【7人の魔王2】してもない婚約を破棄された聖女の兄なのだが、なんだかんだで魔王の嫁になっていた。

とうや

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「豪快すぎるでしょ!?」

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妹曰く『ろりこん殿下』が落ち着いたので、困ったように笑うアオイさんを交えてテーブルに着いた。……うん、着いたんだ。んでさあ、ニコニコ顔でティティスが運んできた飯が……


「さあ召し上がれ♡」

「…………………」


………うん、どこからどう見ても生魚のブツ切りだった…。取り損ねた鱗がキラキラしている。(現実逃避)


「……え…マジで…?」


流石の妹も絶句する。アオイさんの前には飲み物だけしか置かれてない。え?え???えええ~……。


「あっ!今日はパンもありますのよぉ?」


ドヤ顔して出してきたパンは、水でビチョビチョで所々カビのようなものが付いている。……うん、どう反応しよう。

『ろりこん』サイラス殿下は比較的カビてないパンをモソモソ食べているが、「おいしい!」といった顔じゃない。眉間に皺寄ってるし。


「ちょ……ティティス…これ………」

「あぁら、いけない!わたくしったらぁ…御方おんかた様から特別に、と頂いた『ショウユ』を忘れておりましたわぁ!」

「醤油とかって問題じゃないでしょ!!」


妹よ、ショウユとはなんだ。というか、目の前のこの2本の棒はなんだ。どう見てもスプーンじゃ無理だろう!?フォークとナイフはどこだ!?手掴み!?手掴みで食うのか、この国は!?


「まって、ねえ待って!刺身なの!?豪快すぎるでしょ!?」

「……うん、これが現実だよ、マイエンジェル…」

「むう……シャーロット、察するにこれは異世界の料理だな?兄にこの『サシミ』とやらの食べ方を教えてくれ」

「えええええ~……」

「……あの…今日は醤油があるからこう………ね?」


アオイさんが取り皿の上の魚をスプーンで削り取る。ちょっとどころじゃないグチャッとした生魚の上に『ショウユ』と呼ばれた黒い液体をタラリ。

……………えええええ~……???


「あ…輪切り刺し?それなら……えっと、ご飯ください…」

「ごめんね?ないんだ、お米」

「なんと!!??」

「火が使えないんだ、ここ…」

「マジで!?」


うん……よくわからん。わからんが………なんとなくサイラス殿下が痩せたのがわかった気がした。











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