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「豪快すぎるでしょ!?」
しおりを挟む妹曰く『ろりこん殿下』が落ち着いたので、困ったように笑うアオイさんを交えてテーブルに着いた。……うん、着いたんだ。んでさあ、ニコニコ顔でティティスが運んできた飯が……
「さあ召し上がれ♡」
「…………………」
………うん、どこからどう見ても生魚のブツ切りだった…。取り損ねた鱗がキラキラしている。(現実逃避)
「……え…マジで…?」
流石の妹も絶句する。アオイさんの前には飲み物だけしか置かれてない。え?え???えええ~……。
「あっ!今日はパンもありますのよぉ?」
ドヤ顔して出してきたパンは、水でビチョビチョで所々カビのようなものが付いている。……うん、どう反応しよう。
『ろりこん』サイラス殿下は比較的カビてないパンをモソモソ食べているが、「おいしい!」といった顔じゃない。眉間に皺寄ってるし。
「ちょ……ティティス…これ………」
「あぁら、いけない!わたくしったらぁ…御方様から特別に、と頂いた『ショウユ』を忘れておりましたわぁ!」
「醤油とかって問題じゃないでしょ!!」
妹よ、ショウユとはなんだ。というか、目の前のこの2本の棒はなんだ。どう見てもスプーンじゃ無理だろう!?フォークとナイフはどこだ!?手掴み!?手掴みで食うのか、この国は!?
「まって、ねえ待って!刺身なの!?豪快すぎるでしょ!?」
「……うん、これが現実だよ、マイエンジェル…」
「むう……シャーロット、察するにこれは異世界の料理だな?兄にこの『サシミ』とやらの食べ方を教えてくれ」
「えええええ~……」
「……あの…今日は醤油があるからこう………ね?」
アオイさんが取り皿の上の魚をスプーンで削り取る。ちょっとどころじゃないグチャッとした生魚の上に『ショウユ』と呼ばれた黒い液体をタラリ。
……………えええええ~……???
「あ…輪切り刺し?それなら……えっと、ご飯ください…」
「ごめんね?ないんだ、お米」
「なんと!!??」
「火が使えないんだ、ここ…」
「マジで!?」
うん……よくわからん。わからんが………なんとなくサイラス殿下が痩せたのがわかった気がした。
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