【絶対幼女伝説】 〜『主人公は魔王なのに』を添えて〜

是呈 霊長(ぜてい たまなが)

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幼女+紳士さん

30話 ~ステラの休日『がじゃいもは、ふつうだった。でもね、チュッチュのおにくは、すごくおいしかったよ』~

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 シロプルを倒した翌朝の事。ステラはアクセサリーが見たいからベラちゃんの装具店に行くと言い出した。
 しかし、オルランドはアクセサリー作りをしなければならないので一度は『ダメだ』と言ったが聞かず。
 ステラはアクセサリーへの情熱と、家でおとなしくするのはできないことと、ステラはおるにゃんより強い事を力説され、とうとうオルランドは根負けして許可することにした。
『夕方の5時に迎えに行く故、ベラちゃんの店の前で待っているのだぞ。他の所に行っても良いがあまりうろうろしない事、町の外には出ない事。ステラが強いのは重々承知だが、万が一誘拐でもされたら困るからな』
『うん』
『お腹が減ったら、いつでも帰って来て良いからな。では、気を付けて行ってらっしゃい』
『いってきまーす!』
 そしてお弁当をポケット(魔法で拡張している)にしまって、ステラはゴキゲンで出かけて行った。

「これは?」
「炎耐性。炎を受けても燃えにくくなるの」
「これは?」
「魔力を通すと水魔法が使えなくても、初級クラスの弱い水魔法が使えるの」
「これは?」
「魔法の威力が上がるわ」
「これは?」
「雷耐性ね。電気に触れても感電しにくくなるわ」
「これは?」
「これも炎耐性よ。でも、さっきの物の方が効果が高いわ。その分お値段も張るけど」
「これは?」
「これは珍しい鉱石を使ってるから高いけど、装備の効果自体は無いわ。おしゃれ装備ね」
「へ~! あ、これきれい! これは?」
 ステラは星の形に研磨された石がはめ込まれた指輪を手に取り、目を輝かせながら色んな角度で眺める。
「効果の程は個人差があるみたいだけど、が上がるわ。星が好きなの?」
「うん! ステラはおほしさまが、だいすきだむん! だって、ステラも、おほしさまっていみだから!」
「そう、自分の名前が大好きなのね。それはイイことよ」
「へへへ~。あ、これは?」
「それは使うと状態異常、毒とか石化を直すことができるの。とは言っても、何度も使うと壊れちゃうんだけど」
「こわれたらどうするの?」
「修理すればまた使えるけど、専用の道具とか場合によっては専用の素材がないといけないわね」
「ふ~ん。ここでもなおせるの?」
「ええ。壊れ方にもよるけど、この指輪くらいならその日の内に直せるわ。まあ、それなりに器用で、道具を持っているなら自分でできないこともないけど、普通はここみたいな装具店で修理するのが一般的よ」
「ふ~ん」
 といった感じで、他に客が来ないから良いものの、ステラは店に来てかれこれ2時間たまに雑談はしつつも、ベラちゃんにこうしてアクセサリーの装備効果を訊いていた。
 ────ぐう~。
「おなかへっちゃった!」
 ステラのお腹が鳴ってしまった。時間は丁度お昼で、ステラの腹時計は正確なようだ。
「そう言えばお昼の時間ね。ステラさんはご飯どうするの?」
 ベラちゃんが店の中央のテーブルに置いておいたカップをとり、ハーブティーをひと口飲む。
「おるにゃんがね、おべんとつくってくれたの。ほら!」
 ステラはポケットから弁当を取り出してベラちゃんに見せる。因みに、ポケットの入口より大きいものを取り出す時は、ポケットの口がふわっと広がってくれるので、子どもでも出し入れが簡単である。
「あら、ほんと! カワイイお弁当箱に入れて貰っていいわね」
 ステラの弁当箱は、黄色の星のマークが描かれたピンク色のものだ。見た目はカワイイ感じであるものの、ステラがよく食べる事もあってサイズは“おとな用”と言っても差し支え無さそうだ。
「うん! このおべんとばこはね、ははうえがかってくれたの。おかずとごはんは、おるにゃんだけどね」
 ステラはベラちゃんに嬉しそうに教える。
「ここで食べていく?」
「う~ん……。こうえんにいく!」
「ああ、近くの公園ね。確かベンチとテーブルもあったし、この時期は木漏れ日も心地いいから、お昼ご飯を食べるにはうってつけだわ」
「ベラちゃんもいく?」
 ステラは弁当箱をポケットに入れ、ベラちゃんに訊いた。
「いいえ。アタシは他の店舗の見回りもしないといけないから」
「そっか。じゃあ、またね~!」
 ステラは笑顔で手を振る。
「またね」
 ベラちゃんも手を振ったのを確認すると、ステラは元気よく店の外に駆けだした。

「ぅお~! ヒトがいっぱいだー!」
 ついてみると町のヒトが公園に沢山来ていた。
 家族連れが多いみたいだが、お年寄りや若者問わず色んな世代が利用している。
 この公園はブランコ、シーソー、滑り台、鉄棒、一通り揃っているが、これらはただの金属の遊具ではない。壊れないようにと、もし遊具から落下したりぶつかったりしそうになっても、保護できるよう遊具すべてに魔法が掛かっていて、万が一の事故を防ぐことができるのだ。
「ここにしよ! あ~、おなかへっちゃった!」
 とは言え、腹減りステラにとって今はそんな事どうでもよく、設置されている木のテーブルにまっすぐと向かった。
「おべんとのなかみは、な~にかなー♪」
 ステラは鼻歌まじりに、蓋についているフォークを回収しつつ弁当の蓋を開ける。
「おにぎり、う~にんにゃー、たまぼやき、がじゃいも、チュッチュのおにく。あ、ゼリーもある!」
 ステラはルンルン気分で、ひとつずつ指を差しながら中身を確認した。
 因みにこのお弁当は米を炊く以外オルランドが作ったのだが、ステラのお出かけが急遽決まったこともあり、急ぐあまり同じフライパンで二品作ったりして少し焦げてしまっている部分もある。
 とは言え、お疲れ様である。
 メニューは一度ステラが言ったが一応、三角で海苔が巻かれてある塩にぎり、ボイルしたウインナー、ほうれん草の入った小さなオムレツ(ケチャップ乗せ)、マッシュポテト、鶏肉のトマトーソース炒め。それに、市販の蓋に魔法少女系の絵が映ったリンゴゼリーである。
「いっただっきまーす!」
 ステラはまずオムレツをフォークに刺して口に入れた。
「……ん~! おいしゃ~!」
 このオムレツはお弁当用に作ったので硬めに作ってあるが、カチコチと言うよりプリプリに近い食感になっている。それに、ほうれん草は歯触りが良くなるように柔らかい葉の部分だけ使っている。
 ※茎の部分はトマトスープにして、オルランドがお昼に美味しくいただきました。
「つぎは、う~にんにゃー! にゃあ!」
 ステラは猫のモノマネを交えつつ、ウインナーを食べる。
「おいしいね~!」
 実際オルランドは手間こそあるがボイルしただけなので、美味しいのは作ったヒトたちのお手柄である。
「おっにぎり、おっにぎり、いっただっきま~♪」
 リズムに乗りながらおにぎりを頬張る。
「おにぎりだー! なかは……、なにもないね。でも、あじがある。……ま、いっか!」
 ステラは具材が無いので少し不思議がったが、塩加減は丁度良い様子で、どんどん食べ進めていく。
「がじゃいもたべよ」
 マッシュポテトは味付け控えめで、箸休めになるように作られている。
「うん、もにゅもにゅで、クリームみたい! でも、あんまりあじしない」
 クリーム状になっていて、食感は気に入ったようだが、ステラ的に味はいまいちだったようだ。
「チュッチュのおにく、たーべよ!」
 ステラは気を取り直して、鶏肉炒めを大きな口で頬張る。
「……。はぁ~っ! おいしゃ~!!」
 どうやら味覚にベストマッチしたようで、ステラはテンションが上がって足をジタバタしてしまう。
 鶏肉の表面はこんがりで、皮はパリっとして中はプリプリ。ソースの材料は完熟生トマト、バジル、玉ねぎ、オリーブオイル、塩コショウと隠し味に少しのワインビネガーと、比較的シンプルなものだが、鶏の肉汁の旨味と合わさることで、絶妙な美味しさに仕上がっている。
 余談だが、このトマトソースは昨日シロプルと激戦を繰り広げたオルランドが、帰った後『無性にトマトソースが食べたくなった!』と言い出して作っていたものだ。
「おいしかった~! あとはデザート!」
 ステラはゼリーを取り出して、手に持っていたフォークを空の弁当箱にしまう。
「これ、なんだろ? かっくい~!」
 ゼリーの蓋に描かれている魔法少女の絵を見て、ステラはつんつんと触った後ぺりっとめくった。
「りんごの、いいかおりだ~!」
 そう言ってゼリーの香りを5秒程楽しんで、ステラは一口でチュルンと食べてしまった。
「おいしかった!」
 ステラはお腹をポンポンと叩いた後、弁当箱を閉じてポケットにしまった。
『ふぇ~ん……! こわれちゃったぁ~……!」
 ステラが食後の余韻に浸っていると、近くでステラと同じ位の女の子が泣いているのに気づいた。
「ん? あ、してるねぇ」
 ステラはさっと立ち上がり、
「こまってるヒトがいたら、たすけてあげないとね!」
 泣いている女の子の元に走って行った。
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