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幼女+紳士さん
22話 〜命の重さと責任の重さ〜②
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「ぅぅぁぁあああ~! ぼへっ!?」「わわっ!」
誤って緊急離脱装置を押してしまったゼティフォールは、ラビジェットから発射され、あわや地面に激突かと思いきや、何やらゴワゴワとした場所に着陸していた。
「……ここは?」
「あ、しんしさん! ここはね、ヤマクズシー!」『ぶっふぉ!』
そう、飛ばされたゼティフォールは、運よくステラの乗っているヤマクズシの上に着地していたのだ。
「おおー! なかなかのファインプレイですね」
ゼティフォールが大丈夫そうなのを確認して、指導員さんは魔法陣を収束させた。
「ふむ……。先程までの体験に比べれば、このヤマクズシの乗り心地はなかなかであるな」
ゼティフォールはヤマクズシの背で揺られながら言う。確かに振動は来るものの、巨体故の安定感があった。騎乗装備で固定していなくとも振り落とされる事がないのだ。
「そうなの?」
「ああ。咥えられたり、吹っ飛ばされるよりはな」
しかし、ステラの操縦があってこそのこの乗り心地だというのは、ゼティフォールは知らなかった。
「そか! ヤマクズシ飼ってもいい?」
余程気に入ったのか、ステラはゼティフォールに嬉しそうに訊いた。
「……ダメだ。お金がない」
世話はどうするのかや、これ程大きなモンスターをどう連れて行くのか、エサは何をやればいいか、どれ程のお金で買えるのか、そもそも飼っていいモノなのか等色々疑問はあったが、何よりお金が無かった。トニーから預かった財布の中身はもう空で、勝手に魔王国の国庫を開くわけにもいくまい。
「けち……!」
ステラはふてくされてしまった。
「ケチではない、貧乏なのだ!」
ゼティフォールはその言葉に、強めのツッコミをいれてしまう。
ゼティフォールは元々羽振りの良い方で、自分でもその自覚があったので、ケチといわれて傷ついてしまったのだ。
「うふふっ。そか、ごめんなさーい」
ツッコミが面白かったらしく、ステラは機嫌を直して笑った。
「そろそろ時間ですので、戻って来てくださ~い!」
指導員さんがふたりを呼ぶ。流石プロ、この短い時間でラビジェットを確保し、背中に取り付けられていた騎乗装備をはずしている。
「はーい!」「はーい」『ブフー!』
ふたりと一頭は同時に返事をして戻って行った。
モンスター達と別れ、ゼティフォール達は指導員さんと共に受付前まで戻ってきていた。
「お疲れさまでした。そんなに長い時間ではありませんでしたけど、どうでしたか、楽しめましたか?」
指導員さんがゼティフォールとステラに言う。
「初めは3700ディアは多いのではないかと思ったが、何、これ程濃厚な体験ができるというならむしろ安いくらいであるな」
ゼティフォールはあんな目に遭いつつも、実際は楽しんでいたようだ。
「おねえさん、あのヤマクズシーは、なんディアするの?」
ステラは指導員のお姉さんにヤマクズシの値段を訊いた。諦めきれないようだ。
「ステラちゃんは、そんなにヤマクズシ気に入ったの? ずっと乗ってたもんね」
指導員さんはしゃがんでステラの目線に合わせる。
「うん」
「あのヤマクズシはね、売りモノじゃないから飼えないの。でも、別の子なら飼えるけど、それでもいい?」
「そっか、う~ん……」
ステラは悩んでしまう。
「すまない指導員さん。ヤマクズシの相場はどれくらいか訊いても良いだろうか?」
今は買えないが、一応とゼティフォールが訊く。
「そうですね……。乗りに適した品種ですと、少なくとも赤ちゃんが一千万ディア、少し大きくなっていたら七百万ディア、大人でも五百万ディアしますね。うちの子でだいたい千二百万しましたし、それくらいはしますね。あと、病気にならないようにワクチンを打たないといけませんし、大型のモンスターですから飼育許可を国から貰わないといけません。騎乗装備もあった方が良いですし、その辺の草や果物を上げても良いですけど栄養が偏っちゃいますから、最低限栄養補給するためのエサ代もいります」
「なかなか手が出せるモノではないな。ついでだが、騎乗用でなければどうなのだ?」
「騎乗用でなければですか……。ああ、前にブリーダーさんから聞いた話なんで、相場か判りませんけど、赤ちゃんは八百万ディア、大きめで五百万ディアと少しお安くなるんですけど、大人は危険が多くて基本的に売っていないんだとか。でも、許可を得ていて信用のあるヒトになら、タダ同然で譲ったりしているみたいですね。何匹も~って訳にもいきませんし、騎乗装備や興奮状態になった時の鎮静剤や手入れの道具の代金は貰うそうですけど、飼いやすいのはこの辺りでしょうか?」
「ふむ。何にせよ、今は飼えないようだ」
国に許可を得るにしても、現在身分証明書も無いゼティフォールにとっては不可能な事だった。
「最後になりますが、本気で飼われるのであれば、最期までちゃんと面倒をみてあげてくださいね。こんなつもりじゃなかったとか、思ったより大きくなった、可愛くない、懐かないとかでモンスターや動物を自然に放せば、そこにいたモンスター、動物、植物だけでなくヒトにも迷惑がかかりますからね!」
「はい、わかりました!」
ステラは今まで見たこともない真剣な面持ちで返事をした。どうやら、半端な気持ちで飼いたいわけではないらしい。
「お、良い返事ですね!」
指導員さんは笑顔でステラの頭を撫でた。
「すまない、指導員さん。関係ないのだが、聞いても良いだろうか?」
「何のことですか?」
「この、霧装の指輪で連絡できると言われたはいいが、使い方が判らなくてな……」
ゼティフォールは少し申し訳ない気持ちで指導員さんに訊いた。
「ああ、全然。それくらい何てことないですよ。ええっとですね、その灰色の石を三度、回すようにこすれば、連絡先の一覧がでてきます」
ゼティフォールは言われた通りにする。
「ほう! 空に文字が浮かび上がったぞ。しかし、これ程大きく表示されてしまったら、内密に連絡できないのではないか?」
ゼティフォールの前には、“連絡先”の欄に大きく“トニー”と書かれた映像が現れている。どうやら現在電話をかけられるのはトニーだけのようだ。
「いえ、今の状態では指輪を持っているヒトしか見る事ができません。もし見せたい場合は、左下に“公開設定”の所をタッチして頂いたらできるはずですよ」
「ほう。ほう、ほう!」
ゼティフォールは何度も公開と非公開を切り替えている。
「でたよ! きえた! またでた! きえちゃった! あ、でた!」
切り替えるたびにステラが出たか消えたかゼティフォールに報告する。
「ふむ。私だけに見えている時は白色、他のヒトにも見えている時は赤色で書かれているという事か。間違え無さそうでよかった」
「おもしろいねぇ」
「な、便利なモノよな」
ステラとゼティフォールは霧装の指輪のハイテクさに感心した。
「大丈夫そうですか?」
指導員さんが訊いた。
「ああ、ありがとうございました。これでようやく連絡できそうだ」
ゼティフォールは指導員さんに礼を述べた。
「それは良かった」
「では、私達は行く。今日はどうもありがとう。なかなか楽しめた」
「うん。おもしろかった! おねえさん、ばいばい!」
「はい。宜しかったらまた来てくださいね! あと、騎乗体験は16時で終わりですけど、基本的に20時くらいまでなら誰かしら牧場にいますので、何か聞きたいことがあれば聞いて下さいね。あ、一応これどうぞ」
指導員さんはゼティフォールに紙と何かが入った袋を渡した。
「これは?」
「その紙はパルトか、その霧装の指輪にスキャンすればここの連絡先を登録できます」
「スキャン……。ああ、連絡先を呼び出した時、右上にスキャンという項目があったな」
「はい。それで、その袋の中はここのウシ型モンスターから採れた牛乳で作った、ミルクジャムです。おいしいですよ!」
「む、いいのか!」「みるくじゃむ!?」
ゼティフォール少し嬉しそうに言った。
「はい。そのままでも、トーストに塗っても、アイスと合わせても良いですし、本当に美味しいのでぜひ食べてみてください」
「ふむ、さっそく明日の朝にでも試してみるか。では」
「こんどこそ、ばいばい!」
「では、ありがとうございました。……ばいばい!」
指導員さんは手を振ってふたりを見送った。
牧場を出たふたり。
「えと。たかだい、いくの?」
「ああ、いや。先にトニーの所に連絡して一旦帰ることにする」
「なんで?」
「私は夕焼けも夜空も、昼や朝の町の景色も気になるが、ステラは星が見たいのであろう? では、先にあまり興味のない景色を見て半端な感動をするより、一番いい状態を皆で見たいではないか。故に、今夜空に雲がかからなかったらその時に高台に行こう」
「わかった。おほしさま、みえるといいね!」
「ああ、楽しみだ」
ゼティフォールとステラは今夜に想いを馳せて、楽しそうに笑った。
誤って緊急離脱装置を押してしまったゼティフォールは、ラビジェットから発射され、あわや地面に激突かと思いきや、何やらゴワゴワとした場所に着陸していた。
「……ここは?」
「あ、しんしさん! ここはね、ヤマクズシー!」『ぶっふぉ!』
そう、飛ばされたゼティフォールは、運よくステラの乗っているヤマクズシの上に着地していたのだ。
「おおー! なかなかのファインプレイですね」
ゼティフォールが大丈夫そうなのを確認して、指導員さんは魔法陣を収束させた。
「ふむ……。先程までの体験に比べれば、このヤマクズシの乗り心地はなかなかであるな」
ゼティフォールはヤマクズシの背で揺られながら言う。確かに振動は来るものの、巨体故の安定感があった。騎乗装備で固定していなくとも振り落とされる事がないのだ。
「そうなの?」
「ああ。咥えられたり、吹っ飛ばされるよりはな」
しかし、ステラの操縦があってこそのこの乗り心地だというのは、ゼティフォールは知らなかった。
「そか! ヤマクズシ飼ってもいい?」
余程気に入ったのか、ステラはゼティフォールに嬉しそうに訊いた。
「……ダメだ。お金がない」
世話はどうするのかや、これ程大きなモンスターをどう連れて行くのか、エサは何をやればいいか、どれ程のお金で買えるのか、そもそも飼っていいモノなのか等色々疑問はあったが、何よりお金が無かった。トニーから預かった財布の中身はもう空で、勝手に魔王国の国庫を開くわけにもいくまい。
「けち……!」
ステラはふてくされてしまった。
「ケチではない、貧乏なのだ!」
ゼティフォールはその言葉に、強めのツッコミをいれてしまう。
ゼティフォールは元々羽振りの良い方で、自分でもその自覚があったので、ケチといわれて傷ついてしまったのだ。
「うふふっ。そか、ごめんなさーい」
ツッコミが面白かったらしく、ステラは機嫌を直して笑った。
「そろそろ時間ですので、戻って来てくださ~い!」
指導員さんがふたりを呼ぶ。流石プロ、この短い時間でラビジェットを確保し、背中に取り付けられていた騎乗装備をはずしている。
「はーい!」「はーい」『ブフー!』
ふたりと一頭は同時に返事をして戻って行った。
モンスター達と別れ、ゼティフォール達は指導員さんと共に受付前まで戻ってきていた。
「お疲れさまでした。そんなに長い時間ではありませんでしたけど、どうでしたか、楽しめましたか?」
指導員さんがゼティフォールとステラに言う。
「初めは3700ディアは多いのではないかと思ったが、何、これ程濃厚な体験ができるというならむしろ安いくらいであるな」
ゼティフォールはあんな目に遭いつつも、実際は楽しんでいたようだ。
「おねえさん、あのヤマクズシーは、なんディアするの?」
ステラは指導員のお姉さんにヤマクズシの値段を訊いた。諦めきれないようだ。
「ステラちゃんは、そんなにヤマクズシ気に入ったの? ずっと乗ってたもんね」
指導員さんはしゃがんでステラの目線に合わせる。
「うん」
「あのヤマクズシはね、売りモノじゃないから飼えないの。でも、別の子なら飼えるけど、それでもいい?」
「そっか、う~ん……」
ステラは悩んでしまう。
「すまない指導員さん。ヤマクズシの相場はどれくらいか訊いても良いだろうか?」
今は買えないが、一応とゼティフォールが訊く。
「そうですね……。乗りに適した品種ですと、少なくとも赤ちゃんが一千万ディア、少し大きくなっていたら七百万ディア、大人でも五百万ディアしますね。うちの子でだいたい千二百万しましたし、それくらいはしますね。あと、病気にならないようにワクチンを打たないといけませんし、大型のモンスターですから飼育許可を国から貰わないといけません。騎乗装備もあった方が良いですし、その辺の草や果物を上げても良いですけど栄養が偏っちゃいますから、最低限栄養補給するためのエサ代もいります」
「なかなか手が出せるモノではないな。ついでだが、騎乗用でなければどうなのだ?」
「騎乗用でなければですか……。ああ、前にブリーダーさんから聞いた話なんで、相場か判りませんけど、赤ちゃんは八百万ディア、大きめで五百万ディアと少しお安くなるんですけど、大人は危険が多くて基本的に売っていないんだとか。でも、許可を得ていて信用のあるヒトになら、タダ同然で譲ったりしているみたいですね。何匹も~って訳にもいきませんし、騎乗装備や興奮状態になった時の鎮静剤や手入れの道具の代金は貰うそうですけど、飼いやすいのはこの辺りでしょうか?」
「ふむ。何にせよ、今は飼えないようだ」
国に許可を得るにしても、現在身分証明書も無いゼティフォールにとっては不可能な事だった。
「最後になりますが、本気で飼われるのであれば、最期までちゃんと面倒をみてあげてくださいね。こんなつもりじゃなかったとか、思ったより大きくなった、可愛くない、懐かないとかでモンスターや動物を自然に放せば、そこにいたモンスター、動物、植物だけでなくヒトにも迷惑がかかりますからね!」
「はい、わかりました!」
ステラは今まで見たこともない真剣な面持ちで返事をした。どうやら、半端な気持ちで飼いたいわけではないらしい。
「お、良い返事ですね!」
指導員さんは笑顔でステラの頭を撫でた。
「すまない、指導員さん。関係ないのだが、聞いても良いだろうか?」
「何のことですか?」
「この、霧装の指輪で連絡できると言われたはいいが、使い方が判らなくてな……」
ゼティフォールは少し申し訳ない気持ちで指導員さんに訊いた。
「ああ、全然。それくらい何てことないですよ。ええっとですね、その灰色の石を三度、回すようにこすれば、連絡先の一覧がでてきます」
ゼティフォールは言われた通りにする。
「ほう! 空に文字が浮かび上がったぞ。しかし、これ程大きく表示されてしまったら、内密に連絡できないのではないか?」
ゼティフォールの前には、“連絡先”の欄に大きく“トニー”と書かれた映像が現れている。どうやら現在電話をかけられるのはトニーだけのようだ。
「いえ、今の状態では指輪を持っているヒトしか見る事ができません。もし見せたい場合は、左下に“公開設定”の所をタッチして頂いたらできるはずですよ」
「ほう。ほう、ほう!」
ゼティフォールは何度も公開と非公開を切り替えている。
「でたよ! きえた! またでた! きえちゃった! あ、でた!」
切り替えるたびにステラが出たか消えたかゼティフォールに報告する。
「ふむ。私だけに見えている時は白色、他のヒトにも見えている時は赤色で書かれているという事か。間違え無さそうでよかった」
「おもしろいねぇ」
「な、便利なモノよな」
ステラとゼティフォールは霧装の指輪のハイテクさに感心した。
「大丈夫そうですか?」
指導員さんが訊いた。
「ああ、ありがとうございました。これでようやく連絡できそうだ」
ゼティフォールは指導員さんに礼を述べた。
「それは良かった」
「では、私達は行く。今日はどうもありがとう。なかなか楽しめた」
「うん。おもしろかった! おねえさん、ばいばい!」
「はい。宜しかったらまた来てくださいね! あと、騎乗体験は16時で終わりですけど、基本的に20時くらいまでなら誰かしら牧場にいますので、何か聞きたいことがあれば聞いて下さいね。あ、一応これどうぞ」
指導員さんはゼティフォールに紙と何かが入った袋を渡した。
「これは?」
「その紙はパルトか、その霧装の指輪にスキャンすればここの連絡先を登録できます」
「スキャン……。ああ、連絡先を呼び出した時、右上にスキャンという項目があったな」
「はい。それで、その袋の中はここのウシ型モンスターから採れた牛乳で作った、ミルクジャムです。おいしいですよ!」
「む、いいのか!」「みるくじゃむ!?」
ゼティフォール少し嬉しそうに言った。
「はい。そのままでも、トーストに塗っても、アイスと合わせても良いですし、本当に美味しいのでぜひ食べてみてください」
「ふむ、さっそく明日の朝にでも試してみるか。では」
「こんどこそ、ばいばい!」
「では、ありがとうございました。……ばいばい!」
指導員さんは手を振ってふたりを見送った。
牧場を出たふたり。
「えと。たかだい、いくの?」
「ああ、いや。先にトニーの所に連絡して一旦帰ることにする」
「なんで?」
「私は夕焼けも夜空も、昼や朝の町の景色も気になるが、ステラは星が見たいのであろう? では、先にあまり興味のない景色を見て半端な感動をするより、一番いい状態を皆で見たいではないか。故に、今夜空に雲がかからなかったらその時に高台に行こう」
「わかった。おほしさま、みえるといいね!」
「ああ、楽しみだ」
ゼティフォールとステラは今夜に想いを馳せて、楽しそうに笑った。
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