らしいが気配というか存在自体を消すようなことはしない。
「美味しく頂いたよ。吾は《原種》の子だから、一柱罠に嵌めて喰って仕舞えば残りの二柱など赤子の手を捻るようなものだよ」
凛に似た ーーー いや、凛が似ているのか。凛と同じような笑みを浮かべて『吾』が笑う。怖い。マジ怖い。穏やかな性格って聞いてたけど、実はこいつが一番とんでもないんじゃねえのか!?
爺さんと『吾』は「狡い儂にも喰わせろ」だの「ごめんね、もうない」とか和やかに薄寒い会話をしている。
「………ふふっ…もうないらしいですよ、慈雨」
深紅が笑う。
ああ、このピンク頭は……《聖龍》は
「あなたに「お前たちは失敗だった。余計なことはするな、出来れば妻子共々一族郎党死ね」と言ったご主人様はもうないんです。ねえ、どんな気持ちです?私や一族を見殺しにして、自分の子供まで見殺しにして。それでも守ろうとした忠義ってなんだったんでしょうねえ?」
「………っ…!!こきくれない!」
「あなた馬鹿じゃないですか」
真紅の冷たい声。
「私はね、慈雨。あなたの。貴方方《古代種》のそう言うとこが嫌いです。大嫌いですよ」
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