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【眷属(紅葉)視点】
しおりを挟む千早様たちが出かけて1刻もしないうちに『城下』の情報が入る。思った通り、不平不満と不安だらけだ。
『城下』は至高の御方々さまが千早様にバベルを与えた後で発生した街だ。『ラストダンジョン目前の街』などとも呼ばれているらしいが、あれは元々、千早様が『鬱陶しいから』という理由で壊滅させた亡国の民が住み着いたのが始まりだ。初めは千早様を崇めるだけの人間たちは、やがて何をどう勘違いしたのか千早様の庇護を求めた。女、宝石、伝説の魔獣や武器。多種多様な『貢物』をした人間たちは、自分たちが『認められた』のだと勘違いした。千早様が興味を示さず捨て置いたのを良いことに、年々図々しくなってくる。『城下』の動向を把握するために、数人の《眷属》たちに人間たちとの婚姻も認めた。役に立ってくれればよし、立たなければ……。眷属たちを篩にかける意味もある。大鬼たちは馬鹿揃いだが、婚姻を認めた大鬼は比較的頭の回る諜報だ。どこまでそれを理解しているかは疑問だが。
『村』の建設もそうだ。
あれらはユキ様の眷属のようなものだ。だから千早様は懐に入れた。バベル直下に『村』を建設させ、千早様の庇護下だと知らしめた。それに不満を持つ痴れ者どもが居るらしい。それさえも篩にかける行為だと気付きもせずに。
「……ユキ様を見せびらかすのはうまくいったようですね」
今頃は釣れているのだろう。ユキ様が来てから、千早様は運動不足だろうから丁度いい。宝物のお守り役も確保したし、全ては計画通りだ。
「最近は祭りもありませんでしたし、たまには眷属たちのガス抜きもしませんと…ね」
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