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ブラッドサーペントの蒲焼き・硬
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「それでどうやって料理するの?」
「気になるな」
二人が後ろから僕を抱きしめ肩の両脇から顔を覗かせている。この距離感近い幼なじみJDっぽさたまりません。こんな同僚がほしかった。
そして背中にベステルタのばいんばいんとプテュエラのつんつんが当たって集中できません。
目の前の蛇肉に何故か親近感を覚えてしまう。
「と、とりあえず真ん中から割ってみるよ」
蒲焼きって方向性は考えたけど、やり方なんて想像だよ。
「心臓がばくばくしてるわね」
「何だか楽しいな」
僕越しにいたずらっ子みたいに笑う。時折猫みたいに僕の頬に頬を擦り付けたり、軽い口付けをしてくる。集中できません。
とにかく目の前の蛇肉に集中だ。
皮を剥がれた丸太みたいに太い肉。
解体作業は空いた時間にやっておいた。なかなか大変だったけど、体力が上がった僕にはそこまで大変な作業ではなかった。でも、やっぱり素人のやり方だから粗いね。どこかでちゃんと習えたらいいんだけど。
ちなみに血と骨も取ってある。骨髄と一緒に酒に入れて飲むといろいろ元気出るらしいからね。
「あっ、ごめん。細長い木の枝とかある?」
「うーん、無いわね。細長いのでいいなら、私の爪があるけど?」
「え、じゃあそれで」
ベステルタはごそごそとベッドの下から小振りなベステルタソードを取り出した。さながらベステルタニードルかな?
確かに串代わりにはできそうだ。バーベキューの鉄串に似ている。恐ろしく鋭利だけど……。
真ん中から開いて薄くなった蛇肉に均等に刺していく。肉質は結構硬いんだけどぷすぷすいくな。
これ、身が大きくてめちゃくちゃ重いから木串じゃ無理だったね。ベステルタニードルで正解だ。
「へー、面白いわね。この後どうするの?」
「本当に食えるのか?」
ベステルタは興味津々、プテュエラは懐疑的だ。この風鷲さんはどうせ即堕ち二コマで美味しい美味しいって言うから心配していない。
そのためにも美味しく作らなきゃな。
と言っても食材や道具が圧倒的に足りていないから調理法でどうにかするしかない。せめて鍋があればな……。
蛇肉って臭みがあるって聞くけど、どうなんだろ。レモン絞りたいところだな。手元にある臭み消しと言ったらニンニクだけど……。うーん、合うのか分からない。
あっ、そう言えば魔法の鞄に醤油あったよね? あれを使えばもっと蒲焼きっぽくなりそうだ。でも有限なんだよね……。この世界にも醤油あるのだろうか。流石に醤油の再現方法は分からないしな。
いいや、使っちゃえ! 幸せな繁殖生活のためだ!
「ケイ、その黒い水は何?」
「霊薬か?」
「醤油だよ」
霊薬なんて代物あるのかよ。気になるけど今は蒲焼きを作るところからだ。
「これは僕の国の調味料です。あんまり無いけど、蛇肉に合いそうなものが今のところこれしか無いんだよね」
「あら……そんな貴重なもの無理しなくてもいいのよ?」
「いいのか?」
「いいのです」
全部使う訳じゃないしね。たまには僕も醤油の味を思い出したくなるし。
四苦八苦しながらもベステルタニードルを巨大なブラッドサーペント肉に通し、蒲焼きっぽい形にした。次は蒲焼き台みたいなの組まなきゃな。
「なんだか面白いことするのね」
「これで美味しくなるのか?」
二人がぐいぐい押し付けてくる。ぷにぷにと、くっ、あかん、支障が出る。ダイオークとマスキュラスの顔を思い出せ。おげえ。
即席の焼き台を組んで、拾ってきた薪に火を点ける。網が欲しい。街に行ったら調理器具買わないとな。ちなみに換気はプテュエラに頼んでいるので問題無しだ。風魔法って便利だよね。
台にブラサ肉(めんどくさいから略した)を置き、適度に火から遠ざけて焦げないようにする。
じゅっ、じゅっ、と肉汁が火に垂れる音。
しゅうしゅうと垂れた肉汁が煙になって僕たちの鼻腔に立ち込める。
「「「ごくり」」」
三人とも思わず喉を鳴らしてしまった。めっちゃいい匂いだ。完全に誤算だったけど、うなぎのような薫りがする。うなぎに鳥を合わせたような感じ。そういえば蛇って海鮮系の香りがするとも聞いたことがある。もしかしたらそれかな?
こ、これは醤油垂らしたら革命が起きてしまうんじゃないかな。
身から肉汁が染み出す。薪に落ちて香ばしい煙が立ち上る。
じゅっじゅっ。
ぽたっ。
しゅう、しゅう。じゅわぁ。
……無性にうちわでパタパタやりたい。
「ま、まだなのケイ?」
「何でこんなに待つんだ」
プテュエラがクレーマーになりかけている。あっ、首を甘噛みしないで。睨みながらはむられると目覚めそうです。
こうなったら二人を黙らすために醤油様にご活躍して頂く他ないな。
くらえっ!
しゅっ!
じゅわわわーっ!
「ケイ、肉を台から外しなさい。この匂いはだめ」
「ああああああああああ」
ベステルタが真顔でよだれを垂らしている。舐めたい。プテュエラが悶え始めた。舐めたい。
でも責められない。この薫りは暴力だ。ブラサーと醤油の奇跡の出会い。まさにブラザーだ。
実際火の通りはどうだろうか……あっ良さそうだな。浄化はしてるけど流石に生は怖いからね。
「もう少し待ってね。この醤油の煙を肉につけたいんだ。薫りが良くなるんだよ」
実際、炭火焼きは垂れた肉汁で肉がスモークされるから美味しいって言われてるしね。
「わたしはもう少し我慢できるけど、はむ、プテュエラがもう限界よ。早くしなさい、あむ」
「ぐわあああーっ!」
はむはむはむはむ、と血走った目で僕の首を噛んでくるプテュエラ。ベステルタも冷静に甘噛みしてくる。これは今夜は荒れそうだな。
一分ほどスモークしている間、僕はスイートはむはむされ続けた。と、蕩ける。
「うう……できたよ」
僕の首や肩には歯形とキスマークがたっぷり刻まれて赤くなっている。傷物だよ。
「待ちくたびれたわ」
「シャッ!」
そんなこと関係無しに二人は臨戦態勢だ。
「じゃあどうぞ。ブラッドサーペントの蒲焼きだよ」
二人は猛然とした勢いでかじり付いた。
何だかんだで僕もお腹空いてきたので、一回り小さく作ったのにかじり付く。とてもいい香りだ。期待できるよ。
ゴリッ!
「かった!」
何これめちゃくちゃ硬い。歯が折れるかと思った。えっ、骨は取り除いたのになんで? 単純に身の硬さってこと?
蛇肉は硬いって聞いていたけどこれは想像以上だな……。軟骨のコリコリ感を超グレードアップした感じだ。つまりゴリゴリってことだけど。
ガリッ! ゴリッ!
食べ物を食べている音じゃないな。何とか咀嚼すると、じわっと美味しい汁が染み出してくる。これは美味しい。ただ、味自体はとっても良いんだけど、そこにいくまでの労力が半端ないよ。
うーん、僕はこれ苦手だな。人には厳しいと思う。
「ふー、歯ごたえが堪らないわ。味もこのショーユ? の香ばしさが最高ね。毎日でも食べたいわ」
「ふーっ」
二人ともかなり気に入ったようだ。でもなんだか様子がおかしい。ベステルタはほんのり上気しているし、プテュエラにいたっては食べる度に悶えている。なんだこれ。
「ふ、二人ともどうしたの?」
「ケイ、これ噛む度に何だか気持ち良くなっていくのだけれど」
「噛むと頭がビリビリくる! なんだこれ!」
も、もしかして動物の本能呼び覚ませちゃったのかな。確か種類にもよるけど、動物って噛むことに快刺激を感じることがあるんだよね?
「そ、そっか。ゆっくり食べてね。ゆっくりでいいから」
「ケイ、何で食べてないの?」
ヤバい気付かれた。
「ちょっと僕には硬すぎたみたいなんだ。一緒に食べられなくてごめんね」
「ふぅん、なら柔らかければいいのね?」
ズギュゥーン!
フェイス・トゥ・フェイス
な、流し込まれた。これは目覚める。目覚めてしまう。
「ケイも食え」
ズギュゥーン! ズギュゥーン!
マウス・トゥ・マウス。
プテュエラにも流し込まれた。すみません、完全に目覚めました。強制起動させられました。
ぴちゃぴちゃ。くちゅくちゅ。
唾液でふやかされ、彼女たちの匂いでぐちゃぐちゃになった肉が流し込まれる。
僕と彼女たちにぬらぬらとした糸の橋がかかる。
「ふふ、これで皆同じね」
「ああ。よし、やるぞ」
やだ、男前。
そのまま夜更けまで繁った。蛇みたいにまとわりついて、身体を密着させて。
マウス・トゥ・マウスが多かった。やばいよこれ。頭も撫でられながらだし、本格的に幼児退行しそう。
「気になるな」
二人が後ろから僕を抱きしめ肩の両脇から顔を覗かせている。この距離感近い幼なじみJDっぽさたまりません。こんな同僚がほしかった。
そして背中にベステルタのばいんばいんとプテュエラのつんつんが当たって集中できません。
目の前の蛇肉に何故か親近感を覚えてしまう。
「と、とりあえず真ん中から割ってみるよ」
蒲焼きって方向性は考えたけど、やり方なんて想像だよ。
「心臓がばくばくしてるわね」
「何だか楽しいな」
僕越しにいたずらっ子みたいに笑う。時折猫みたいに僕の頬に頬を擦り付けたり、軽い口付けをしてくる。集中できません。
とにかく目の前の蛇肉に集中だ。
皮を剥がれた丸太みたいに太い肉。
解体作業は空いた時間にやっておいた。なかなか大変だったけど、体力が上がった僕にはそこまで大変な作業ではなかった。でも、やっぱり素人のやり方だから粗いね。どこかでちゃんと習えたらいいんだけど。
ちなみに血と骨も取ってある。骨髄と一緒に酒に入れて飲むといろいろ元気出るらしいからね。
「あっ、ごめん。細長い木の枝とかある?」
「うーん、無いわね。細長いのでいいなら、私の爪があるけど?」
「え、じゃあそれで」
ベステルタはごそごそとベッドの下から小振りなベステルタソードを取り出した。さながらベステルタニードルかな?
確かに串代わりにはできそうだ。バーベキューの鉄串に似ている。恐ろしく鋭利だけど……。
真ん中から開いて薄くなった蛇肉に均等に刺していく。肉質は結構硬いんだけどぷすぷすいくな。
これ、身が大きくてめちゃくちゃ重いから木串じゃ無理だったね。ベステルタニードルで正解だ。
「へー、面白いわね。この後どうするの?」
「本当に食えるのか?」
ベステルタは興味津々、プテュエラは懐疑的だ。この風鷲さんはどうせ即堕ち二コマで美味しい美味しいって言うから心配していない。
そのためにも美味しく作らなきゃな。
と言っても食材や道具が圧倒的に足りていないから調理法でどうにかするしかない。せめて鍋があればな……。
蛇肉って臭みがあるって聞くけど、どうなんだろ。レモン絞りたいところだな。手元にある臭み消しと言ったらニンニクだけど……。うーん、合うのか分からない。
あっ、そう言えば魔法の鞄に醤油あったよね? あれを使えばもっと蒲焼きっぽくなりそうだ。でも有限なんだよね……。この世界にも醤油あるのだろうか。流石に醤油の再現方法は分からないしな。
いいや、使っちゃえ! 幸せな繁殖生活のためだ!
「ケイ、その黒い水は何?」
「霊薬か?」
「醤油だよ」
霊薬なんて代物あるのかよ。気になるけど今は蒲焼きを作るところからだ。
「これは僕の国の調味料です。あんまり無いけど、蛇肉に合いそうなものが今のところこれしか無いんだよね」
「あら……そんな貴重なもの無理しなくてもいいのよ?」
「いいのか?」
「いいのです」
全部使う訳じゃないしね。たまには僕も醤油の味を思い出したくなるし。
四苦八苦しながらもベステルタニードルを巨大なブラッドサーペント肉に通し、蒲焼きっぽい形にした。次は蒲焼き台みたいなの組まなきゃな。
「なんだか面白いことするのね」
「これで美味しくなるのか?」
二人がぐいぐい押し付けてくる。ぷにぷにと、くっ、あかん、支障が出る。ダイオークとマスキュラスの顔を思い出せ。おげえ。
即席の焼き台を組んで、拾ってきた薪に火を点ける。網が欲しい。街に行ったら調理器具買わないとな。ちなみに換気はプテュエラに頼んでいるので問題無しだ。風魔法って便利だよね。
台にブラサ肉(めんどくさいから略した)を置き、適度に火から遠ざけて焦げないようにする。
じゅっ、じゅっ、と肉汁が火に垂れる音。
しゅうしゅうと垂れた肉汁が煙になって僕たちの鼻腔に立ち込める。
「「「ごくり」」」
三人とも思わず喉を鳴らしてしまった。めっちゃいい匂いだ。完全に誤算だったけど、うなぎのような薫りがする。うなぎに鳥を合わせたような感じ。そういえば蛇って海鮮系の香りがするとも聞いたことがある。もしかしたらそれかな?
こ、これは醤油垂らしたら革命が起きてしまうんじゃないかな。
身から肉汁が染み出す。薪に落ちて香ばしい煙が立ち上る。
じゅっじゅっ。
ぽたっ。
しゅう、しゅう。じゅわぁ。
……無性にうちわでパタパタやりたい。
「ま、まだなのケイ?」
「何でこんなに待つんだ」
プテュエラがクレーマーになりかけている。あっ、首を甘噛みしないで。睨みながらはむられると目覚めそうです。
こうなったら二人を黙らすために醤油様にご活躍して頂く他ないな。
くらえっ!
しゅっ!
じゅわわわーっ!
「ケイ、肉を台から外しなさい。この匂いはだめ」
「ああああああああああ」
ベステルタが真顔でよだれを垂らしている。舐めたい。プテュエラが悶え始めた。舐めたい。
でも責められない。この薫りは暴力だ。ブラサーと醤油の奇跡の出会い。まさにブラザーだ。
実際火の通りはどうだろうか……あっ良さそうだな。浄化はしてるけど流石に生は怖いからね。
「もう少し待ってね。この醤油の煙を肉につけたいんだ。薫りが良くなるんだよ」
実際、炭火焼きは垂れた肉汁で肉がスモークされるから美味しいって言われてるしね。
「わたしはもう少し我慢できるけど、はむ、プテュエラがもう限界よ。早くしなさい、あむ」
「ぐわあああーっ!」
はむはむはむはむ、と血走った目で僕の首を噛んでくるプテュエラ。ベステルタも冷静に甘噛みしてくる。これは今夜は荒れそうだな。
一分ほどスモークしている間、僕はスイートはむはむされ続けた。と、蕩ける。
「うう……できたよ」
僕の首や肩には歯形とキスマークがたっぷり刻まれて赤くなっている。傷物だよ。
「待ちくたびれたわ」
「シャッ!」
そんなこと関係無しに二人は臨戦態勢だ。
「じゃあどうぞ。ブラッドサーペントの蒲焼きだよ」
二人は猛然とした勢いでかじり付いた。
何だかんだで僕もお腹空いてきたので、一回り小さく作ったのにかじり付く。とてもいい香りだ。期待できるよ。
ゴリッ!
「かった!」
何これめちゃくちゃ硬い。歯が折れるかと思った。えっ、骨は取り除いたのになんで? 単純に身の硬さってこと?
蛇肉は硬いって聞いていたけどこれは想像以上だな……。軟骨のコリコリ感を超グレードアップした感じだ。つまりゴリゴリってことだけど。
ガリッ! ゴリッ!
食べ物を食べている音じゃないな。何とか咀嚼すると、じわっと美味しい汁が染み出してくる。これは美味しい。ただ、味自体はとっても良いんだけど、そこにいくまでの労力が半端ないよ。
うーん、僕はこれ苦手だな。人には厳しいと思う。
「ふー、歯ごたえが堪らないわ。味もこのショーユ? の香ばしさが最高ね。毎日でも食べたいわ」
「ふーっ」
二人ともかなり気に入ったようだ。でもなんだか様子がおかしい。ベステルタはほんのり上気しているし、プテュエラにいたっては食べる度に悶えている。なんだこれ。
「ふ、二人ともどうしたの?」
「ケイ、これ噛む度に何だか気持ち良くなっていくのだけれど」
「噛むと頭がビリビリくる! なんだこれ!」
も、もしかして動物の本能呼び覚ませちゃったのかな。確か種類にもよるけど、動物って噛むことに快刺激を感じることがあるんだよね?
「そ、そっか。ゆっくり食べてね。ゆっくりでいいから」
「ケイ、何で食べてないの?」
ヤバい気付かれた。
「ちょっと僕には硬すぎたみたいなんだ。一緒に食べられなくてごめんね」
「ふぅん、なら柔らかければいいのね?」
ズギュゥーン!
フェイス・トゥ・フェイス
な、流し込まれた。これは目覚める。目覚めてしまう。
「ケイも食え」
ズギュゥーン! ズギュゥーン!
マウス・トゥ・マウス。
プテュエラにも流し込まれた。すみません、完全に目覚めました。強制起動させられました。
ぴちゃぴちゃ。くちゅくちゅ。
唾液でふやかされ、彼女たちの匂いでぐちゃぐちゃになった肉が流し込まれる。
僕と彼女たちにぬらぬらとした糸の橋がかかる。
「ふふ、これで皆同じね」
「ああ。よし、やるぞ」
やだ、男前。
そのまま夜更けまで繁った。蛇みたいにまとわりついて、身体を密着させて。
マウス・トゥ・マウスが多かった。やばいよこれ。頭も撫でられながらだし、本格的に幼児退行しそう。
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