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【碧海視点】「怪物の呪いを解いてくれる人なんか、お伽話だったのに」
歌が聞こえる。人魚たちの歌だ。喜びの歌。
僕は、歌が歌えない。
あの男を慰めていた歌が、この世界に来て歌えなくなった。
「………リアムくん?」
昨晩あんなに愛し合ったリアムくんがいない。ベッドの中にはもう僕一人分の温もりしかなかった。
大量の冷水を頭からかけられた気がした。
昨日……僕はリアムくんを本当に愛した?自分勝手にリアムくんを抱いて、怖くなってちゃんとした夫婦みたいに精液を注ぐのが怖くなって……。
「リアムくん…!」
リアムくんがいなくなってしまった。
どうしよう。どうしよう!リアムくんに嫌われたのかもしれない。逃げられたのかもしれない。でももしかしたらお風呂にいるかも。お茶を淹れにキッチンにいるかも。
家中探した。
なのにリアムくんは居なかった。
リアムくん、リアムくん、リアムくん…!!
「リアムくん!!」
どうして僕は焦ってしまったんだろう。すべて手に入らなくて良かったのに。全部受け止めてくれる筈なんかなかったのに。涙が溢れる。
怪物の呪いを解いてくれる人なんか、お伽話だったのに ーーー 。
「呼びましたか碧海さん?」
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