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「初恋だったんだ」
しおりを挟むさあ、どうしようかなあ……って思う。
アオイさんだ。
あれだよ。俺は今まで結構な数で告白されてきたわけだ。
「付き合ってください」「恋人になってくれ」「好きです」「私のものになれ」。
そのどれも野郎だったから断ってきたわけだけど。
アオイさんはそんなこと言わない。
わかるよ?自分がどう好かれてるかってことくらい。手を繋いで。抱きしめられて。大好きだって、蕩けるように笑われて。自惚れじゃなくて、アレだってことくらいわかるよ。
アオイさんは魔王だ。
アオイさんは男だ。
でもさあ………初恋引き摺ってる俺にそれ言っても意味なくね!?
あの嵐の日。
儀式の日に。
死ぬかと思った。
実際死んだのかもしれない。
でも。
海水をしこたま飲んで咽せ込む俺を見ていたアオイさんに………
恋をした。
初恋だったんだ。
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