女神に可哀想と憐れまれてチート貰ったので好きに生きてみる

紫楼

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一章

「普通」観察?

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 お祈りを終えて、目を開いたら両側に神父とシスター三人が跪いて号泣しながら祈っていた。
 シスター増えてるじゃねぇの。
「神子さま」
 もうこの人たちは否定しても無駄なんだろうけど、何か期待されても何も出来ないから。

「ただの通りすがりの旅人だ」
「そうですかそうですか」
 そう言う設定ですかってニコニコ頷いてる神父怖いよ。
 お布施を中金貨一枚渡して逃げた。
 もう少し出してもいいけど、俺の金銭感覚おかしいらしいので前回と一緒ね。
 減らすのはさすがに無理。

 外に出るとお昼時だ。

 んー、昼は基本屋台しかないし、俺は一服したい。
 路地裏に入って、周りに誰も居ないのを確認してから〈ルーム〉に入った。

 冷蔵庫からビールを取り出して、収納から焼肉弁当を出す。
 上着だけ脱いで、ソファでお昼タイム。

 いただきますの前にシガリロ。
「ふぅー」
 最近お説教続きだな。
 人付き合いが面倒なのってそんな悪いことかね。
 よく分からないうちに周りが揉めてグループが崩壊してるとか続いたら、どうでも良くならないか。
 良い関係が持てそうなら頑張るし、ダメそうなら弾くって普通だよなぁ。
 
 カシュ!

 缶ビールを開ける音って良いよな。ストレスがちょっと解消される爽快感。

 貴族っぽいはわからないけど、金持ちそうとか金遣いとかはちょっと麻痺してたかも。泡銭入って、マンション買って実家にトラクターとか買って、アンナにザクザク使われて、ってしてたらなんかそう言うの普通になってた。

 ブツブツ愚痴りながら弁当のパッケージを開く。
「はぁ肉がうまい。タレが米に染みてるのサイコー」
 ほぼ肉しか入ってない。良い感じだ。

 ボルクさんとエンマさんに味見させてあげたいけど、また大問題だとか言ってアイアンクローされるから我慢。

 この世界が食うものに困っている世界なら出すけど、そうじゃないなら出さない方が良い。
 アニメや漫画みたいに料理作るのも砂糖と酒使っただけでえらい事になるから怖い。
 
 ビールもう一本とシガリロ二本堪能してから、路地裏に生命反応なしだったので外に出た。

 表に出ると一番人通りがある屋台通り、東門近くに出た。
 「普通」を知るために人間観察をしようと噴水の縁に座る。 
 念の為〈隠者〉の指輪を起動。常に僅かに靄ってるらしいけど、特に気配を消したい時は魔力を注ぐと、他人には認識されないらしい。 
 フード被った男がぼっちで人を観察してたら連行されそうだからな。用心。
 
 じっくり見てわかったのは、靴にヒール部分がない。靴裏が皮っぽい。厚底とかいないね!
 ブーツは商人や冒険者で装飾はシンプル。庶民はローヒール、皮の使用が少ないサンダル、木靴。
 ゴスブーツやエンジニアブーツはベルトやバックル付いてるから・・・。樹脂部分が全部皮って思われるのかな。

 俺あんな足裏薄いの今さら無理だな。
 中にソールを入れれば・・・うーん?

 みんなアースカラーって言うのか、緑、茶、オレンジみたいなのをくすませた色っていうのかなぁ。白とか黒とかは冒険者にはいるけど全身丸ごとではない。
 普通に合わせると今のジェイルの顔がぼやけそう。着こなせれば良いのか。
 
 ・・・たまになら良いけど黒が好きなんだよなぁ。普段は〈隠者〉の指輪に頼ろう。
 貴族って俺は絶対名乗らないけど、相手が勝手に勘違いするのは詐称になるのか?
 貴族に見える問題は髪を染めたらマシになるといいな。

 今後困ったことになるのは嫌だから、冒険者ギルドとか依頼中は、ジャケットとマントこの世界のを買って着るかなぁ。妥協するべきなのか。
 むぅ。好きな格好できると思ったのに。

 あと買い物の様子ね。みんな爆買いしない。冷蔵庫がないし、無限収納もないから毎日食べる分を買う。
 食堂や宿やってると貯蔵庫があるし、一応冷却魔法の道具もあるみたいなんだけど、一般の家庭にはないらしい。
 
 冒険者者は十人十色って言うか、それぞれ個性的だし、ランクによって装備のレベルが違うから、俺個性的でも良くない??
 やっぱこの金髪と金持ち感?
 金なんてそれこそAやBランクの方が・・・??
 ランガたちもドットたちも稼いでるだろうけどそこらへんに居そうなニイちゃんだなぁ?
 なにが違うんだろう。

 服のデザインはそれこそ異国から来たで良いじゃん?あー、でも生地が麻か。
 ニット生地と綿と化繊、皮ってやり過ぎか。
 だけど慣れた肌触りがなぁ。麻・・・綿シャツ着込めば良い?
 
 んー、とりあえず服屋に行ってみよう。
 指輪を撫でて解除して、食事関係の屋台を通り抜けて、布類を置いている少し綺麗めな商店に入ってみる。

 あっちの世界で行ったことはないけど、オーガニックとかそっち系のお店。とても目に優しい。
 どうやら古着ショップだ。

 濃いのはやっぱ濃茶、深緑。
 真っ白は無くて黄色味の強い生成りが一番薄いみたい。

 俺は濃い色中心で探す。シャツはジャッ○船長が着てたような袖がたっぷりのリネンシャツがあったので色違いで三枚。
 袖が細いシャツも買っておく。
 ベストとロングジャケットを濃茶と深緑で二枚ずつ。
 フードマントは気に入ったのが一枚しか無かったので濃茶一枚。
 ベストには少し刺繍が入ってるのが気に入った。

 黒ゴスから中世庶民?コスになるぞ。ってこれは何かの時用な。
 普段はやっぱ好きなの着たい。買った衣装で今後の服装デザインに歩み寄れるか考える。

 売ってるベルトはコルセットベルトとタブルベルトか。結構カッコいいな。
 濃茶だからウエストバッグとか作り直さないと。

 結局結構な量お買い物しちゃって、布の端っこみたいな紐でまとめてもらって店を出た。
 すぐ路地裏に向かって少し歩いてから収納した。
 元の道は大荷物な俺を見かけた人がいるかもなので別の路地に出たよ。

 靴だけはぺたんこは無理だからブーツカバーか何か考えようかな。
 
 

 
 
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