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王都編
あー、これ面倒くさいやつだぁ…
情緒をジェットコースターにして神(?)との交信を続ける王妃様と、天麩羅の追加を持ってきてくれた女性使用人に視線で助けを求める俺。女性使用人は悲しそうに目を伏せ、首を横に振った。……うん、無理らしい。
なんだかんだで最後の抹茶アイクリームと煎茶まで堪能し、御前を辞した。あー、早く酒が飲める歳にならないもんかね?昼間から蕎麦会席でヒノモトの倭酒とか最高なんだけどなァ!
厨房で何やら料理人たちと仲良く喋っていたティグレを回収。明日から屋敷に届ける食品の中に味噌や醤油、各種出汁も入れてくれる、と。今夜と明日の朝の食事はすでに城の厨房で作ってきたらしい。
「新しい食材…作り方を幾つか聞いてきたから、わからなかったら教えてね?」
素晴らしい!良いお嫁さんになれるぞティグレ!味噌汁飲みたい!!
テンション爆上げで馬車停めまで歩いていると騎士に呼び止められた。
「大変申し訳ない、リオ・プレンダーガスト殿。陛下のお召しだ」
…………………はぁ?
一気に下がるテンション。なんで?どうして?蕎麦定食で幸せホルモンがドバドバ出まくってるこの良い気分の時に帰りたいんだよ!荷解きまだなんだぜ!?明後日、披露目式でそのあとすぐプレンダーガストに帰るからほんとは荷物そのままでも良いんだけど!
ティグレがめちゃくちゃ渋った俺の手を引いて。騎士の案内で警備が分厚い場所に辿り着く。廊下から中庭で遊ぶ子供達が見える。ぼんやりとアレが王子様とその取り巻きたちなんだろうなあ…と思う。羨ましくなんかない。ないったら!チクショウ…ティグレのご飯食べてゆっくりしたい…。
部屋はどうやら国王陛下の執務室で、整然と片付けられた書類たちと、陛下と王兄がいた。明らかに機嫌の悪い陛下と、ニコニコというよりニヤニヤ顔のラド。ええ…どういう場面、これぇ?
陛下が軽く手を振ると、案内してくれた騎士の青年は一礼して御前を辞した。無情にも扉が背後で閉まる。
「………さて、リオ・プレンダーガスト。其方は何故ここに呼ばれたか理解をしているか?」
「………………」
ええ~…知らんがな。ラドが笑ってるからまたなんかしたのかもだけど、俺はなにも……
「其方、王妃と2人きりで食事をしたそうだな」
「……は?…あー、発言の、許可を賜りたく?」
「そういうのは要らぬ!まどろこしい!!ここには私と兄とお前しか居らぬ!答えよ!どうやって取り入った!?我が王妃に!!兄に!!」
あー……これ、面倒くさいやつだぁ…。
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