過疎ゲーにログインしたら超人がいた。

sann2

文字の大きさ
6 / 7

第6話 畑に一粒の種を植える。

しおりを挟む


鍬の耕す方の金属部分とは逆の柄の端に手のひらを乗せ、さらにその上に顎を乗せる。いかにもな農民なうなスタイル。遠目で見たら完璧だ。

ん?なんで俺がそんな格好で和んでいるかって?自分地の畑を耕していたからだ。
もちろんゲーム内の。このゲーム、初期から土地をもらえるのだ。
貰えると言っても一人暮らしにちょうど良いくらいの一軒家と4畳くらいの広さのまだ耕してもない畑を最初に無料でもらえるのだ。

一軒家の広さは最初は狭い。広さだけで言えば2DKくらいか。つってもそれでもリアルじゃ1ルームの俺のマンションの部屋より広い。なんか虚しくなるな…。
ただこっちの家はレトロ感を出してるんだかキッチントイレはあるがキッチンが土間で竈の癖に何故かガスコンロのひねるタイプのスイッチ?見たいのがあって中火弱火とか簡単に出来るようになっている。なんで見た目は昭和初期くらいのちょっと洋風の小屋のようで現代っ子にもそれなりに使いえる使用になっている。
トイレは外、と言うこともないがあれだ。デフォは無限に広がるブラックホールのような穴だ。穴があるだけだ。ゲームなのにトイレもあるのか?と言われそうだが、食うのだから合っても良いだろう。と言っても現実世界ほど頻繁に使うわけじゃない。これもレアと言って良いのか。たまにゲーム内で腹痛を起こすデバフをもつ食物がある。それを食べた時、恐ろしい腹痛を体験する。罰ゲームのようなそれは滅多に起こらない。起こらないだけであるのと、うちらPCとは別にNPCが普通に生活をする上で使用するので設置されているという理由もある。

ゲーム内とはいえ、NPCの数は惜しみなく配されているのでNPCのいる村も街も本物の都市のように生きた賑わいがリアルに再現されている。
AI技術の進歩も目覚しく、普通に話したら人間と大差ないほどの知識と流暢な会話を披露してくれる彼らは何度質問しても同じ会話しかしないということはない。

少し忘れっぽい。そういう所もあるが、ログインしている全部の冒険者の数を思えば、一人ひとり覚えておくのもまた難しいのかもしれない。

おっと、話は反れたがそんな訳で俺は久方ぶりのログインに続き、次の日もvariousにログインしている。キャラは新規で作ったキャラのもので
家もキャラごとに用意されているので新規のものを。variousでアカウントが同じキャラの共通部分なんて運営からの全プレのシリアルコードくらいで後はほぼ完全に別の人間として扱われる。
そのためもともと築いてきたフレンド関係もギルドも制限なく新たに気づけるのでそれは粘着などで困っていたユーザーにはありがたい対応なのかもしれない。
もし、新たなキャラで元もとのキャラのフレンドと会話したいなら新キャラを教えて新たにフレンドになればいいだけなのだから。

そう言うところ、このゲームは細やかに対応してくれている。
そう、だから俺はまだ前にプレイしていた時のフレンドにはまだたぶん見バレしてないのである。
なんでそんなことをしているのか、おれ自身にも明確な言葉はない。
前に遊んだ奴らが俺が復帰したからと一年も時間を置いてそう前のように頻繁に連絡してくるとも思わない。もしかしたら多くは止めた俺など早々にフレンド解除しているかもしれないし、同じく一年の間にやめたかもしれない。
ただ、前のキャラにログインすればフレンドにはログインしたことをフレンド閲覧から確認できる。俺はまだなんだかうだうだと考えてまだ前キャラでログインできていない。今更の癖にうじうじ悩む男なのである。

「クロって本当にあのクロなのかなぁ…」

俺の中で思い浮かぶクロは初心者マークのゲームに慣れていない弟分だ。
同じ名前だから同一人物ともいえない。改名カードはあるし、リアルと違いキャラの装備も何もかも自由に変えられるのだゲームは。
もしかしたら昔いたクロという人とは違うと言うことは十分に考えられる。

会いたい気持ちはあるが、会ってだからどうだと言うことだ。

ゲームでたまたま一時期、遊んだだけのフレンドユーザー。
一年も音沙汰なく、そして現時点での開きは天と地ほどもある。
馴れ馴れしく接してもいいものか、悩みものである。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

親がうるさいのでVRMMOでソロ成長します

miigumi
ファンタジー
VRが当たり前になった時代。大学生の瑞希は、親の干渉に息苦しさを感じながらも、特にやりたいことも見つからずにいた。 そんなある日、友人に誘われた話題のVRMMO《ルーンスフィア・オンライン》で目にしたのは――「あなたが求める自由を」という言葉。 軽い気持ちでログインしたはずが、気づけば彼女は“ソロ”で世界を駆けることになる。 誰にも縛られない場所で、瑞希は自分の力で強くなることを選んだ。これは、自由を求める彼女のソロ成長物語。 毎日22時投稿します。

異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。

もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。 異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。 ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。 残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、 同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、 追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、 清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。 故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。 一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。 「もう遅い」と。 これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

処理中です...